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銀行員として学ぶべき事④

皆さま、新社会人、新入行員の皆さま、1週間お疲れ様でした。

新入行員の8月、世間は夏休みなのに銀行はカレンダー通りなので、人通り少ない中、家族で自分だけ仕事に行っている通勤最中に
「あ~、銀行員になったんだな~」と感じた事があります。

社会人の自覚って、そういう所から芽生えるのかもしれませんね。

さて4回目のnoteですが、銀行員時代を振り返り、真剣に取り組んでいて良かった事として、「稟議書」を挙げます。

私は得意先係なので、私の場合は支店内で起票する「事前協議書」になります。

稟議書は、融資係が審査部に宛てて起票する書類です。

私は、この事前協議書が本当に苦手でした。

恥ずかしながら、初任店が小規模な店舗だった為、本当はあまり宜しくないのですが、事前協議を起票する事はなく、週一の朝のミーティングの際に支店長、次長、得意先、融資で案件の共有と確認を行っていたので省略されており、細かな条件は融資代理とタバコの一服の時に済ませる感じでした。

いい時代ですね(笑)

その為、銀行員として重要な「融資の事前協議を書く」という事をほとんど経験する事なく異動する事になり、大変な経験をしました。

異動先では、今までにないくらい融資案件が多く、加えて、私にとって難しい案件ばかりでした。

事前協議を回しても、赤ペン先生のごとくダメ出しされ、次席に回っていきません。あの時は完全に事前協議恐怖症でした。

外回りから帰る→赤ペンだらけの事前協議→激おこぷんぷんに怒られる
恐怖でした。

半年くらい経過した頃から、まともな事前協議書が書ける様になり、案件の要点をまとめられる様になりました。

周りを見て、少し落ち着いて仕事が出来る様になったので、初任店で次長に教えて頂いた事が活かせるようになりました。

次長は厳しい方でしたが、話の要点が簡潔で分かりやすく、仕事の出来る上司でした。

当時教えて頂いたのは、

「融資の稟議書の要点というのは、3つに集約される。
①どんな会社なのか?
②何にいくら使うお金なのか?
③どういう融資条件なのか?この3つに集約される。
融資案件というのは、それぞれに難しいポイントがあって、担当者として把握していて、その上で、問題ない理由を客観的に書く必要がある」

今でも本当にその通りだと思います。

簡単に補足説明します。
①どんな会社なのか
これは会社の情報です。
売上利益がどう推移しているのかは勿論、経営に関する定性的な情報、主要な販路、珍しい業界であれば業界についての情報も補足すると良いです。
担当者の熱量が伝わる部分であり、その会社の強みだと感じる事をアピールすると良いでしょう。

②何にいくら使うお金なのか?
大きな分類として、運転資金なのか、設備資金なのかです。
運転資金でれば、金額としていくらお客様は必要と言っていてその金額の妥当性を検証します。
例えば、私の経験上厳しい資金使途としては、賞与資金や社会保険料の支払い資金です。
簡単に言って、「給与や社会保険料が払えない会社に融資の返済が出来るのか?」と判断されるからです。

設備資金は文字通り、会社が設備投資をする際の借入資金です。
例えば、製造業の設備投資が代表例です。
一般的に、返済期間が長いのが特徴であり、お客様もある意味では社運を掛けて取り組む為、銀行員にとってもやりがいのある仕事です。

③どういう融資条件なのか?
金額、金利、証書貸付、当座貸越等の融資形式、担保、連帯保証人等の条件面です。
金額の妥当性や必要性の根拠、貸出金利の採算性について書いていきますが、金利はシビアに見られます。

事前協議書を通じて、文章を構造的に分かりやすく書くというライティング能力が強制的に養われたと実感しています。


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