ASDオープン就労、休職の背景
休職に至るまでの経緯
ASD・ADHDの自分が新卒として某IT系中小企業にてオープン就労を始めてから、1年半以上経ちました。気付けばもうすぐ26歳です。
部署内の若手社員が自分含め2人、かつフルリモートの方がほとんどな状況下で、慣れないながらも試行錯誤を重ねる日々でした。その中で今回、最低1か月以上のお休みをいただくことになりました。
(身バレ・会社バレを防ぐため、業務内容や会社の規模などの情報は必要最低限にしてあります。皆さんの想像で補っていただく部分が多数あることはご容赦いただきたいです。)
「このまま今の部署で仕事を続けることが難しいのではないか」というのはここ数カ月の間でずっと思っていたことです。その小さな違和感が自分も周囲も拭えず、正直ここ半年間ほど何度かパンク寸前になる予兆を感じていました。
そして部署異動するか転職するかなど、今後の方針を決めるための経営陣を含めた重要な話し合いの前日、周囲の方々(会社外)より「あなたは今とても冷静な判断ができる状況ではない」とのご指摘を受けました。
ふと我に返り、翌朝主治医に相談したところ適応障害の診断を受け、手続きを済ませた後仕事をストップしています。
決して今の会社で長時間労働やハラスメントなど、そこにあからさまなコンプライアンス違反があったわけではありません。
周囲に自分の障害をカミングアウトした上で働いていたため、直属の上司の方は試行錯誤しながら指導や仕事の割り振りを行ってくださいましたし、職場の人々も非常に親切な方ばかりでした。(正直上司も部署の方も、障害を把握したうえで接し方を相当考えた上で対応して下さっていました。)
ですが複合的な要因が重なり生じてしまった、仕事をする中での小さな違和感やズレに耐え切ることができませんでした。具体的には下記のような点です。
①仕事の全体像・自分の立場の把握
仕事の全体像や目的、与えられた役割がはっきりしていないと先に進めないという自分の特性を自覚・把握するのが遅かった。「この業務何のためにやってんですか?」をそのまま放置して割り切ることができなかった。
反面、手に入れられる情報が限られていたりあらかじめ入念な話し合いがなされない状況では、どうしても指示待ち人間になってしまう側面があった。それを防ぐための周囲との入念なコミュニケーションなど、自分からキャッチアップする努力や工夫が足りなかった。
また自分の部署とは別に、経営陣からは「自分の部署だけでなく他部署や会社全体の方向性などから感じた違和感を、凝り固まっていないフラットな立場から柔らかく指摘する」という越権行為にも当たるような役割を期待されていたし、自分もそれに応じた。
結果として出社の比率を増やすなどして、「覆面調査員」的な役回りを買って出ることになり、そのやり方が今となっては不自然過ぎた。「勝手にしゃしゃり出やがって」と周囲から怪しまれない程度の、スマートな立ち振る舞いができなかった。
②優先順位の付けづらさ
突発的なスケジュール・方針の変更やどうしても生じてしまう二重基準、複数の立場からのダブルバインドなど、どの仕事においても避けては通れない状況に対して柔軟に対処できる経験値や臨機応変さが無かった。
③鈍感力の無さ
会社内・部署内で必然的に生じてしまう課題や違和感を「自分とは関係ない」とうまく受け流せず周囲に相談もできなかった結果、リモートワークの中で必要以上に邪推したり逆に誤解されるような行動を取ったりが重なった。下手にそれを主張すると石丸アタックになり、時に反感を買った。結果として臨界点を超えるまでモヤモヤを放置し続け、それが今回一気に爆発した。
④手探りで知識を身につけるプロセス
IT未経験の状態で入社した。純粋に僕個人の怠慢として物覚えや要領が悪く、知識が点と点になって繋がり業務に活かせるようになるまでに時間と慣れが必要だった。事実皆さんにご迷惑を掛けたし、リモートワークになってから露骨に指摘される事項が増えた。(これは100%俺のレベルが低い)。
とはいえ体系化・マニュアル化されていない、経験と勘からの帰納的な知識の身につけ方を知らなかった。
簡単に言うと「コミュニケーション不足が故の過剰な疑心暗鬼・相互の認識齟齬」が要因です。上記のような背景の中で「俺、そもそもこの会社と業務が合ってないんじゃない?」との疑念が拭えず、ついに限界が来たというのが本音です。
正直このような状況なんて、障害の有無に関わらず多くの社会人の方が経験することでしょうし、誰もが越えるべき壁だったのかも知れません。
「こんなん組織では当たり前だろ、新卒入社が生意気言って周囲に迷惑をかけるなバカ!」といった外部の皆さんからの意見は容易に想像できます。だとすれば僕のキャパは物凄く小さすぎました。
「魚が空を飛ぶ必要なんて無い。発達障害を抱えていても、正しい知識をもってすれば適応できる環境は必ず見つかる」が自分の中でのポリシーでもあります。
まずは1か月ほど休職して冷静さを取り戻すとともに、改めて「自分が身に着けられる(可能性のある)スキル」「その能力を最大限活かすための環境設定」の2軸を考えていこうと思います。
その際、今の会社から一歩引いて、多様な場所でそれぞれの働き方をしている方々のご意見をお伺いする場面もあるかも知れません。
およそ2年ぶりの長期休暇。幸い傷病手当やグループホームなど、生活に必要な福祉や制度のお陰もあって、切羽詰まった状況ではありません。
組織を離れた立場からリスキリングをしたり社会常識を学び直す中で、冷静さを取り戻して自分の今後を見つめ直そうと思います。
こうやってnoteで客観視できるくらいには元気です。個人へのご批判・ご意見や何かしらのお誘いなどあれば、お気軽にご連絡ください!
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