”水の音は『私』の音”におけるホシノ・ルリ小考ー体験の内在性とメリトクラシー 〜機動戦艦ナデシコ
1.はじめに 『機動戦艦ナデシコ』(佐藤竜雄,1996−1997)(キングレコード,2006-2007(DVD))の主要な登場人物のひとりであるホシノ・ルリは、現在でも一定の人気を維持するキャラクターである。彼女のキャラクター性の明確化に寄与したホシノ・ルリ三部作(第5話「ルリちゃん『航海日誌』」、第12話「あの『忘れえぬ日々』」、第18話「水の音は『私』の音」)は、首藤剛志氏の脚本によるものであるが、首藤氏自身のコラムによって創作の意図や経緯について明らかにされている。