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真・女神転生Ⅳのサントラ聴いてくれよ~!!!!

メガテンの音楽っていいよね。
メタル調の戦闘曲、アーバンなマップBGM。
シリーズ通してのイメージはそんな感じ。

目黒将司がコンポーザーとなったことで、音楽性がちょっと変化した真・女神転生3のサントラも大好きだ。
ペルソナ人気も相まって、このサントラが一番有名かもしれんよね。

でも、海外では、というよりRYM(主に海外の音楽好きが使っているレビューコミュニティサイトでは、3よりも高い評価を得ているサントラがある。
そう、そんなサントラのゲームタイトルこそが、真・女神転生4である。

このサントラ、なんと評価が4.12となっている。

真・女神転生3と比べてみよう。

こちらの評価は、3.93だ。

こっちに関してもかなりの高得点だし、票数もそんな変わらん(メガテン3は401、メガテン4は311)ので、まあこの差に関しては誤差みたいなもんといってしまってもよかろう。
だが、4のサントラが、シリーズで一番有名な3のサントラをしのぐほどに評価されているということは、個人的に衝撃だった。

リサフランクはメガテンファンなので、このサントラも前々から持ってたが、前に聴いたとき(およそ6年前くらい)は、「良いっちゃ良いけどメガテン3には及ばないかな~」って感じだった気がした。

なんでこんな評価されてるんだろ?
改めて聴いてみたらなんかちがうんかな?

そんなことを思いながら去年聴き返したら、予想をはるかに上回るレベルでくっっっそ良かった。
今となってはしゅきしゅきだいしゅきなサントラのひとつである。
今回はこのサントラをみんなに聴いてもらうべく、色々紹介したいとおもうよ!!


アルバムの音楽性

このアルバムはゲームのサントラであるということで、色々なテイストの楽曲が収められている。
ゆえに、一言で音楽性を表すことはできない。
しかし、フルで聴いていて最も印象深いのは、Vaporwave的な楽曲の数々であろう。

まず、これについて話す前に、ゲーム本編のあらすじについてザックリ説明したい。

主人公は東のミカド国という、中世のヨーロッパっぽい国の民である。
そして、「サムライ衆」という国防組織の一員でもある。
で、仕事の中で敵を追っているうちに、国の洞窟の最下層まで来てしまった。
すると、なんとそこにはケガレビトたちが住む「東京」という里があった!!

こんな感じだ。
ちなみにこの「東京」とは、我々の知るあの東京そのものである。

要するに何を説明したかったかというと、このゲームでは、「東京」を外国人的な視点から見ることになるのだ。
この街、悪魔や暴徒がウジャウジャいて、すっかり荒廃している。
しかしながら、東京タワーや渋谷109などの象徴的な建物はまだ残っていて、かつてここに栄えた文明が存在していたことは読み取れるようになっている。

そんな「東京」を表現しているのが、Vaporwaveを想起させるようなサウンドのマップBGMたちである。
象徴的な楽曲を何曲か載せておきたい。

コレがビックリするくらいハマっている。
というか、Vaporwaveの成り立ちや、「大量消費社会を懐かしむ」というジャンルとしてのコンセプトを考えると、ハマらないわけがない。
このゲームが2013年に発売されたものだということを含めても、実際に小塚良太氏はそうしたことを意識しながら作ったのかもしれない。

と、思っていたのだが、どうやら見当違いだったらしい。
というのも、サントラの付属であるブックレット内の解説では、Vaporwaveというワードは一切出てきていない。
それどころか、例として挙げた曲のひとつである「新宿地下街」の説明として、こんなことが書いてある。

真ⅣのBGMは、あまり特定の音楽ジャンルでは括れない所を狙って作った曲が多いのですが、構成要素としては80年代っぽいサウンドを結構積極的に取り入れています。
といっても昔を懐かしむ的な意図では無くて、80年代の音楽の一部にはイマ聴くと何を考えているのか読み取れない様なある種の不気味さ(もちろん良い意味で!)を個人的には感じるんですが、そういったテイストを抽出して取り込むことが出来れば真Ⅳの世界観にマッチするのでは?と思って、よく参考にしていました。
サントラ付属ブックレットの解説より

この話が本当であれば、これらの楽曲はVaporwaveに影響されたものではなく、Vaporwaveの影響元と同じものに、ほぼ同じタイミングで影響を受けたことによって生み出されたものだということになる。
まあ二次的な影響はあったのかもしれないけど、それにしてもスゴいね!

