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Lisk Core v3 で何がどう変わるのさ?

はじめに

現在、Lisk Coreの次期バージョンであるCore v3の開発が進んでいます。
なお、Core v3がメインネットに適用される前段階としてアルファテストが行われていたり、ベータネットで一部機能が公開されたりしています。

来月12月にはベータネットがv5 (SDK v5適用版) に更新され、アルファテストも完了する予定と公式アナウンスがありましたね!
これについてはLisk Japan(非公式コミュニティ) が日本語でまとめているので引用↓

そこで、Core v3になったら「何がどう変わるのか」をまとめてみたよというのが今回の記事です。
内容はあくまで通常の利用者に関わる変更点を書いたつもりです。
(デリゲートの得票数の算出方法やスタンバイデリゲート2名が鋳造に参加可能となることなどなど、変更されるけど割愛しているものもあります。)

ずーっと公式の情報を追っている人は今更感あると思いますが、復習がてら(万博おじが間違っていないかのチェックも含め)ご覧ください(笑)

他の方(kplusq『Lisk SDK v5の成長確認』)も書いているので何番煎じかわかりませんが(笑)

アドレスが変わる

どう変わるの?
アドレスが長くなります(*1)

現在のアドレスの形式
20桁前後の数値 + L
例:16829641182498354924L

新しいアドレスの形式
接頭辞lskを含めた41の文字列
例:lsk24cd35u4jdq8szo3pnsqe5dsxwrnazyqqqg5eu

なんで変えるの?
現在のLiskのアドレスはわかりやすさを重視して短いアドレスとなっていますが、複数のパスフレーズで同じアドレスが生成されるというアドレス衝突の問題があることが理由の1つに挙げられます。
この変更によってアドレス衝突問題が解消される見通しです。

新しいアドレスに変更する方法は?
1度でも保有のアドレスから何かしらの処理(送金や投票、セカンドパスフレーズの登録など)を行っていれば、Core v3になったタイミングで自動的に変更されます。
逆に、1度も保有のアドレスから何かしらの処理を行ったことがないままCore v3になってしまうと、新アドレスへの移行のための特別な処理が必要(*2)になるので、自身に送金するなどしておくことをお勧めします。

参考
1. Lisk Blog『New ID System - New Address System for the Lisk Ecosystem』
2. Lisk Documentation『Lisk Mainnet specifications - LSK Reclaim』

手数料が変わる

どう変わるの?
動的手数料に変わります(*1)

現在の手数料(*2)
送金:0.1LSK
投票:1LSK
セカンドパスフレーズ登録:5LSK
マルチシグネチャ登録:5LSK
デリゲート登録:25LSK

新しい手数料(*3)
送金:トランザクション文字列の長さ × 0.00001LSK
投票:トランザクション文字列の長さ × 0.00001LSK
マルチシグネチャ登録:トランザクション文字列の長さ × 0.00001LSK
デリゲート登録:トランザクション文字列の長さ × 0.00001LSK + 10LSK
※セカンドパスフレーズ登録はマルチシグネチャ登録に統合されます

トランザクション文字列の長さって何?
技術的な話になるのでざっくりとしたイメージで伝えますが、例えば「アドレスAに10LSK送る」といった命令分の長さと思ってください。
この文字列の長さに 0.00001LSKを掛けたのが手数料となります。

手数料が安くなるってこと?
基本的にはYES
なぜ、基本的かというと最低の手数料が上記の手数料というだけで、利用者が自分で手数料を増やすことが可能だからです。

手数料を増やしたらどうなるの?
最低手数料を差し引いた分をそのトランザクションが含まれているブロックを担当したデリゲートが受け取ります。

例えば、最低手数料が0.01LSKで利用者が払った手数料が0.1LSKの場合、0.01LSKはバーン(LSKの発行枚数から完全削除)され、のこりの0.09LSKはこのトランザクションが含まれたブロックを担当したデリゲートが受け取ります。

※これはエコシステムに大きくかかわる点なので、出来る限り少し多めの手数料を払うことをお勧めします。
ただし、(お勧めはしませんが)公式アプリ以外を使用した場合に、あまりにも多い手数料を要求された場合は処理の継続はしないようにしましょう。

