クローディア

毎週のホット・チョコレートサンディよりたいせつなものを
きみはいつか見つけるだろう
秘密をたくさん
ポケットにしまいこんで
バスに乗るんだ
いちばん後ろの席で息をひそめながら
いったいどんな話をする?

旅にでるのに必要なのは何?
カバーの取れた文庫本と
“しるし”をつけすぎた紙製の地図
笑う星を頼りに
虹の架からない空の渡り方を
無言で教えてくれる風ひとつ
偶然2人同時に見つける

溢れる寸前の
タンブラーを強めに閉めて
誰かが降りるバスに乗る
料金ボックスの音の配列

毎週のホット・チョコレートサンディよりたいせつなものを
きみはいつか見つけるだろう
秘密をたくさん
ポケットにしまいこんで
沼地や砂漠を走る
バスの轍を
きみとつないだ手の温度のように
曖昧に記憶しながら
“おやすみ”という言葉が
夜に落ちる音を
手繰り寄せる
それがすべて

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