新世界より 読書日記

新世界より 貴志 祐介 (著)

あらすじ

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。 (講談社文庫)

感想

まっとうに面白い。終始エンタメを行っていて、読んでいてストレスがなく、文体も読みやすいためサクサク読める。図書館登場してからはページをめくる手が止まらず、花火大会あたりまで来ると展開が眠気を吹き飛ばしながら夜更かしして読んだ。もともとホラーなどを書いている人だけあって、チェイスシーンの緊迫感がすさまじくグイグイ引き込まれる。

ただ、世界設定に対しておもったより話がこじんまりとしている気がした。はじめはこの設定で外への旅に出るのかと思ったが最後まで神栖66町の話だった。これが惜しいのか、このくらいのほうがまとまりがあるのかがわからない。

また、物語の大テーマであるバケネズミについてネットでネタバレを食らってしまっていたため、驚きが薄かったのが心残りである。知らずに読んでいたらかなり強い衝撃であっただろうと思われる。

この人の他の作品である、天使の囀りやクリムゾンの迷宮でもそうなのだがエッチシーンを必ず入れなけばいけない決まりでもあるのだろうか。いうほど本編に絡んできているわけでもないし、その必要性については疑問が残る。


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