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【ココロ】その方法は最適なのか?〜習慣の見直し〜

以前、あるチームのコーチから相談を受けました。
そのコーチが就任してから気づいたことは、練習内容とその方法が10年くらい変化していなかったこと。「変えよう」と提案すると「これがこのチームのやり方です」「これでずっとやってきたので」と提案を受け入れてくれません。

なぜ10年も同じ方法で行なっているのかというと、過去にそのチームからオリンピック金メダリストが出たからです。そしてまた金メダリストが誕生しようとしている。だから「この方法が正しいに決まっている」と信じてやまないのです。

ですが、金メダリストになりそうでなれていない選手、世界上位に食い込める実力を持っているのに食い込めていない選手が事実、存在しています。毎試合同じ対戦相手に同じような戦い方をして、同じパターンで負けることを繰り返していたそうです。
「もっとここを強化しよう」と提案すると「そうですね。でも得意なところをさらに伸ばしたいので」と反論されて受け入れてくれなかったとのこと。

「これは何なんですか💢?」
と私のところに愚痴をこぼしにきました。

これまで行ってきたことの繰り返しの結果が現在

過去に「オリンピック金メダルを輩出した」という成功体験から、その練習方法に執着してしまうケースです。
それは、さらに過去に遡って、そこから金メダルを獲るまでの期間に行ったことで、その選手だけでなく他のチームメイトのパフォーマンスも格段に上がったのであれば、それはきっと正しい(適切な)方法だったのでしょう。

目を向けなくてはいけないのは「今」。それは「理想の現在」ですか?
期待していた進歩が見られず「勝てそうで勝てない」「同じ負けパターン」を繰り返しているのであれば、過去から現在まで行ってきたことの結果をしっかり受け止める必要があります。

これまで繰り返し行ってきたことの結果が今

これから繰り返し行うことの結果が未来

過去から現在まで行ってきたことの結果が「勝てそうで勝てない」「同じ負けパターン」であれば、同じことを繰り返し行ったとしても、おそらく、同じ結果しか来ません。今と同じ未来でしかないのです。

こう言った話をすると「僕は少しず変わっています。」「5年前より成長しています。」という人がいます。それは当たり前の話です。全く変わっていない方がおかしい話です。ここで問いたいのは、今行っていることを繰り返して「理想の未来」はやってきますか?ということです。

例えば、オリンピックで金メダルを獲ることが目標だとします。
対戦相手がみんな体調が悪かったり、なにかしらの理由で出場できなかったり。そんなことがあったとします。自分自身のパフォーマンスが全く向上していないのにメダルを獲ったとして、それは「理想的な目標達成」なのでしょうか?
最高のパフォーマンスをして、最高のライバルたちと最高の試合をして、会場も湧き上がり、みんなが高揚して、そんな中金メダルを獲得できなかったら、それは目標を獲得できなかった「失敗」になってしまうのでしょうか。

これから繰り返し行うことの結果が未来
理想の未来を実現するには何をする?

だいぶ前になりますが、「目標としているのは〇〇選手(日本のトップで世界のトップクラス)といつも言っていた選手がいました。その選手の試合を見ると、途中で諦めているように見えたので「あのボール、なんで取りに行かないの?」と聞いたことがあります。返事はなんと「本多さん、あれすっごく疲れるんですよ。」
この選手は引退するまでいつも同じような試合展開で、順位も上がることはありませんでした。

また別な選手は、先輩選手たちから基本動作をよく注意されていて、それが改善されればもっとパフォーマンスが上がるだろうと言われていたようでした。私が「何で改善しないの?」と聞くと「これでも必死でやってるんですよっ!」と激怒して電話を切られてしまいました。
その後、その選手は徹底して動作を改善し過去最高と呼ばれるパフォーマンスで会場を盛り上げていました。試合には負けましたが、評判は驚くほど上がりました。

これから行うことの繰り返しの結果が未来になるとして、これから何をしますか?


目標の見直し

最初に、理想の未来について考えてみましょう。
心の底からどんな未来を実現したいと願っているのか?

チームや組織であれば、チームとしてなにを目指しているのか、どんな未来を実現しようとしているのかを共有します。監督だけがそれを思っていても、ある一部のメンバーだけで共有しても、それはうまくいきません。全員で共有し、責任を持ちます。

習慣の見直し

習慣の見直しをしましょう。
「これから繰り返し行うこと」とは毎日の習慣です。

①習慣を書き出す

朝起きてからよる寝るまで、毎日行っている行動です。それを全部書き出してください。
頭の中で考えるだけではダメです。
できれば1人で静かな場所で行いましょう。誰かにみられていると思うと、本当のことを書かない可能性があります。

②一つ一つの習慣の目的を書く

そして行動習慣の一つ一つの目的を確認して書きます。
どうして何のためにそれを行っているのか?

