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銀行員として学ぶべき事①

私が銀行を退職してから10年以上が経過しましたが、銀行員としてまじめに仕事をして、良かったと思う事がいくつかあります。

今日はそれをご紹介します。

①財務分析

銀行を辞めてから感じた事ですが、
「決算書を理解していない」
「決算書に何が書いてあるか分からない」
「経営数字が苦手」
こうした人は本当に多いです。

中小企業の経営者の大半は税理士任せで、決算書の理解が浅い方が多く、何が書かれているか正確に把握できている方は一握りだと思います。

経営者になって思う事ですが、決算書を理解して経営しているか否かでは、経営の感覚やスピード感が全く違います。
経営者としての意思決定(定性情報)→決算書(定量)は繋がっています。
数字は嘘をつきません。
数字を正確に把握しているからこそ、経営計画をスピーディーに修正する事が可能となり、良い時は大胆に攻め、悪い時は被害を最小限に留める経営が可能となります。
だからこそ、決算書を正しく理解できる事は大きなアドバンテージとなります。

また、同じ金融業界でも保険業界(特に損保)に関しては、法人の決算書を正確に把握している募集人(保険会社の社員も含め)は数少ないのが実情です。

なので、決算書を理解して営業アプローチ出来るだけでとてつもないアドバンテージになります。

日本は人口減少社会に突入し、保険の市場規模も縮小傾向にあります。
そうした中で、近年の保険会社というのは中小企業マーケットに力を入れています。

そうした状況下においては、財務分析を通じて経営者と対等に話が出来ることは、他の募集人に対して大きな優位性になります。
また、決算書を正しく理解しているからこそ、正確な提案が可能となります。

例えば、売上総利益率が関係する休業補償、商品の回転期間から適正な在庫金額を算出、感度分析により特定の災害が発生した場合の損害額をシミュレーション、といった事が可能となります。

保険の営業というのは、「万一~が起こったら大変なので~」という脅し文句が多いですが、私はあまり好きではありません。

真にプロフェッショナルであるならば、シミュレーションを用いて提案するべきだと思います。

最後に、これは銀行員1年目に融資係となり、その時の上司に教えて頂いた事です。
「銀行員である以上、お客様から決算書を預かった際に必ず何かコメントをすること。どんな事でもいい。何も言えないというのは銀行員としての素人で、お客様に対しても興味がない証拠」
今でも凄く印象に残っています。

決算書というのは、お客様にとって非常に重要な情報が記載された書類です。それを開示するというのは信頼の証ですが、それに対して何も言えないのはプロフェッショナルとして恥ずかしくないでしょうか?

長くなりそうなので、この辺りで一旦締めくくらせて頂きます。
また、後日続編を書く予定なので、よろしくお願いします。

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