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理髪店のエンターテイメント性

24歳で勤め人となるまで理髪店を知らなかった。もちろん理髪店の存在は認識していたけれど、理髪店のエンターテイメント性を初めて実感したのは就職後に横浜に出た後だった。
 
ずっと野球部だったこともあり、子どもの頃は父にバリカンで丸坊主にしてもらっていた。高校生の時は自分でバリカンを握った。大学生の時は理髪店ではなく美容院に通った。周りの友人が理髪店ではなく美容院に行っていたからだ。とりあえず髪の毛が短くなれば満足だった。
 
顔剃りまでやってくれる理髪店に惹かれ、24歳にして初めて理髪店のドアを開けた。小気味よいリズムでカタカタ動くバリカンでの刈り上げ、シャキシャキとハサミと櫛で綺麗に切り揃えるカット、頭全体を丁寧に洗い上げるシャンプー、こしょばいけれど何とも危なげない顔剃り、そして最後に肩をマッサージしてくれる。
 
理髪店のエンターテイメント性を知らなかった人生を少しだけ悔いた。

400字エッセイ書いています。

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