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【Oral care-5】アルツハイマー予防には歯周病になる前の段階で歯肉上のプラークを除去することから始めるべき

オーラルケアシリーズの第5回目です。
今回は歯周病とアルツハイマー病との関連に関する最新の論文をご紹介します。

▶論文タイトル
「Can Porphyromonas gingivalis Contribute to Alzheimer's Disease Already at the Stage of Gingivitis?」
▶論文情報
J Alzheimers Dis Rep. 2021 Apr 6;5(1):237-241.
発行日:2021年4月6日
▶概要
歯周炎と同様に、歯肉炎菌、菌体生成物、炎症性メディエーターは、血流を介して脳に移動し、脳の炎症を促進する。
歯周病菌であるPorphyromonas gingivalisやAggregatibacter actinomycetemcomitansは、いずれもアルツハイマー病に関連しており、すでに3歳の子どもの歯垢から検出されている
これらの細菌に長期的にさらされると、ミクログリア(脳内に存在するマクロファージ細胞)が炎症を起こすM1期に移行し、アルツハイマー病の原因となる可能性が示唆されている。

というノルウェーからの報告です。

なんと3歳の子どもからすでに歯周病菌が検出されてており、また早期にプラークを除去しなければ長期的にアルツハイマー病のリスクにさらされ続け、将来のアルツハイマー病のリスクが高くなるというのです。

また、別のコホート研究では、認知症とアルツハイマー病が年齢に依存せず全身の交絡因子とは無関係に歯周病のリスクが高いことと関連している、という結果も報告されており、アルツハイマー病の人はそうでない人よりも歯周病になりやすく、更に年齢に依存しない、という結果となっています。
J Dent Res. 2021 Oct 13;220345211037220.

歯周病⇒アルツハイマー病⇒歯周病⇒、といった悪循環が生じており、それを防ぐためには、できるだけ早いプラーク除去が予防の手段の一つと言えそうです。

子どものころから歯医者さんに行って、定期的なクリーニングをしていただくこと、また日ごろから自分に合った歯ブラシでしっかりブラッシングしていくことが、自分の身体を守る第一防御手段ですね。

自分に合った歯ブラシというのもなかなかよくわからないし、そういう歯ブラシがあるのか、どうやって選ぶのか、というお話もいつか取り上げたいと思っています。

今日の上賀茂神社のもみじです。




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