見出し画像

カウントダウン「LEGEND GAME 2024」#40 土肥義弘編

土肥 義弘(どい・よしひろ)

投手 左投げ・左打ち 1976年9月1日生まれ
ライオンズ在籍:1998~2004途中、09~10年(選手)
        15~18年(コーチ)
通算成績:335試合 31勝45敗 1セーブ 防御率4.30
背番号:35(98~04年途中)、38(09~10年)、72(15~18年)

当日所属:TEAM LIONS

春日部共栄高の2年生エースとして、93年夏の甲子園に出場。決勝戦では、のちに近鉄バファローズ入りをする大村直之擁する育英高に惜敗したものの、1回戦から全5試合に先発完投、準優勝に輝いている。このとき同級生には、オリックスブルーウェーブ/バファローズで通算19勝をする本柳和也がいた。

卒業後はプリンスホテルで3年間プレー。入社2年目には1イニングだけだが、都市対抗野球で登板。全日本候補合宿に参加した。97年ドラフト4位で、ライオンズ入りをする。

ただ、デビュー戦となった98年5月19日日本ハムファイターズ戦では、3回途中からマウンドにあがり、田中幸雄に2ランを浴びるなどして4失点。東尾修監督からは「こんな投手使えるか!」と吐き捨てられたそうだ。結局プロ1年目の登板は、この1試合だけ。プロの壁にぶつかることになる。

何か変えないといけないと、オフには肉体改造に着手する。本人がターニングポイントだと語るのが、プロ2年目の1軍最初の登板となった6月5日千葉ロッテマリーンズ戦。みずから招いた1死満塁のピンチで、平井光親を3球三振、清水将海を二ゴロ。大敗のなか、1軍定着の足掛かりをつかむ一戦となった。

当時の救援陣には、橋本武広、竹下潤といった左投手がいたなかで、この年29試合に登板。徐々に勝ちパターンの一員に加わると、シーズン最終135試合目のマリーンズ戦では、2番手で3イニングをノーヒットリリーフ。プロ初勝利をあげている。

翌00年はシーズン55試合に登板。01年こそ腰痛の影響で登板数を減らしたが、02年には左打者限定ではなく、森慎二、豊田清の前の1イニングを投げるセットアッパーのような役割を任される。

ポジションを確立する上で大きかったのは、タフィ・ローズ(バファローズ)を封じたことだ。シーズン55本塁打したこともある強打者に対して、土肥は無類の強さを誇り、いつしか「ローズ・キラー」と呼ばれるようになっていた。両者はのちにセ・リーグでも顔を会わせ、通算の対戦成績は66打数10安打 3本塁打となっている。

03年オフ、土肥は大きな岐路に立つ。入団以来6年間、214試合すべてリリーフ登板だったが「腰、ヒザの故障が治り、長いイニングを投げられる目途が立った。年齢も30代目前、自分の野球人生を考えたとき、このまま終わっていいのか」と、球団に先発転向を申し入れる。だが、その志願は受け入れられず。04年は開幕から1度も1軍登板のないまま、6月下旬に横浜ベイスターズへのトレードが決定する。

7月21日の阪神タイガース戦で、念願のプロ初先発。そのまま先発ローテーション入りすると、移籍2年目となった05年には、自身初の二桁勝利となる10勝をマーク。そのうち7勝を読売ジャイアンツ戦であげる「巨人キラー」ぶりを発揮した。

この年からスタートした交流戦では、ライオンズ相手に2度先発。6月4日インボイス西武ドームの登板では、8回まで2安打に抑える圧巻の投球。完封目前の9回1死から、カブレラに2ランを許して降板したが、横浜スタジアムでの対戦に続いて2連勝となった。

先発志願から、この日に至るまで、さまざまな感情があったのだろう。このライオンズ相手の登板について「一生のうちでも負けられない覚悟でのぞんだ」と、振り返っている。

ベイスターズには08年まで在籍。最後のシーズンは左ヒジを痛めて0勝に終わり、戦力外を告げられていたところを、ライオンズが獲得。6年ぶりの復帰が決まった。

ヒジ痛の再発もあったなか、復帰後の2年間で37試合に登板。11年には海外FA権を行使して、34歳でのMLB挑戦をスタートする。

渡米1年目、米北東部の独立リーグ「ランカスター」との契約にたどりつくが、エージェントの手続きミスで就労ビザが下りず、公式戦では登板ができなかった。翌年1月にはオリオールズとマイナー契約を結ぶのだが、年齢を理由に3月末で解雇されてしまう。その後もアメリカに残り、5月中旬からハワイの独立リーグ「マウイ・イカイカ」で投手兼任コーチとしてプレー。10月に引退を決断する。

帰国後は、解説業や母校の春日部共栄高の指導にあたり、15年ライオンズの1軍投手コーチに就任する。いまひとつ殻を破り切れていなかった菊池雄星と、二人三脚で投球フォームを改良、覚醒に導いた。現在は球団フロントで、ヘッド国際スカウトを担当している。

土肥義弘 年度別成績(NPBのみ)

「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」
3月16日(土)12:00開場/14:00試合開始
会場:ベルーナドーム
配信:パーソル パ・リーグTV
放送:BS朝日(翌日録画放送)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?