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ムード・インディゴ うたかたの日々 感想

本記事は、【2023.7.19】にシティヘブンネットの写メ日記に掲載された「ムード・インディゴ うたかたの日々」のネタバレ感想または考察を再掲したものです。

公開日: 2013年10月5日 (日本)
監督: ミシェル・ゴンドリー
原作: 日々の泡
原作者: ボリス・ヴィアン

ムード・インディゴ うたかたの日々 ファンアート

u-nextにて鑑賞しました。
前半部分はきらびやかで甘くおしゃれな恋の物語、後半はリアルな地獄です。
ストップモーションや食べ物が動き回る演出が好きな方、甘く切ない恋物語が好きな方、資本主義体制に疑問を持っている方、以上のどれかに当てはまり、なおかつ"たまに傷つきたい方”におススメです。
わたしは結構深く傷つきました。

ここ最近、キュートなピエロが人間を惨殺する映画や、バスケしたいおばあちゃんが追いかけてくる映画や、ペットのサメモドキと戯れるホームビデオ等極度に頭の悪い映画ばかり見ていたため、「社会適合した人間の情緒を取り戻そう」というつもりで挑みました。

以下は「ムード・インディゴ うたかたの日々」のネタバレに触れる部分があるため、未見でなおかつ見る予定のある方はブラウザバックしてください。「うたかたの日々」という小説が原作で、何度か映画化及び漫画化もされています。描写がミソの映画のため、ネタバレしても面白さはあんまり変わらないかな(個人の意見です)

本当にかわいいケーキ

前半は、夢と希望に満ちた恋を描いています。すごく綺麗な恋人クロエ(オドレイ・トトゥ)との甘い日々が、色彩豊かに愛らしく綴られます。毛糸で出来たケーキがコマ撮りでキラキラと動いたり、家の隅っこには喋るネズミがいたり。

わたしは見るまで、「うたかたの日々」のあらすじを知りませんでした。
でも、前半部分があまりに可愛いので、見ながら「泡沫って言っちゃってるし、これはたぶん刹那の恋の話で、このあとひどい別れ方をするのだな」ということはなんとなくわかっていました。

この映画のあらすじを一言で説明すると、「好きになった人が病気で死ぬ、おわり」です。なんて簡単な話なんでしょう。そういう映画は概ねクソつまらんと思っていたのに、思いのほか心に深い傷を残す映画となりました。

クロエが病気になってから、映画は徐々に色彩を失います。

観ていて本当にキツかった。
クロエが病気になったことより、クロエが死んだことよりも辛いのは、主人公のコランが資本主義に負けていく様子がじわじわと描かれていくところでした。
彼が作った最高の発明品「カクテルピアノ」は、ピアノを弾くとカクテルができるというものです。"生きる"のになんの必要もないものを愛でて暮らしていた彼が、クロエの命のためにそれらを売ったり、働きに出たり、食べ物が粗末になったり、喋るネズミが家を追われる様子は思い出しただけで冷や汗が出ます。とても嫌だ、怖かった。

最高の発明品、カクテルピアノ

わたし個人の歪んだ感性ですが、恋というのは、不条理で不合理で刹那的なものだと思っています。刹那を過ぎた先のことを考えられないと、その後の人生に重く暗い影を落としてしまうこともあります。
そういった意味で、わたしは、自身を指名してくれるお客様達と「恋をする」ということは極力なしにしたいと思いました。自分を指名してくれた人たちには、カクテルピアノを売らずに楽しく豊かに生きていて欲しいです。切なく甘い気持ちにはさせてあげられないかもしれないけれど、重く暗い影ではなく、太陽のように愛の光で照らせる人になりたいです。


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