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認定NPO法人Living in Peaceマガジン

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認定NPO法人Living in Peaceの、全noteを詰め込んだマガジンです!
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2021年1月の記事一覧

日本に住む難民は、就職活動でも語学が障壁に

本記事では難民が直面する日本での就職における壁のうち、「日本語」について説明します。  厚生労働省によると、2018年10月末時点の外国人労働者数は、1,460,463人で、2007年に届けが義務化されてから過去最高を記録しています。読者の皆様の周りでも、外国人を見かける機会はここ数年で一気に増えたのではないでしょうか?日本人の生産年齢人口の減少に歯止めがかかっていないことを踏まえると、外国人労働者は日本経済を維持・成長させていくうえで欠かせない存在です。 一方で、外

日本に住む難民がぶつかる日本語という壁

「世界と日本の難民認定の現状」の記事では、日本の難民認定数・認定率が諸外国に比べて著しく低いこと、その背景には日本の難民認定制度が抱える様々な問題があることについて紹介しました。本記事では、来日した難民が特に直面する問題として「言語(日本語)の壁」について説明します。 日本で難民申請をし、難民であると認定された人々は、文化庁が行う難民に対する定住支援事業のひとつ、「条約難民及び第三国定住難民に対する日本語教育事業」の対象となり、日本への定住に必要とされている最低限の基礎

世界難民の日~イベントレポート~(2020年6月20日)

Living in Peace 難民プロジェクトは、2020年6月20日の「世界難民の日」に合わせて、「世界難民の日に、日本に逃れてきた家族の困難を考える」と題したイベントを開催いたしました。 今回の記事では、イベント当日にお話した内容を改めて掲載しております。難民の方々を取り巻く環境について知っていただき、彼らのことを考えるきっかけになれば幸いです。 =====================================  本イベントは、難民の方々の抱える問題、そ

世界と日本の難民認定の現状

「難民認定の仕組み」では、難民の定義や難民認定に係る手続きについて説明しました。本記事では、世界と日本の難民認定の現状について説明します。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees)の報告によると、2018年時点で、紛争や迫害により故郷を追われた難民の数は7000万人を超えており(国内避難民:4130万人、国外に逃れた難民:2590万人、庇護申請者

vol.10「グループディスカッション」外国ルーツの学生向け。日本での就職活動ガイド

こんにちは、Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。これまで、履歴書・エントリーシート・面接のポイントをお伝えしてきましたが、この記事では、合わせて知っておきたい就職活動(以下、就活)の「グループディスカッション」についてお話しします。 日本の【新卒採用】では、説明会→書類選考→面接という流れで進める会社が多いですが、選考の途中で「グループディスカッション」や「グループワーク」を行うことがあります。この2つの言葉は、使い分けられることもありますが

vol.9「インターンシップ 」外国ルーツの学生向け。日本での就職活動ガイド

こんにちは、Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。 就職活動(以下、「就活」)の準備として、インターンシップを通じて第一線で活躍している社会人と接し、企業文化と仕事内容を体験することはとても重要なことです。 今回はインターンシップの基本、そして日本と海外のインターンシップの違いなどについてまとめてみました。ぜひご覧ください。 ◆インターンシップとはインターンシップとは、企業が学生に実際に就業を体験する機会を提供する制度のことで、学生(主に大

閉じたくなる目を見開き、塞ぎたくなる耳をすまし

元旦から数日遅れてのんびりと見た今年の初夢。私は、最高潮の熱気に包まれた東京2020オリンピックの開会式を自宅のテレビにかじりついて観ていました。目が覚めて呆然としたのは、言うまでもありません。 思い返せば、昨年の年始挨拶で私は「昨年は30年ぶりに元号が改まり、今年は56年ぶりにオリンピックが開催されるというタイミングで、私たちは時代の画期にいるかのようです。」とも書いていました。 「時代の画期」という言葉がいっそう当てはまる状況になりながら、その内実がまったく隔絶してい

【第2回】多様な社会と”私たち”の課題

こんにちは、認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。 前回の『難民2世について考える』では、外国ルーツのこどもたちの置かれた環境や親との間の葛藤、アイデンティティの獲得などについて、多文化共生や、外国ルーツのこどもたちの教育について研究されている、東京大学の髙橋史子先生にお話を伺いました。 今回も引き続き髙橋先生のインタビューより、日本で育った難民の2世以降が抱えうる課題や、それに対して私たちはどのようなことができるか、どのような

『漫画:バクちゃん(増村十七 著)』★LIPカルチャー部

認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。気づけばあっという間に2月ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。  本日、ご紹介するのは『バクちゃん(増村十七 著)』です。  移民としてバクの星からきた主人公バクちゃんの、地球(東京)での暮らしを描く漫画。カルチャー誌・フリースタイルのマンガランキング特集「THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!」でも紹介された今ひそかに話題となっている作品です。  作者の増村十七先

vol.8「就活の面接の質問➕逆質問 」外国ルーツの学生向け。日本での就職活動ガイド

こんにちは。Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。 就職活動(以下、就活)の準備が整ったらいよいよ面接が始まります。 今回は、日本における就活の面接とはどのようなものなのかご紹介していきたいと思います。 面接の質問対策だけでなく、多くの面接で聞かれる「何か質問はありますか?」も対応できるように、ぜひ準備をしておきましょう。 ◆身だしなみ編日本の就活では上下暗めのスーツに身を包み、髪をセットし、面接に臨むということが就活時の暗黙のルールになっ

【第1回】難民2世のこどもたちの実情

こんにちは、Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。 「日本にいる難民の支援をしている」と友人に話すと、「日本に難民っているの?」という疑問と同じくらい聞かれることが、「日本で育った人も難民なの?」「その人たちにも支援って必要なの?」という質問です。 実は、難民をはじめ外国ルーツのこどもたち(成人した場合も含む)は、進学・就職など様々な場面で、生きづらさを抱えているケースがあるのです。また、母国(親の出身国、ルーツとなる国)と日本の文化の間で揺

『眠りに生きる子どもたち』★LIPカルチャー部

明けましておめでとうございます! 認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。 寒い毎日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 2021年もLIPカルチャー部では、難民問題が学べるエンタメ作品や書籍をご紹介させていただきます。ご自宅でのんびりとする時間も増えたかと思いますので是非、興味のあるものからお手にとっていただければ幸いです(^^) -------------------------------------------