『海の機嫌』

そして海はある日
不機嫌な顔をして机に座って
キーボードを叩きはじめた

パロメーターのインターフェイスは
合間に淹れる珈琲の味

僕たちは
音の無い場所にいる
音の無い窓

無音

何もない
とまる


風?
バスを待つ
無音 風の音 それだけ
枝だけの街路樹のそばで 
バスを待つ 

水晶に引きこもった
共鳴

そしてある日
海は猫背になり
地球の輪郭に沿って
眠った

路地裏の子供の声と
母親が鍋を煮る
その音だけを聞いて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?