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2020年11月の記事一覧
「(だが、)私のひたすら念ずるのは、世界を愛しうること、世界をけいべつしないこと、世界と自分を憎まぬこと、世界と自分と万物を愛と讃嘆と畏敬をもってながめうることである」
(ヘッセ(1971)『シッダールタ』(高橋健二訳)(新潮文庫)新潮社より)
ある人曰く、自己受容とは。
絶望を退けることのできない自分に絶望する自分に、絶望しないこと。
あるいは、自意識を手放し、外界の様々な事象をつぶさに観察し、それらの有り様を写実できること。
自分の中にみなぎる力を実感した矢先、ごく簡単に生きる希望すら見失う。絶望が身も心も食い尽くしたところで、己の不甲斐なさへの怒りが湧き上がり、ようやく殻を蹴破って、全速力で外へと走り出してゆく。
この瞬間の力が、私を生きながらえさせている。
私は、悲嘆と絶望に生かされている。