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The 8th 佐渡 Day2

朝飯も多かった。
イカ焼となす田楽がうまかった。もずくを寒天で固めたのかな?という小鉢が郷土料理のいごねりであることを後から知った。もずくは苦手なのでオタクにあげた。

せっかく北海岸に泊まっているので、かねてから歩いてみたかった集落を歩こうということで傘とカメラを持って少しだけ歩いた。途中で大雨に見舞われて中心部に至る前に退散した。

昼前に雨がやみそうだったのでそれまでは屋内のスポットということで、相川拘置支所を見た。
1972年まで使われていた拘置所で、管理人などはおらず勝手に入口の鍵を開けて入る。手入れはされていないが管理はされているといった体で、床には砂や枯葉が落ちているが解説のボードなどは整備されており、読んでふむふむと言い、独房に入ってなるほどと言った。
以前網走監獄に行ったことがあるが、独房内の雰囲気や風呂場の注意書きなどあまり変わらないんだなあと思った。ずいぶん最近まで使っていたはずだが。
こんな施設でも観光パンフに乗っているので、ほかにも見物客が一組いた。後から初心者マークのカップルも来たが、2台しか入らない駐車場が埋まっているのを見て諦めていた。どちらが「拘置所を見たい」と言い出したのだろう。

その後すぐ近くにある大間港跡に行った。
明治期に作られた佐渡金山からの金銀の積出港の遺構であり、いい感じである。
鉱石の積出のほか昭和期には金山に電力を供給する火力発電所の石炭の積み入れにも利用された。いまはトラス橋にかろうじて2本の線路が残るのみだが、往時の写真を見ると多くの線路が引かれトロッコが行き交う様を見て取ることができる。
初め晴れていて青空の下のトラスを撮れたのも良かったし、その後の曇天の橋脚群もいい感じであった。
すぐ近くにある「山本喜助菓子店・菓子舗きすけ」に行った。でかい和菓子屋かと思ったら、小さな洋菓子店だった。シュークリームを買った。おいしかった。

午後の目的地である酒蔵に向かう途中、佐和田のローソンに寄り、昼飯は近くにあったガレージカフェレンスポルトという店に行った。店内にポルシェが飾ってあった。時間が悪くランチセットは終わっていたが、朝が多かったこともあり各自トーストやケーキと飲み物を頼んでつついた。バタートーストがおいしかった。島内のパン屋の食パンを使っているようなことを書いてあった。書いてなかったかもしれない。

午後は酒カスどもの要望により酒造所を2つ回った。車を置いて徒歩で真野の街を歩けたので良かった。
まずは辺見酒造に行った。住宅街に紛れるようにして酒蔵があり、入っていいのか迷いながら入口と書いてあるガラス戸を開けて靴を脱ぎあがると、奥のほうでブザーが鳴って職員があわあわしていた。
しばし待つとブザーがやみ、人が出てきて明かりをつけてくれた。
薄暗いショーウィンドウ(商品を選ぶ用というよりは自社製品のディスプレイに近い)に並ぶ酒群の中からここでしか買えない銘柄を購入した。背後には試飲用の機械もあったが、いまは供用していないとのことだった。
辺見酒造を後にし、真野新町の商店街を通り尾畑酒造に向かった。
こちらはテーマパークだった。さすが真野鶴擁する巨大資本。オタクが勝手に佐渡の酒だから持て囃しているのかと思ったら、エールフランスのファーストクラスやJR東の四季島で提供されているらしい。
オタクたちは有料の試飲(ぽんしゅ館みたいなやつ)で優勝をし、宿で飲む酒と土産にする酒を見繕い、俺は真野鶴デザインのトートとタオルを買った。デザインは気に入っているが、トートは使いづらかった。

15時過ぎに酒蔵を出て、晩飯までには時間があるので、少し離れるが宿根木の手前にある佐渡国小木民俗博物館に足を延ばした。
江戸時代に西廻り航路で活躍した千石船がまるっと建物の中に展示されていて、船底に入ることができて見ごたえがあった。
雨が上がって夕日が差し始めたので外に出て写真を撮った。ここは半島の西端に近く、夕方に通りかかると棚田と夕日の風景がきれいである。

17時の閉館までじっくり見て、いしはら寿しに向かった。訪佐のたびに食いにいく寿司屋である。ここで別動で佐渡入りしていたオタクと合流した。
いつもの季節の十貫盛とかつおのたたき、鉄火巻きで優勝した。うまかったが、やや感動が薄かったのは前日に魚を食いすぎたためかもしれない。

