Little Ice Age

読んだことについて書きます。 ブクログID:littleiceage

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memo 中島岳志『自分ごとの政治学』

第1章 政治学の基本概念 ・フランス革命後の国民議会で、議長から見て左に急進的な革命派、右に守旧派が座った→「左派」「右派」 ・「王権神授説」から理性による「国民国家」へ。 左派1 国家によって理想の社会を実現しよう→共産主義、社会民主主義 左派2 国家とは必然的に抑圧を生み出すものだ→アナーキズム ・右派は「理性によって理想社会を実現する」のは難しいと考える。原理主義。「原点となっている社会に回帰しよう」。 →保守思想の原点 エドマンド・バーク『フランス革命の省察』 人

    • 今月の本と映画 08

      Books 坂口恭平 『躁鬱大学』躁鬱の知人が「ここに書いてあることすべてが自分に当てはまる」というので読んでみた。 坂口さん本人も双極性障害の診断を受けていて、自分自身の躁鬱と向き合う中で「躁鬱は体質だ」と考えるに至り、「躁鬱人」の生態(?)や適した考え方を解説してくれている本。 「普通になろうとすることはあきらめましょう」というような一見ネガティブなこともキッパリさっぱりと言ってくれるので、読んでいても笑いながら「そうかぁ」と頷いてしまう。考え方の転換が起こり、大丈

      • 今月の本と映画 07

        Books ハン・ガン 『すべての、白いものたちの』 心地よい厚み。 詩集のような、旅行記のような、スクラップブックのような、印象。 この言葉たちが生まれてくる場所まで、どんな沈黙の中を歩いたのだろう。 三週間ぶりの沈黙を白く包んでくれた。 内向きのようでいて、遠くまで届くまなざし。 Movies 『ありふれた教室』 ドイツ語音声、英語字幕で観たので、拾いきれていない台詞もある。 基本的にカメラは学校の外に出ない。一学校はごくごく小さな社会なのに、その狭さを忘

        • memo ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』下巻

          【人類の統一】第12章 宗教という超人間的秩序宗教は、貨幣、帝国と並んで人類を統一する要素。宗教は、超人間的な秩序の信奉に基づく、人間の規範と価値観の制度と定義できる。 古代の宗教の大半は局地的で排他的。普遍的で宣教を行う宗教が現れたのは紀元前1000年紀。 局地的な宗教は、特定の場所や気候、現象の独特の特徴を強調する傾向がある。農業革命に宗教革命が伴った。狩猟採集民は動植物をホモ・サピエンスと対等の地位にあるとみなしていたが、農耕民は動植物を「所有」して操作する対象とみ

        memo 中島岳志『自分ごとの政治学』

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        • 読書ノート
          3本
        • 今月の本と映画
          2本

        記事

          memo 福岡伸一『動的平衡』(2009)

          第一章 脳にかけられた「バイアス」 記憶の問題 フランシス・クリック 意識のメカニズムを研究   もっとも単純なモデル「ある特定の記憶が、特別の分子の形をとって、海馬にある脳細胞中に溜められる」 しかし、生命現象を観察すると、すべての生体分子は常に合成と分解の流れにある。 アンガー博士がネズミの「暗所忌避」実験をしたが、他のチームは再現できなかった。   脳細胞は一度完成すると増殖したり再生することはほとんどないが、分子群は高速度で変転している。生命現象とは、絶え間なく動い

          memo 福岡伸一『動的平衡』(2009)