【西武ライオンズ 今日の見どころ プレシーズン編】ドラ1 蛭間に期待すべき本当の成績とは?
●大卒外野手の1位指名はライオンズ史上初
4年ぶりのリーグ優勝に向けて、新戦力の台頭が待たれるライオンズ。とりわけルーキーの蛭間拓哉は、大学出身・ドラフト1位とあって、即戦力の期待が懸かっている。
野手の1位指名は、ライオンズでは2020年の渡部健人(桐蔭横浜大)以来2年ぶりだったが、やはりドラフト1位は投手が中心。とりわけ外野手を1位で指名することはひじょうに珍しい。現役時代は外野手の印象が強い立花義家(1976年1位)、高山久(99年1位)も、じつは内野手として指名されていた。
ライオンズが外野手を1位で指名するのは、西鉄時代の1970年の高橋二三男(新日鐵広畑)以来52年ぶりで、大卒外野手となると、球団史上初めてだ。
●プロ1年目では 秋山翔吾の66安打が最多
そんな蛭間が今シーズン、どのくらいの成績を残す可能性があるのか。これまでに大学からライオンズ入りした外野手たちの、プロ1年目の数字を見直してみた。
最も良い成績を収めたのが、2011年の秋山翔吾だが、それでも出場110試合で66安打。シーズン規定打席に到達した選手はいない。
そもそも70年を超えるライオンズの歴史のなかで、規定打席に到達した新人選手は9人しかおらず、そのうち4人は球団が創設された1950年、つまり選手の大半が新人だったシーズンに記録されたもの。シーズン100安打を超えた選手も8人だけ。そのどちらも、これまでに達成した大卒ルーキーはいない。
●青木、鳥谷… 早大の先輩たちもプロ1年目は苦戦
続いて、最近20年間に、早稲田大学硬式野球部から直接プロ入りした野手たちの、1年目の成績も挙げてみる。
シーズン規定打席に達して、なおかつ100安打したのは、2016年の茂木栄五郎ひとりだけ。蛭間同様、ドラフト1位、もしくはそれに相当する形で指名された先輩たちも、チームの主力とはなり得なかった。
のちに通算2000安打の大偉業を達成することになる鳥谷敬、青木宣親にしても、ルーキーイヤーは1軍で特筆するような数字を残していない。それほどまでに「プロの壁」は厚く、ドラ1だから、名門大学出身だからといって、皮算用はできない。
もちろん蛭間が、ライオンズの大卒新人記録を軒並み更新するような活躍をしてくれれば喜ばしいが、まず現実的なターゲットになるのは2011年の秋山翔吾だ。その上で、もし2016年の茂木に近い、あるいは超えるような成績を収めたなら、周囲からの期待に「満額回答」したと言えるだろう。
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