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朝が早い人々

朝が早い人ほどせっかち。

一人として同じ人が決していない十人十色な私たち人間をカテゴライズすることもされることも嫌いだけど、これだけは毎朝頭に浮かんでしまう。

朝が早い人はたいてい早歩き、もしくは走って駅に向かう。電車内で座席に空きがあっても立っている人が多い。駅に着いてすぐに降りられるようにするためだ。電車から降りると走る。階段やエスカレーターを猛ダッシュで駆け上がる。早く通り過ぎようとするためだろう、改札口でICカードの反応が間に合わず、ゲートに行く手を阻まれる人がいる。脇目も降らずどんどん歩く。自動ドアが完全に開くのを待ちきれず、両肩をドアにぶつけながら進む。

朝からこれほどパワーみなぎる人々が少しまぶしい。「みんながんばってるんやなあ」と呑気に眺める自分に少しだけ危機感を覚えつつも、自分のペースでゆっくり進む。彼らが何にも追われていないことを祈った。


400字エッセイ書いています。

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