そして、Vaporwaveっぽいの以外の収録曲に関しては、やっぱり目立ってるのは戦闘曲たちかな。
シリーズお馴染みのメタル調で激しく、ド派手に盛り上げてくる。
個人的に好きなのはこの曲!

打ち込みっぽいチープなサウンドがデジタルっぽくて逆に良い。


アルバムとしての構成

ここまで個々の楽曲の音楽性について話してきたが、じゃあアルバムとしてはどんな感じになっとるのか。

まず、曲の並び順は良い。
基本的にゲーム本編の進行と同列に並んでいる感じだけど、1枚目は東のミカド国の正当なRPGゲームっぽい雰囲気を孕む音楽、2枚目は東京入り後の退廃的な音楽、3枚目は東京マップ内各所のイベント的な音楽、4枚目は戦闘曲中心に構成した荘厳なオーラを纏う音楽、といったような感じで、それぞれ同一のテーマ性を持った中でも毛色がちょっと違って面白い。
あと、マップ・イベントBGMが多い中、定期的に戦闘曲が入ってきてくれるおかげで、退屈せずに楽しく聴くことができる。

そしてシリーズファンとして嬉しいのが、過去作の楽曲のカバーがちょいちょい収録されてることだ。
例えば、邪教の館のBGMらは、それぞれ過去作BGMを意図的にチープにしたカバーとなっている。
また、「ショップ」「死ン宿」といった収録曲も、それぞれカバー楽曲である。オタクはこういうのに弱い!


しかし、個人的にもったいないな~と思う点もある。
というのもこのアルバム、4枚組である。そして、トータル4時間38分

なげぇ~~!!!!!!!!!!
さすがにながいよ、これは!!!!!!!!

まあ、ゲームのサントラだし、曲数が多くなっちゃうのはしょうがない。
しかしながら、聴いてて思うのは、1曲1曲の尺が長いかな~ということ。

ゲームの音楽っていうのはループできるように作られてるから、これをサントラに収めるときにどうするかっていうのはひとつの課題となる。
どういう方法があるかっていうと、例えば『消滅都市』のサントラ。

このサントラでは、各楽曲にアルバム収録用のオチを付け足すことによって、アルバムとして聴きやすくしている。
音楽に焦点を当てているゲーム作品ならではの手法といえるが、サントラとしてはこれが理想だと思う。

あるいは、『UNDERTALE』のサントラ。

これについては、ほぼ全ての楽曲を1ループのみ収録することによって、目まぐるしいながらも飽きずに聴き続けられる構成となっている。
あと、サブスクのことを考えると、時代に即した手法ともいえる。
1曲1曲が短ければその分再生もされやすいからね。

さあ、ではメガテン4はどうなのかというと、大体の楽曲を2ループあたりでフェードアウトさせている。この手法はゲーム音楽界ではベーシックなものといえる。
これについては、ひとつひとつの楽曲をちゃんと聴けるというのは魅力的だけど、如何せんアルバム単位で聴いたときに中弛みしやすいよね。特にメガテン4のサントラは曲数も多いし。

多分、このサントラはそもそもそんなアルバム単位で聴く人向けに作ってないんだな。サブスクにもきてないし…
でも、もう少し手間をかけるなり1ループで切るなりしたら確実にもっと全体を聴きやすくなったと思うので、そこは少しもったいないと感じちゃうかも。

でも、そんな欠点も愛しい要素のひとつだってことは、クラスのみんなには内緒だよ!


終わりの言葉

いかがでしたか?
(↑リサフランクがキライなタイプの締めの言葉の切り出し方)

なんかもったいないと思う要素を具体的に解説した結果、良い点より悪い点の方が目立つ文章になっちゃったのではないかと不安…!でも愛は本物です!!

それでは、お付き合いいただきありがとうございました~!!

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