ファスト&スロー | 第9章 より簡単な質問に答える

ファスト&スローを読んで、1章ずつ、内容を簡単にまとめます。


本章で書かれていること(直感的に質問に答えられるのはなぜか)

システム1の機能「メンタル・ショットガン」と「レベル合わせ」によって、難しい質問に対しても、簡単な質問に自動的に置き換えられるため、直感的に答えがわかる。これをヒューリスティックという。
そこそこ筋の通った答えが出るが、時に重大なエラーに繋がることもある。




質間の置き換え

ふだん、私たちは様々な物事に対して
直感的にぱっぱっと感じたり判断したりする。
すぐに答が出なくて動転することは稀

➡難しい質間に対してすぐに答が出せないとき、
 システム1は、もとの質問を簡単な質問に置き換えて、それに答える。


ほかの”簡単な質問”に置き換えて答えるのは、
システム1のメンタル・ショットガンの結果。
意図的に選ばれたものではない。

もとの質問にフィットした答を見つけるため、
レベル合わせが行われる。

➡メンタルショットガンとレベル合わせの自動処理によって、
 難しい質問でも1つ以上の答が出てくるから、
 その中からもとの質問にうまくあてはまるものを選べばよい


※この時、システム2では、システム1の判断を却下することも出来るが、
 システム2は怠け者なので、最小限の努力ですませられるよう、
 答をしっかり吟味せずOKを出してしまう。



ターゲット質問とヒューリスティック質問

ターゲット質問    ....もともと答えるべき'間
ヒューリスティック質問 …代わりに答える簡単な質問

ヒューリスティックの専門的な定義
困難な質問に対して、適切ではあるが住々にして不完全な答を
見つけるための単純な手続き
なお、ヒューリスティックという言葉は、「見つけた!」を意味する
ギリシャ語のユーレカを語源にもつ

➡ヒューリスティック質問に答えても、そこそこ筋の通った答が出る。
 が、ときに重大なエラーにつながることもある。


3Dヒューリスティック

平面の図であっても、三次元の像としての印象が強いとき、
二次元で見た大きさの判断よりも、三次元での判断が優先される錯覚。

二次元で見れば3つの人影は同じ大きさだが、背景に書かれた三次元を想起させる絵によって、三次元で判断してしまい、奥の人の方が大きく見える。

➡置き換えに基づく判断には、
 予測可能な系統的バイアスがかかることは避けられない。


しあわせに関する気分のヒューリスティック

特定の事柄に対する質問のあとに、全般的な幸福度をたずねられたとき、
全般的な幸福度の判断に、特定の事柄に対する満足度が大きく影響する

➡幸福を判断するには様々なことを考慮しなければならないはずだが、
 本来聞かれている質問(全般的な幸福度)のかわりに、
 答えが用意されている質問(特定の事柄に対する満足度)に答える。

=「見たものが全て」の代表例


感情ヒューリスティック

好き嫌いによって判断が決まってしまうこと(byポール・スロビック)

・好きなもの→メリットを大きく見る  
 嫌いなもの→リスクを大きく見る

・嫌いなものに対して、リスクが思ったより小さいと知ると、
 メリットに関する情報がなくても、メリットも意外に多いと感じる

=システム2は、自己批判の役割を担うが、感情的な要素が絡むと、
 システム2はシステム1を批判せず、擁護する

➡システム2は、既存の結論を検証せず、
 結論と矛盾しない情報を探すようになってしまう


▼flier要約

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