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教師のオフィスとしての学校・職員室

教師は職員室で仕事をする。たいていは決まったデスクが与えられる。小学校のように教室に先生用デスクが置かれる場合もある。大きな職員室では、教科ごとのレイアウトか、学年ごとのレイアウトが主流となっている。

職員室をオフィスとして考える

郵便局や銀行のように窓口の奥がオフィスで、お客様から丸見えのオフィスがある。一方で、顧客は応接や会議室に通され、基本的にお客様にオフィスを見せない会社もある。応接スペースが間仕切りだけで、オフィス部分が通りすがりに見えてしまうレイアウトもある。たいていは社員専用の更衣室や休憩室、給湯室はお客様に見えないようにする。

学校で教員は休憩できない。

食事を摂っていても、生徒がやって来る。
教員同士の雑談が、生徒にも聞こえてしまう。
生徒は毎日、職員室に出入りでき、何がどこにあるか見て覚えられる。

職員室は何をするところ?
実は多目的な職員室

教員は職員室で事務作業ばかりをしているわけではない。採点や書類作成などもデスクでするが、それだけではない。教材づくりや授業案を考える場所でもある。教材づくりや授業計画は、研究的でクリエイティブな活動だ。単純作業ではない。集中力や発想力が発揮しやすい環境が必要だ。
もちろん、休憩スペースを兼ねている。急いで食事をとるのも職員室、合間に給水して間食をとるのも職員室だ。
職員室に泥棒が入るとニュースになる。職員室は貴重品の保管場所でもある。生徒の個人情報が記載された書類、実施前のテスト問題、業務用のパソコンなど厳重に管理すべき物が職員室にはある。誰でも入室でき、人目にされされ、整頓されない雑然としたスペースであれば、管理は困難だ。

私立学校では、職員室内に別室があったり、教頭用の応接室があったり、休憩室を設けて執務場所と分けたり、生徒の進入動線を定めてレイアウトを工夫している。公立学校も新校舎をつくるときに、多角的な視点で職員室の機能を把握して設計してほしい。

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