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不安と夢と現実と

◆ 「私はバレエダンサーになれないかもしれない…」

 帰宅して、先生の話を娘に告げました。発表会が終わった直後のことでした。
 始めこそピンとこなかった娘も夜になるにつれだんだんと実感が湧いてきたらしく、娘も私もその日はなかなか眠れませんでした。

 娘は確かに集中力が途切れやすいタイプでしたが、バレエが嫌いだとか興味がないわけではありませんでした。
 レッスンに行きたくないと言ったのは、当時お姉さんたちが多かった環境の中で上手く踊れない葛藤があった習い始めの数ヶ月だけ。それからレッスンが増えた今でも嫌がったことはありません。

 本気だと言うようになってから、家での練習も取り組むようになりました。
 キッカケは私の条件だったし、ストイックさを思えば内容が充実しているとはいえないし、習慣化するまでが辛かったものの今では少しずつ安定しています。

 週1回から2回、3回と時間もかけながら段階的にレッスンも増やしてきました。
 学校が好きではない娘は、毎日疲れ果てて帰宅します。疲れ果てた後に宿題をし、練習やレッスンをする…本当は公園にも行きたいし、友だちとも遊びたい…けれど我慢。

 それもこれも、上のクラスに入るため。

 そんな目標が崩れたように感じたのでしょう。
 あれだけ前向きに踏ん張る娘の時間が、完全にフリーズしているようでした。

◆諦めきれない思い

 不安まみれな娘を見て、悔しさは倍増していきました。
 でもどうすればいいか分かりません。分かってたらやってますよね(笑)
 いったいこれから、どんな気持ちでモチベーションを保てば良いのか、私は見当もつかなくなりました。

 「…もう諦める?」

 「嫌だけど…もう(ダンサーに)なれないんじゃないの…?」

 「方法はきっとあるよ。難しいけど、やってみる?」

 「やる!」

 諦めなくて良いならやってみるという娘の強さを感じた私の脳みそは、フル回転でした。

 どうすれば集中できるようになるのか。
 どうすれば自分の練習に集中できるようになるのか。
 どうすれば気が散らないで済むのか。

 娘が抱える問題は集中だけではありません。
 姿勢が悪いところ、体幹、鍛える筋肉を間違えているところ…今後の食事や体型も含め、考えることは山積みです。
 特に体のトレーニングは必須と思っていただけに、どれから始めて良いのか混乱しました。

 バレエには、どうしても今後の怪我につながりやすい動きが多くあります。(日常生活から見て)必要以上に広げる可動域や柔軟性、無理な姿勢でバランスや衝撃吸収を続けることでの腰や膝の負担が否めないからです。
 ポワント(トゥシューズ)でつま先を酷使することによる足の変形もありますよね。そのため、近年ではコンクールでのポワント使用年齢が引き上げられました。バレエコンクールとして有名なYGPでも

 ”10歳以下の参加者についてはトウシューズの着用禁止、11歳の参加者についても着用はできる限り避けること”
参考//新書館ダンスマガジン2017年3月号より

としています。これは、骨が柔らかいうちからつま先立ちをしてしまうことによる、骨自体の変形を防ぐため。
 記事にもありましたが、成長は1度きり。一度曲がった若木が成長してから真っ直ぐにならないように、やり直しはできないからこそ過剰な無理はしない…これが大事なのだと言います。

 とはいえ、その競技だから必ず怪我をするというわけではないと思っています。
 バレエだけでなく、おそらく体操や新体操、それ以外のスポーツでも同じことが言えると思いますが、競技以外のトレーニングやピラティスやセルフケアなどで自分の体を整えたり守ることはとても大事なことなんです。
 私は、練習時間と同じくらい…は難しくても、その前後はちゃんと準備とケアをする必要があると思っています。
 今は小さく若いから無理ができてしまっているけれど、日々刻々と成長しています。大人が若い頃の気持ちで久しぶりに運動して筋肉痛に悶えますよね。辛い時は整体院に駆け込むこともありますよね😂

 バレエダンサーになりたい夢が本気なら、ぜひ目指してみれば良いと思っています。でも私はお母さんですから、それ以上に末長く元気で健康でいてほしい。厳しい世界だから我慢も、辛さも、もちろんあるだろうけれど、必要以上の(怪我的な)痛みと苦痛に耐えながら続ける姿は、できるなら見たくありません。

◆方法がなければ作ればいいじゃない

 集中力も体も、すぐには出来上がらないものですよね。そこで、今すぐできる方法から始めることにしました。最初から100点満点の方法を試すのではなく、とりあえず今は40点でもいいから始めて、内容を随時アップデートしていけば良いと考えたんです。

 ポイントは3つ。

  • 体に関しては、解剖学的な視点からストレッチを少しずつ増やしながら行うこと

  • 集中力に関しては、娘が集中できるタイミングを観察して集中スイッチを作ること

  • この2つを継続して行うことで、「私できるんだ!」という自信の土台を堅牢なものにしていくこと。

 どうしても出来ない日もあると思いますが、なるべく前向きな気持ちで毎日続けれるようにしています。
 それぞれの内容についてはまた後日に。

・・・つづく


バレエダンサーになりたい女子との挑戦を綴った
< Little Ballerina >では
バレエ大好き女子、バレエで挑戦している女子
バレエ女子を応援しているママを応援しています😁👍
やり方や思いなどはそれぞれかと思いますが
共感できる思いなどがありましたらコメントくださると嬉しいです♪

※読んでくださる方へのお願い※
様々な取り組みやトレーニングの内容についても書いていきますが
あくまでも母と娘の間で試行錯誤しながら行っています。
もし参考にしていただく場合は、その旨ご留意いただけると助かります。


◆about さくら(娘)
 2014年5月生まれ。3歳児(年少)で幼稚園に入園したおりバレエと出会い、習い始める。体の柔らかさは並。リズム感ゼロ。音痴。振り付けも練習も覚えられず、集中力がすぐ切れるタイプからのスタート。
 現在は、ピアノのおかげでリズム感と音感を大幅改善中。ストイックさには欠けるものの、絶対に諦めないを合言葉に毎日のトレーニングで日々柔軟性を広げている。「舞台に上がると安心する」が名言。好きなことはバレエとクラフト。夢はバレエダンサーとして舞台で踊ること。

◆about さくらママ(母)
 1985年11月生まれ。1児の母。情報系の4年制専門学校を卒業後、IT系の営業職に就く。妊娠を期に退社。手に職をつけたく、県内の整体院でカイロプラクティック施術を学ぶ。あいうべ息育指導士。2019年に過敏性腸症候群を悪化させ、完全グルテンフリー、ウィートフリー生活(ほぼ自炊)となる。娘のバレエレッスンを期にバレエ解剖学に興味を持ち、自身の整体学経験から独学で学びを深めている。
 現在は、娘の予定に合わせるため母校で情報系の非常勤講師として勤務。仕事時間以外は、娘の習い事と独学でのバレエ解剖学の勉強、娘向けのトレーニングの考案を行っている。趣味は英語とキャンプと旅行。コロナでやむなく断念した親子留学を未だに画策している。娘の舞台チケットを買って観にいくことが夢。

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