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【西武ライオンズ 今日の見どころ オフシーズン編】ドラフト1位 蛭間が最後の早慶戦に

●早大・蛭間 きょうから大学生活最後の試合

【5日◇慶應‐早稲田 1回戦(神宮)13:00】
東京六大学野球秋のリーグ戦、最終第9週、早稲田と慶應義塾の戦いがきょうスタートする。このリーグ戦に優勝すると、今月18日に開幕する「明治神宮大会」に出場できるため、引退を控えた4年生にとっては、あと3週間ほど大学野球生活を延ばすことができる。

ただ、すでに優勝の可能性は、慶應義塾と明治の2校に絞られており、ライオンズがドラフト1位で指名した早稲田の蛭間拓哉にとっては、今週の早慶戦が大学最後の公式戦となる。

2019年、浦和学院高から早稲田に入学した蛭間は、1年春のリーグ戦からいきなり出場機会を掴むと、秋季リーグの開幕となる法政戦ではスタメン出場。リーグ戦初安打を放ってみせた。

2年の春からは外野のレギュラーを獲得。新型コロナウィルスの影響で公式戦が激減、大学日本代表の活動も事実上停止されたなか、それでも大学球界を代表するスラッガーへと成長していった。

早稲田大学 蛭間拓哉 東京六大学リーグ戦 全成績(22年11月4日まで)

●2年秋の早慶戦 9回2死から逆転優勝決める劇的2ラン

現在、東京六大学リーグ戦通算12本塁打。そのうち4本を慶應相手に打っている“早慶戦男”でもある。なかでも蛭間が2年生だった20年秋は、早慶戦史上に残る劇的な展開となった。

このシーズンは、各大学と2試合ずつ対戦する10試合の勝ち点制(勝利=1ポイント、引き分け=0.5ポイント)で行われたなか、最終週の早慶戦を前に、慶應は残る早稲田戦2試合のうち、ひとつ勝てば優勝。対する早稲田は、慶応相手に1勝1分以上で優勝と、両校に優勝の可能性があるなか迎えた伝統の一戦だった。

早稲田が早川隆久(現イーグルス)、慶應が木澤尚文(現スワローズ)の先発で始まった1回戦は、6回裏に早稲田が先制したものの、7回表にすぐさま慶應が追いつき1対1の同点に。その裏、蛭間がレフトスタンドに勝ち越しの2ラン。この一打が決勝点となり、先勝した早稲田が逆王手を掛ける。

この試合に勝ったほうが優勝となった2回戦は、2対1と慶應のリードで、9回表の早稲田の攻撃に。だが、2者が討ち取られ、2死ランナーなし。慶應が優勝まであと1死としたなか、早稲田の1年生・熊田任洋がレフト前ヒットで粘りをみせる。ここで打席には蛭間。

左打者の蛭間に対して、慶應ベンチは前日に一発を浴びている木澤から、サウスポーの生井惇己にピッチャー交代。その生井の初球のスライダーを、蛭間がフルスイングで捉えた打球はバックスクリーンへ。

プロのキャリアも豊富な早稲田の小宮山悟監督が「奇跡が起きた。人生で一番、感動する試合だった」と震えるほどの起死回生。9回2死から飛び出した逆転2ランで、3対2と勝利した早稲田が、10シーズンぶり46度目の優勝を成し遂げたのだった。

●不振に苦しむ4年秋 有終の美を飾れるか

今シーズン、蛭間は28打数4安打、打率.143と不本意な成績に苦しんでいる。今年春の慶應2回戦を最後に、ホームランからも遠ざかっている。はたして大学生活の最後の試合を、どんな形で締め括るのか。

慶應にはジャイアンツから2位指名され、三冠王が懸かっている4番打者の萩尾匡也がいる。同じ外野手とあって、比較されることは避けられないだろう。またベイスターズから5位指名された橋本達弥の登板があれば、交流戦の前哨戦とも言える対決が実現するかもしれない。

與座海人、源田壮亮、森友哉が選出されている侍ジャパンの強化試合(13時30分開始、東京ドーム)と、ちょうど時間帯が被ってしまうが、ライオンズファンには、蛭間最後の早慶戦にも注目してもらいたい。

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