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狼のように




新幹線  名古屋ー京都  間にて。
今日のハマスタの、sumika10周年記念ライブに参戦した感想というか、走り書き。(取り急ぎ)



sumikaの3人は、ものすごく深く傷を負ってズタボロになっていた。

目の奥に大きな傷があって、体にもあちこちに傷があった。

でもその3人は、狼のような眼光をしていた。

鋭くなった。というか、険しくなったと思う。目の奥の光が。


楽しい曲は楽しいし、しっとり歌い上げたりぶち上がる展開がたくさんあったり。
Interludeのちょこちょこしたインストもオシャレで綺麗で。MCは面白くて。


でもそういうものとはまた違う、険しさであり鋭さがずっと宿っていた。

地面に這いつくばりながら、同時に空を睨んでいるような目をしていたし、姿をしていた。


そうだこれが人生だ、と言っているようだった(実際バロンがアンコールのMCで言ってた)し、私もそう思った。


でもこれが人生でも、こんなに傷だらけになっても、強く自分を生きてやるんだ、というその意志の強さ。心底、かっこいいと思った。



Starting Overは、そういう曲なのだ。覚悟の曲なのだ。

決してタイアップ続投が決まって、アニメに全寄せして書いた商業的なだけのものではないのだ。


スタートする覚悟。


自分が変わる、自分を変えるということ。
環境を変える、物事を動かす、何かを始める。

一見楽しくてポジティブな印象を持つけれど、何かを始めるということは「別の何かを捨てる、失くす」ということなのだ、とライブ中にふと思った。

何かを捨てる。あるいは、捨てさせられる。


失くす。


後ろ髪を引かれる何かがある、ということ。


これこそが「始める」ということかも。


失う、後退させるのはそれまで高かった物事の優先順位かもしれないし、もっと大きく重たい何かかもしれない。
誰かとの別れがそれにあたるかもしれない。


そんな重しを後ろに引きずりながら、その分進む足に力を込めながら、前を睨みながら必死に歩みを進める。

これが、始めることなのだと思う。



自分の周りの物事は、その大事さの程度にかかわらず、循環している。

一生、何かがとどまり続けるということはほとんど無い。

なにかを無くす。新しい何かが入ってくる。
またそれを失う。新しいものを手にする。


そして失う度に痛みに震えながら、引きずる重りを増やしながら、それでも進んでいく。


そういう人は、傍からみるととても美しい。



そういう美しい人になりたいよりも、大切なものを失いたくない気持ちの方が強いのは当たり前だ。

でも必ずいつか大切なものを失うなら、どうせなら、失ったその時は力強く美しく生きたい。

力強く美しく、獰猛な狼のような3人を見ながら、本当に人生についてたくさん教えてくれる人達だな、と思った。


私は、あの狼のような目が好き。
偽りのない、傷ついた目が、
人生ってこうなんだ、でも俺たちはやるぞ、と前を睨む目が大好きだ。


ハマスタ、最高だったよ。







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