見出し画像

「昔は男だったのか?」聞かれた話

父はホームビデオ魔で、80年代後半から8ミリビデオカメラをかついで私たち三姉妹を撮り続けていました。
テクノロジーの推移と共に8ミリテープをご丁寧にVHSへ。またDVDへ焼き直すマメっぷりのおかげで現在は2人の甥っ子たちが30年以上前の映像を観てはゲラゲラ楽しんでいます。

甥っ子は4歳。
めんこちゃん。北海道出身の私は可愛らしい存在をそう呼びます。

めんこちゃんが高い声で私に尋ねました。
「ねえ、りさちゃんはママが小さいとき、おとこだったのお〜?」

「え。ずっとおんなだよ。なんでそう思ったの?」

6歳から9歳頃までショートヘアでしかも刈り上げていたから、当時のホームビデオを観て思ったらしいのです。
彼の叔母(私)は子どもの頃はおとこで、その後おんなになったのだろう、と。

ふーむ。
2020年の今、性別についての見方は多様性をましジェンダーは流動的と言われているけれども。
そんなアイディアを聞いたこともない4歳の甥っ子はナチュラルにジェンダー流動性の視点でいたのだな。
ま、ロングヘアはおんな、ショートヘアはおとこ。というステレオタイプからの推測だったとはいえ。めんこちゃん。

4月のある午前、アスファルトの上を歩きながらそんなことを考えていました。
ホームビデオ魔だった父のおかげかな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?