相川のローソンで物資を補給し、別動オタクとは宿が異なるのでここで解散し、本日の宿であるドンデン高原ロッジに向かった。
ドンデン高原は大佐渡山地の東側にあるドンデン山こと尻立山(さど観光ナビにはタダラ峰が正式名称とある)周辺に広がる高原であり、ドンデンとは「鈍嶺」と書き、峰の丸いさまを表す(らしい)。
一周線で北側を走っていると入川あたりで「ドンデン高原」の青看が出てくるので気になっていた。
両津から距離は至近も至る道のりはかなりの勾配で、ウェットかつ落ち葉が多く、下手な車なら登坂できないのではないか?と思うほど。途中雲が抜け素晴らしい星空を見上げながら走ったが、ロッジに着くころには雲が厚く何も見えなかった。
さすがは1000m級の山々を擁する大佐渡山地、最高峰の金北山からは離れるもののドンデン高原も800mほどはあり、ただでさえ全国的に冷えたこの日の気温は到着時点で3度。明け方には氷点下まで下がったのではなかろうか。
星空の名所らしく期待していたが天気に恵まれず残念だった。両津を見下ろし佐渡の東側の地形を一望できる夜景も見事だったので三脚を担いで繰り出したが、冷たい雨が降ってきてすぐに退散した。せっかく4人全員カメラ持っていたのでちゃんと撮影したかった。
宿は2段ベッドふたつの4人部屋で、合宿みたいで楽しかった。簡単ながらも大浴場(まじで家庭の浴場をデカくしたみたいなの)もあり、冷えた体に染みた。風呂上がりに菓子とジュースで駄弁った。

翌朝は両津まで下りないことには店もないことが分かっていたので、朝食をつけた。和食(というか魚)が続いていたので、洋風の飯が嬉しかった。そもそも朝はパン派だ。グラタンみたいなのがうまかった。

外に出るとよく晴れていて、早くも色づいた山肌が美しかった。昨日は暗くて気づかなかった。両津に向かう途中、少し下りたところにあるアオネバ渓谷に寄った。アオネバは青粘と書く。アオネバ峠付近で見られる青い粘土に由来する。峠を経てドンデン山に至る登山道なので、ノコノコと進んでいくと大変なことになる。少し歩いたところで引き返したが、天気が良く、沢の水が澄んでいて、気持ちよかった。

更に少し下り、梅津発電所に寄り道した。Google Mapsにここで売っている電気餅とやらがうまいと書いてあったが、観光客向けに開放しているような様子はなかった。そもそも電気餅ってなんだ?近くに別の発電所やダムもあるので、そこと間違えた書き込みだったのかもしれない。

その後は両津に戻り、車を置いて徒歩で街を歩いた。アーケードや夷(両津は北の夷(えびす)と南の湊(みなと)の二つの港を合わせて「両津」である)の海沿いをちゃんと歩いたのは初めてだったので良かった。途中の弁当屋兼雑貨屋みたいな店のコロッケがうまかった。うまかったので2つ目も買ってしまった。

することもなくなったので早めにフェリーターミナルに行き、サバの水煮、佐渡牛乳カステラ、沢根団子、笹団子を買った。笹団子は佐渡のものというわけではないが、うまいので新潟に行くたびに買ってしまう。沢根団子は買ったことがなく、食べてみたかった。ともに冷凍品だが解凍後数日持つというので普通に常温で持ちかえった。カステラは上品な甘さでうまかった。サバの水煮はこれを書いていて買ったのを思い出した。今度温かい米と一緒に食う。

帰りはときわ丸だった。モダンな船内で、ジュウタン席の横にある窓際の机といすのスペースがいい。なんとなく行きおけさ、帰りときわが一番しっくりくる気がする。多分おけさのほうが「佐渡に来た」という感じがする(初めて乗ったのがおけさだったから)、とはいえ新しくて快適なときわも乗りたい、という理由からだと思う。
軽食コーナーでサバカツカレー(米が佐渡島の形に盛られている!)を食った。想像以上のクオリティ。
昼飯を食い終わるとみんなでデッキに出てカモメを撮ったりかっぱえびせんをあげようとして鋭いくちばしでけがをしたりした。
船内に戻ってソフトクリームを食べた。
最近はいい加減フェリーにも飽きて慣れて寝ていることが多かったが、初めて乗ったときみたいにはしゃげて楽しかった。宿でちゃんと寝たから元気だったからかもしれない。

名古屋まで新日本海フェリーで敦賀経由で帰るオタクを新日本海FTまで輸送し、別動オタクは新潟にもう1泊するということで、残る3人で関越をひた走って帰った。
と思いきや、せっかくドラぷら(佐渡とセットで往復の高速が乗り放題)だし、ということで三国峠を越えたりした。
晩飯は前橋のフライング・ガーデンで優勝した。
帰りは思ったより遅くなったが、楽しかった。

写真を貼るのが結構面倒なので、いったん文字だけで公開する。


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