③不要な習慣にXをつける

各行動を繰り返すことが理想の未来を達成するのに必要なことか確認しましょう。
必要のないものには「X」をつけます。

④必要な習慣を追加する

今度は、理想の未来を実現させるために必要な習慣を追加します。


「理想の未来」を実現するための「理想の現実」

「理想の現実」がわかったらあとは実行するだけです。
習慣は無意識に行っているので、それを改変するのは実は大変です。

寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、昼間だるくて仕方ないという人に話を聞くと、寝る直前までゲームをしたりスマホを操作していたります。それが睡眠の質を下げているとわかっていてもやめられないと言うのです。

習慣とはそういうものです。無意識に行っているので、改変するには「意識的」に行う必要があります。意識的にがんばってすることにはエネルギーが必要です。習慣化するとエネルギーは全く必要なくなり、勝手に行動するようになります。

例えば、スマホをいじったりゲームをやめられないのであれば、夜に眠くて眠くて仕方がなくなるように朝早く起きるとします。ただでさえ良質な睡眠が取れていないのに、 朝早く起きるのはなかなか辛いものがあります。目覚まし時計を止める時に「今日が最低最悪。明日はもっと楽になる」と唱えながらがんばって起きます。

すると、夜は眠くて眠くて仕方がなくなり早く就寝します。
翌朝も同じです。ですが、今回はぐっすり寝たので、夜は元気にゲームをしてしまいます。(習慣だから)翌朝起きるのが大変になりますが、同じく唱えながら起きます。「今日が最低最悪。明日はもっと楽になる」。
それを繰り返していると、その時間に起きることが全く苦ではなくなります。習慣になったからです。それが習慣になれば夜早く寝る習慣もつきます。

実はこれは私の実体験です。
「今日が最低最悪。明日はもっと楽になる」とうのはある講座を受けた時に教わったのですが、見事に上手く行きました。そして、今では当時よりも2時間早く起きています。

心の底から実現したい未来があれば、今なにをすべきかが見えてきます。不要習慣は捨て、必要な習慣を取り入れることに迷いはないはずです。

「いや〜でもこの習慣を変えるのは無理だな〜ダメだってわかっちゃいるんだけどね〜」という人は、おそらく、描いた理想の未来を「心の底から」実現したいとは思っていないのだと思います。


まとめ

今まで1〜10やっていて上手くいっていないのなら、A〜Zが必要かもしれないし、あ〜を という方法かもしれないし。

指導者は、過去の指導実績を大事にしてもいいですが、指導を受ける側は全く違う環境で育った別人です。進行状況が思ったように行っていないのなら、1〜10に執着する必要はありません。

冒頭で紹介した知り合いのコーチは私に愚痴を言うだけ言って電話を切ってしまったので、どうやらアドバイスを求めていたわけではないようでした😅ですがその後のチームや、選手のパフォーマンスは上がっているようなので大きな改革をしたのだと思います。

私の母校(オクラホマ大学)はスポーツがとても盛んです。
アメフトは私が入学する前にとても強かったのですが、不祥事があって低迷した頃に私は入学しました。低迷時代はヘッド・コーチが変わることもしばしば。
ある時、過去の栄光を引きずったヘッド・コーチが就任。「彼ら(選手)は甘やかされている。太りすぎだ!」と練習中に水を飲むことを禁止しました。オクラホマ州は高温多湿でスポーツする時には要注意とされている場所です。それだけでなく「奴らはただの駒だ」と選手を番号で呼び、名前では呼ばない。禁煙エリアでも喫煙する。
とにかく「いつの時代だよ?!」とツッコミを入れたくないような有様でした。結果、脱水症状・熱中症で倒れる選手が続出。トレーニング・ルームには点滴が吊るされ異常な光景でした。
ある時、新入生が倒れ、脳の機能に後遺症が残ってしまいました。ヘッド・コーチは1年未満でクビ。「俺はこれで成功してきた。俺がヘッドだ。これのいうことを聞け!」と言い続けた結果です。犠牲になった選手たちが気の毒でした。

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カラダとココロのメンテナンス
株式会社りとるジム
www.littlegym.jp

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