もしかしたら失恋
後で見返した時に、ああ自分イタかったなと思うことを今から書こうと思う。
なぜってわたしはもしかしたら失恋したかもしれなくて、今地味につらいから。
そしてわたしは、この経験をかてにしてたくましく生きていきていきたいから。
だからわたしはこれを書いて頭を整理することにしたし、あなたにも聞いてほしいと思う。
「お気に入り人」
2022年の終わり頃、わたしはある人を気に入った。
恋に落ちたという表現は実際にわたしの中に起こった感情とはかけ離れていると思う。
だってわたしが今まで経験してきた恋って、性欲が伴っていたし、その人だけとずっといたいという束縛心を伴っていたから。
でもわたしのお気に入りのひとはちょっとちがった。
会って話すまでは正直全然期待していなかった。でも話してみるとレイバックで、機知に富んでて、地味に優しくて。会うとウキウキしてつい楽しくなってしまう。そんな感情を得ていた。
それに加えて、驚くほど愛情があふれてきて、マナーとしてではなく、自然に心の底から気にかけてあげたくなるのが不思議だった。そして実際にその人に対して優しいことをするのが驚くほど簡単だった。この人とこの先時間を共有できていけたらすごく楽しそうだし、わたしはそうしたいと思った。
いままで仲良くなった友達を振り返ってみると、あってすぐにこの人と気が合うなとか、こんなことしたいな、とか時を共有したいなと志向したことはなかった。
何かの機会で偶然会い、話を重ねるにつれて自然と仲良くなるケースがほとんど。もしくは相手がわたしと親しくしたくて、猛烈な友情アピールを受けるかどっちか。
そして今まで恋した人を振り返ってみると、会ってすぐに強烈なほどの身体的魅力を感じることが多かった。
クワロマンティック的感情
でも今わたしが話している「お気に入り人」に対しては、上の二つとは異なる全く新しいタイプの、とっても不思議な感情を抱いた。
ただの友達と呼ぶにはウキウキしすぎだし、かといって性欲はまるでない。一人でいたら予想されうる寂しさを事前に防ぐために人と一緒にいることを計画することはあったけども、積極的にこの人と時を共有したい、どこに行って何したい、と思ったことは初めてだった。
この感情を友達に伝えると、じゃあ付き合えばいいじゃん?それって「好き」なんじゃない?って言われた。そうかなとも思ったけど、よく考えるとやっぱりそういうことではなくて。
ただこの人と会って話して、友情とか、恋愛とか、そういった既存の枠組みに無理に当てはめずに、二人で固有の文脈、歴史を作っていけたら最高だなと思ったし、実際に実行にも移した。そういうのってクワロマンティックって言うらしい。
クワロマンティックに関しては、詳しくは現代思想にある、中村香住さんの「クワロマンティック宣言」とかiwakanの5号にあった関根麻里恵さんの「Love ? Friendship? What the Fuck!!」とかを参考にしてほしい。
ただ、iwakanのクワロマンティックに関するイベントで、中村さんは二人が日本語では最初くらいに出版物にてクワロマについて話したからそれが規範ちっくになっているのは意図したことじゃないとはいっていたけど。だからまあクワロマについて知りたい人はわたしの経験も参考になるかも。
まあとにかく。偶然見かけた日には一緒に帰ったし、遊びにも誘った。仲良くなれているなと思っていたけど。だけどね。だけどなの。
保つのが難しい感情
あの人を知ってから勝手に自分の頭のなかで思い描いた幸せな時間。それが現実にはならなそなことを突きつけられてショックだったのかもしれない。
あの人に会いたいのに、あの人の中ではわたしは優先順位が高くないから、なかなか会えなくて、やるせない気持ちになってしまったんだ。
この記事を書き始めた時には、下書きに
「最近何しているか聞きたいのに、声も香りも懐かしいのに
あって話したいだけののに!DMかえせよ!ばかやろう!」
とか
「別に相手とてわたしのことが嫌いとかではなく
単純にDM返すのがめんどくさいか、わかんないけど誤解させないように?とか気をつけてんのかもしれないけど。別にさあなたの恋人になりたいわけでもないのよ。ただ一緒にいてエモさを感じさせてほしいだけ。」
とか、混乱した様子が伺えたのだけど
今はちょっと違うかもな。また偶然会ったりしたらエモい気持ちになって、ああこの人いいなってなるかもだけど。
今はどちらかというとこの感情を持ち続けることに疲れてしまった。純粋にあの人と会いたいな、とか、次あったらこんな話して、それに対する反応が楽しみだな、とか考えてた頃の自分が懐かしい。
別に普通に生きてれば関わりがない人だから、関わりたかったらどちらかがかならずアクションを起こさないといけなくて、まあわたしの方があの人を好きだからそれは必然的にわたしなわけで。
加えて、この関係を続ける利点って関係に内在しているのだよね。つまり、この関係が、一緒にいて楽しかったり、リラックスできなければ、続ける意味がないわけで。
そんななかで、ちょっとDMの返事が遅かったぐらいでわたし側の熱が少しさめてしまったというか。あちらはあんまり変わってないと思うけど。あっちからしたらわたしはよく笑って、少し内向的な友達って感じだと思う。
わたしのことだから、つまりわたしは何十年と生きてきて自分が流動的で移ろいやすいって知ってるから、まあまたいつかこの人への好意とか興味を取り戻すかもしれないけども、いまはとにかく失ってしまったんだよね。
生きていれば、またあの人と会う機会はあるかもしれないけれども、とにかく今のわたしからはウキウキするものが消えてしまった。それがちょっと悲しくて。失恋とは違うんだけど、それ以外に言葉が見つからないからそう表現しようと思う。
おわりに
読者の皆さんへ。一人の人間の悩みに付き合ってくれてありがとう。
書いたことを要約すると。まずわたしはある人にたいして今まで抱いたことのないクワロマンティック的感情を抱いた。そしてその人と固有の文脈を築きたいと思って、実際に築き始めていた。
でも、相手はわたしほどそう思ってないかな、と思う出来事があって、こちらがわが少し冷めてしまった。
「お気に入り人」のことを考えるだけでもウキウキした日常をおくれていたのだけど、それがもうないからちょっぴり悲しい。
ちょっぴり悲しくて、そんなに学業に身が入っていない大学生リンコの備忘録でした。
またね。