「平気そうに見せている」だけで、「平気」ではないと思うのです
甲状腺乳頭がんを告知された時。私は結構冷静だったと思います。がんが見つかったこと。ステージ1であること。手術が必要で、甲状腺を全摘した方がいいこと。手術をしてしまえば、今まで通りの日常が送れること。全摘後は、一生ホルモン剤を飲む必要があること。全摘手術後に、放射線ヨード治療をした方がいいこと。主治医が話したことはほぼほぼ覚えているし、よくわからないことは質問もしたりして。まあ、事前に甲状腺がんの中でも「乳頭がん」が最も予後がいい、ということを調べて知っていた、ということも大きかったと思うのですが。診察室で泣くことはなかったし、「ショックで頭が真っ白」ということもありませんでした。何なら「ステージ1で良かったです!手術よりも放射線ヨード治療の前の食事制限が大変そうです~」な~んて、ニコニコしてたかも。きっと、傍から見たら「自分のがんのことを落ち着いて受け止めた患者さん」に見えていたのかもしれません。告知の10分後くらいには、速攻で手術日の予約まで済ませましたし(笑)
でも、今から思うと、かなり気を張っていたし、本音は隠してよそゆきの顔で、か~なりカッコつけていたと思うのです。(笑)告知時だけではないですが、診察室の中ではかなり「大人であろう」とする自分がいるな~と思います。弱みを見せたくない、落ちついて見られたい…まあ、病院に限ったことではないと思うのですが。きっと病院の中には同じような患者さんが、たくさんいるんじゃないかな~と思います。
医師のみなさ~ん、看護師のみなさ~ん、医療関係者のみなさ~~ん!!診察室にいる平気そうに見えている患者さんは、「平気」な訳ではなくて「平気そうに見せている」患者さんだと私は思います~。そこのところ、少しわかっていただけると患者としては嬉しいで~す!!!
がんの告知時に泣いてショックを受けている患者さんには、もしかしたら心療内科や精神腫瘍科などを紹介してくれたりするのかもしれませんが、「平気そうな」私には何もありませんでした。医療の世界では、がんは既に治る病気になっているし、がんだからといって特別な配慮はいらないということなのかもしれませんが、患者サイドからすると今でも結構ドスンとくる病名ですよね。それなのに、がんの告知をされても、メンタル的には何のフォローもないんだ!ということが結構衝撃でした。
主治医は忙しいし、メンタルのフォローまではしきれないことは重々承知しています。なので、がん告知時に「マギーズ東京」とか「がん相談支援センター」とか日本対がん協会の「がん相談ホットライン」とか、信頼がおける公的な相談窓口があるよ、という所までは、がん告知とセットでしてもらえると、とてもとても嬉しいな~と思います。告知後、自力で相談窓口を調べてたどり着ける人って、結構少数派なのではないかと思うので、これで救われる人がたくさんいるのではないかと思います。
がんを告知する可能性がある病院のみなさま!!みなさんの仕事を増やしたいわけではないです!!みなさんにフォローして欲しいとは思っていません。ただ、相談窓口の紹介まではお願いできると嬉しいです。ご検討いただけるととっても嬉しいです!!!
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