参考
1. Lisk Blog『Lisk's Dynamic Fee System』
2. Lisk Documentation『SDK3.0.2 API specification - fees』
3. Lisk Documentation『SDK4.0.0 API specification - fees』

投票が変わる

どう変わるの?
自分の保有LSKをロックする方法に変わります(*1)

現在の投票
1回あたりの投票可能デリゲート数:33人
最大投票可能デリゲート数:101人
デリゲートが受け取る投票数:投票している人の保有LSK数

新しい投票
1回あたりの投票可能デリゲート数:10人
最大投票可能デリゲート数:10人
デリゲートが受け取る投票数:投票者がロックしたLSK数
投票解除可能数:20
ロック期間:投票解除後2000ブロック (約5時間40分) 経過後

デリゲートが受け取る投票数が投票者がロックしたLSK数ってどういうこと?
デリゲートに投票する際、ロックするLSKを入力する必要があります。
ロックなので、投票に使っている限り他には仕様できません。
また、10LSK単位である必要があります。
これは、1票が1LSKとなるという意味であり、票の重みが投票者の保有LSKに影響されなくなるということです。
(もちろん、保有量が多い人ほどロック可能なLSK量は多くなるわけですが...)

投票解除可能数って何?
新しい投票では、保有LSKをロックして行うと書きましたが、投票に使用しているLSKを減らすことも可能です。
例えば、「デリゲートAに対して今まで100LSKロックしていたけど、30LSK減らそう」みたいなことが出来ます。
ただし、この行為自体が20個までと決まっている為、やたらめったら投票数を減らしていると、この上限に引っかかり、それ以上減らすことが出来なくなります。

※デリゲート単位ではなく投票数を減らした回数であることに注意して下さい。
※投票数を減らしたら即座に減らした分のLSKが残高に加算されるわけではないことに注意してください。

ロック期間って何?
投票後~投票解除を行ってから2000ブロック経過までがロック期間となります。
この期間が終わると、アンロック処理を行うことが出来ます。
アンロック処理を行うと投票解除時に減らしたLSKが自身の残高に加算され、投票解除可能数もアンロックした分の余裕ができます。

例えば、投票解除を20回しており、そのうち13個がアンロック可能となった場合、アンロック可能なもの全てに対してアンロック処理を行うと、13回分の投票解除を行うことができるようになります。
※20使用済み → 13個アンロック → 7使用済み(13使用可)

参考
1. Lisk Blog『3 New DPoS LIPs: Changing the Voting System for Lisk』

マルチシグネチャ登録が変わる

セカンドパスフレーズ登録が統合され、シンプルになります(*1)

セカンドパスフレーズ登録が統合されるってどういうこと?
セカンドパスフレーズの登録はマルチシグネチャと重複する機能であり、混乱を招くため統合されます。
結果的にセカンドパスフレーズ登録の廃止ということになります。

セカンドパスフレーズ登録済のアドレスはどうなるの?
Core v3 になったタイミングで、アドレスに紐づくパスフレーズとセカンドパスフレーズが必須キーとなるマルチシグネチャアカウントに変更されます。

どんなことが出来るの?
処理には2つのパスフレーズのうち1つが必要
処理には3つのパスフレーズのうち2つが必要
処理には2つのパスフレーズ全てが必要
などなど、セキュリティを高めたりパートナーとアドレスを共有するような使い方ができます。

参考
1. Lisk Blog『Multisignature Accounts』

最低保有量の制限が追加される

この変更はあまり知られていない気がしますが、何かしらの処理後に保有残高が0.05LSK未満の場合はその処理をエラーとする制限が追加されます(*1)

なんでそんなことするの?
スパム対策です。

全LSKを新しいアドレスに送りたいんだけど...
送信元のアドレスに最低でも0.05LSKは残ってしまいます。

参考
1. Lisk Blog『Lisk's Dynamic Fee System - Minimum Balance』

おわりに

色々変更が多い!!!!まとめんの下手(笑)

このほかにも技術的な部分などなど色々変更が入ります。
これだけの変更が入る為、テストも慎重に行う必要がありますがこれがメインネットに来る日を考えるとわくわくしますね!
Lisk開発陣、ベータネット等に参加して日々貢献しているコミュニティメンバーに感謝を。

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