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想い出という名の荷物.2

人の記憶とは儚いもので、その”ヒト”というカテゴリーの中でも私という存在の海馬は弱いのか、それとも今という瞬間で精一杯なのか、

一昨日より昔の記憶はほぼ抜けてしまっている。


「一生忘れない」と思ったあの出来事でさえ、
言われても想い出せない始末である。


ついこの前まで、悲しくなるから、寂しくなるだけだから
想い出なんていらないと豪語していた私だが、

あっても結局忘れる始末なら同じなのではないか、とも思い始めた。


さて、今日の随筆は何を描こうと思って始めたことかも
もはや忘れてしまった。

ただ今の気持ちをここに綴るなら、
切なくて、寂しくて、ありがたくて、愛おしいということだ。


大切で愛おしいあなたという存在と想い出と記憶に別れの瞬間がくる。
そんなことはこの世にも珍しい”絶対”の事実だ。

そう想ったら、やっぱり想い出なんていらないかも。
いつか、想い出と手を繋いで歩くような日も来るのだろうか。


どうせいなくなってしまって、どうせ形がなくなってしまうから
だからいらないと突っぱねるのも
17歳の夏には戻れないと風が教えるように、とてつもなく寂しいものだ。

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