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どこまで知識を身につける?

大学時代にお世話になった、精神科医でありながら発達障害を研究する教授をなされているうちの大学の先生と久々にお会いし、仕事上の近況報告や困り感、自分なりの乗り越え方などをお話しさせていただいた。

いつもこのnoteで発信している通り、問題点は多くあれ比較的上手く行っている方ではある。徐々に社会や仕事、自身の能力に対する解像度が上がっていくにつれて自分自身のやりたいことが見え始めてきているのが現状だ。

だが世間に対する解像度が上がれば上がるほど、いかに自分が世の中に対して何も知らないかを思い知らされる。
「やりたいことを実行に移す前に、正しい知識を身につけるために2年くらい勉強だけする時間が欲しいです。」と話した。常々言っているように、社会人になってからいつか大学院に行く可能性も考慮していたのである。

だが正直、興味関心があるのは大学院で求められる「一つテーマを決めて研究するための勉強」よりも、「多様な知識を吸収して社会で活躍するための土台を作るための勉強」。

発達障害者の抱える諸問題について考える際、脳科学の観点からも健康問題の観点からも、彼らを取り巻く社会的な制度からも論じることができる。それらの知識を使って新しい商品やサービスを開発するには当然経済やマーケティングの知識も必要になってくる。

自分が本業としてやっているITだって、うまくツールとして使えば発達障害者の仕事における問題を解決することにつながる。企業の基本的な仕組みだって良く分かっていない。

で、自分は高校時代抽象的な表現を理解するのが難しかったり、学ぶことに対しての意義をあまり理解していなかったというのがあって理系のリテラシーが全く育っていない人間になってしまった。

受験は政治経済、大学は経済学部なので、恥ずかしながら基礎的な日本史や世界史の流れも地理も分かりきっていない。そんな中で受ける大学の授業が面白いはずもなく、単位を取るだけで手一杯だった。

そんな時教授がアドバイスとして下さったのは、「専門分野の知識だけをオタク的に追求するよりも、幅広い分野の知識を最低限浅く広く知っておく方が良いんじゃないか。その後世間で話題になっている本を読むことで、十分世の中の事が理解できる。」といったもの。

「自分の専門分野を突き詰めることに一生懸命になるあまりそれ以外の分野が見えなくなったり、社会に対して身につけた知識を活かせなくなっている人が非常に多い。そんな中で君の役割は、知識を包括的に繋げて実生活に活かしていくことじゃない?」

そうなのだ。自分がやりたいのは別に先進的な研究でも新しい発見でもなんでもなくて、身につけた断片的な知識を多様な場面で実際に活かして世の中にアウトプットしていくこと。
深く追求しようとするあまりそれだけしか見えなくなってしまって、結果何も生み出せないのは本末転倒だ。

というわけで、まずは高校の授業で教わった内容を、暗記を目的とせずざっと概念を理解し直すことにした。YouTubeでわかりやすい解説の動画を見て要点を掴んだ後に、ゆくゆくきちんと参考書を読み直す。(古文漢文はもう飽きたので後回し)。その後専門書を読んで、だんだんと知識の点と点を繋げていく。浅く広く学んでいくのである。

「YouTubeの動画がきちんと専門家によって解説されたものなのか」などツッコめばキリが無いが、学習の最初の一歩としてそこまでハードルを高くしすぎても良くない。僅かな時間を見つけては知識を吸収していく。大学受験ですら皆高校1年から時間をかけてやるので、おそらくそんなにすぐには終わらないだろう。

そして大事なのは、「何もエキスパートを目指さない」である。受験勉強に引っ張られ歴史の年号など枝葉末節を覚えることに躍起になってはいけない。ゴールは「いざ身につけた知識を使う場面が来た時に、アレルギー反応を起こさないレベル」である。

自分が本当に正しい方向に進んでいるかどうかは分からない。おそらくもっと効率的なやり方はあるので、その度思考と試行を繰り返しながら手探りで勉強していく形になるだろう。だが人生経験を積んだ分、高校時代より理解するのはスムーズだ。

「使えもしない知識を身につけただけ」「いつの間にか陰謀論に傾倒する」なんていうオチにならないよう、試行錯誤しながら勉強していきたい。

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