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【西武ライオンズ 今日の見どころ】引退試合の岡田雅利が持つ プロ野球歴代2位の記録とは…

●代走でプロ初出場 初スタメンマスクは初回3球で3連打される 

【14日◇ライオンズ-マリーンズ19回戦(ベルーナ)18:00】
今シーズン限りでユニフォームを脱ぐ、岡田雅利の引退試合。きのう(13日)の試合後、渡辺久信GM兼監督代行は、先発での起用を明言した。

引退の引き金となった左ヒザの状態があるので、マスクをかぶるのか、DHなのか。イニング限定なのか、本人の意思に任せて、行けることまで行くのか。いまの段階では不明だが、いずれにせよ、スタメン出場は2021年10月16日東北楽天ゴールデンイーグルス戦以来、3年ぶりになる。

大阪ガスから、2013年ドラフト6位でライオンズに入団。プロ初出場は1年目の14年5月17日、秋田開催の東北楽天ゴールデンイーグルス戦の9回表、意外にも1塁走者メヒアの代走での1軍デビューだった。

プロ初スタメンは、それから9日後の5月26日。三次での交流戦の広島東洋カープ戦。やはりこの試合がプロ初先発だった藤原良平とバッテリーを組んだが、1回裏の先頭打者から打者3人にすべて初球を打たれ、3球で3連打されるなど、いきなり2失点。

打つほうでは、3打席目にプロ初安打したものの、2対6で敗れ、試合後には「大事なところで凡退したし、守備でもミスがあった。勉強になりました」とのコメントを残している。

ただ、それから約2週間後の6月13日、同じ藤原と組んで、お互いプロ2試合目の先発出場。相手も同じカープだったが、今度は6回途中まで無失点と好リード。藤原はプロ7年目での初勝利、岡田自身にとってもプロ2試合目のスタメン出場で初めての勝利を手にしたのだ。

●最もバッテリーを組んだのは十亀 今井、與座の初勝利をリード

11年間の現役生活のなかで、岡田が先発で最も多くバッテリーを組んだ投手が、十亀剣で38試合。その次が野上亮磨の21試合になる。

特に17年は、森友哉が左ヒジの骨折で出遅れたこともあり、この年十亀が先発した20試合のうち17試合で岡田がスタメン。翌18年も先発20試合のうち12試合でスタメンマスクをかぶり「十亀のときは岡田」の組み合わせが定番になっていた。

先日、引退を発表したとき、想い出に残る試合として、髙橋光成とのバッテリーでオリックスバファローズを相手に、ノーヒットノーランまで残りアウト3つと迫った20年9月8日の完封勝利をあげていた。

岡田がこれまでにスタメン出場した157試合のうち、先発投手と試合終了まで組んで、相手打線をシャットアウトしたのが、このバファローズ戦と、17年9月23日に野上亮磨が先発したバファローズ戦。この2試合になる。

この17年の試合のほうは、野上にとってプロ9年目にして初めての完封勝利だった。それまでに3度、8回まで無失点に抑えながら9回に失点して、完封を逃していた野上には、印象深い1勝のはず。その勝利を陰で支えていたのが、岡田だった。

現在の主力投手のなかでは、今井達也のプロ初登板初勝利(18年6月13日)、與座海人がトミー・ジョン手術を乗り越え、3年目で初勝利をあげた試合(20年7月23日)で、リードしていたのが岡田だった。ふたりにとっては、一生忘れられないキャッチャーだろう。 

岡田雅利 年度別守備記録

炭谷銀仁朗、森友哉がいたことで、2番手捕手、第3の捕手の立場が長かったが、11年間で守備に就いた278試合で、犯した捕逸は3回だけ。失策も3つしかなく、通算の守備率は.998だ。このあたりは、もっと評価をされて然るべき数字かもしれない。

●代打での通算18犠打は プロ野球歴代3位 

打席での岡田雅利と言えば、やはり「ピンチバンター」としての活躍が印象深い。今回あらためて、その成績を見なおしたところ、通算45犠打のうち、じつに1/3以上の18犠打を、代打で成功させていた。

この代打による18犠打は、ライオンズ史上最多。球界全体でも“世界記録保持者”の川相昌弘(50犠打)、三輪正義(23犠打)に次いで、プロ野球歴代3位になる。

また21年シーズンには、岡田は代打だけで7つの犠打を決めているのだが、この代打でのシーズン7犠打は、01年の川相の9犠打の次に多い、プロ野球史上2位の記録だった。

じつは、きょうの引退試合でも「ピンチバンター」で登場するのが、最もベルーナドームが盛り上がるのではないかと、期待していたのだが…。それはさておき、このところライオンズの選手の送りバントの失敗が目立っているだけに、後輩選手たちには、この機会に岡田の技術を、その眼に焼き付けておいてもらいたい。

打席に入るときの登場曲のように、負けないこと、逃げ出さないことを大事にして、巡ってきた野球人生の集大成。ライオンズファンには、ぜひベルーナドームを超満員に埋め尽くして、岡田雅利を送り出して欲しい。

岡田雅利
捕手 右投げ・右打ち 1989年6月30日生まれ
ライオンズ在籍:2014~24年
通算成績:325試合 543打数 118安打 打率.217  6本塁打 40打点 45犠打 
背番号:37(14~19年)、2(20~24年)

                        本文中含め、記録はすべて24年9月13日現在


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