見出し画像

「ソロキャンプを動画に撮る」シリーズ:厳選ギアで夏を軽やかに楽しむ 〜 解説(1) キャンプの補足

夏ですね、という書き出しがまだギリギリ間に合う時期にこの動画をアップロードできて、この記事が書けたことで、自分をかなり見直している昨今ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今回は前回の記事に引き続き、ソロキャンプにおいて決して答えの出ない大命題である「ギアの重量」に取り組むことにして、「夏のキャンプ」において自分がどうしても譲れない部分(主に楽しみと快適さ)を残しつつ、何を削って軽量化することができるか、というテーマでキャンプを楽しんできています。

今回は本来なら相当に情報量が多くなるはずの動画だったのですが、字幕ではやはり書ききれないところが多々あるのでこの記事で補足していきたいと思います。


と思って書き始めたのですが、思いの外、長くなってしまったので、記事2つに分けます。今回は、その1ということで、ギアなどキャンプ関連のトピックで、その2では動画について書いていきます。


超軽量テント GOSSAMER GEAR社 The One について

今回は新幕ということで米国 GOSSAMER GEAR 社の「The One」というテントを持ち出しています。このテントは主にトレッカー向けに作られた超軽量テントで、重量が500グラムしかなく非常にコンパクトに収容することができます。

元々は同社最軽量の DCF(ダイニーマ・コンポジット・ファブリック)版に目をつけていたのですが、一年近くウォッチしているのに一向に在庫が復活しないので、重量が実は70グラムしか違わず、値段は40%以上も安い通常版に流れてしまいました。

画像1
GOSSAMER GEAR - The One 収納状態

上の画像は大きさが分かりやすいようなカットを選んでみましたが、実際にはこの収納袋はかなり緩いサイズで本気で圧縮すれば一回りくらい小さくなると思います。

前回の真冬のキャンプ記事で取り上げた同カテゴリの超軽量テント「Aeon Li」と比べると、重量はあちらが少しだけ軽いのですが、収納時の占有体積はこちらの方が小さくなります。Aeon Li は幕内スペースの確保と換気の観点から補助的な骨組みが組み込まれているので、その分、収納時に「長さが残る」ようになっているのですが、The One はやろうと思えば本当にグシャグシャに小さく丸められるので、今回のようなバックパック泊ではバックパックの底に横向きに収納することができる、というのが大きな強みかと思います。

とりあえず自分のように、「テントは寝るだけの場所」と割り切っていくスタイルだと、こういうウルトラライト系のテントでも何の支障もないというか、あれこれ軽さと引き換えになっているはずの部分も気になりません。今回のキャンプでも全く問題なく快適に眠ることができました。しかし一方、テントの中で読書したり、夜は虫などから隔離された環境でのんびりしたいと思う方には、やはり狭さ、結露などが問題になるかと思います。

実際のサイズ感などは動画の方である程度掴めるのではないかと思います。ご興味のある方は、このテントは実は日本国内でも扱いがあるのでチェックしてみてはいかがでしょうか。国内価格は5万2800円(記事執筆時点)で、GOSSAMER GEARから直接通販で取り寄せるよりは割高ですが、最近は円安も進んでいて公式サイトの価格300ドルに送料と関税がかかるとあまり差がないかもしれません。

焚火台 Feuerschale について

動画本編でも触れていますが、今回はテント(と寝袋とマット)で重量を絞った分、焚火台はかなり重いもの(1.4kg)を選択しています。これはドイツの Tschum というガレージブランド(というか制作と販売を兼ねている一人のおじさんとその奥さん、というのが実態っぽい)のもので、英語サイトでは Firebowl などという名前になっていたりしますが、ドイツ語名の Feuerschale(フォイアーシャーレ)は「炎の皿」という意味で、この焚火台の形状をそのまま表した名前になっています。

これも日本国内だと訳の分からない値段になっていますが、本来85ユーロという値付けをしているドイツの Tschum 公式サイトでは、送り先として日本が選べないようになっていて、直接買えないんですよね。こういうのは本当に何とかなってほしいところですが、とりあえず興味のある方はアメリカ経由の転送サイトなどをチェックしてみてはいかがでしょうか。

Feuerschale の焚き火

さて、この重たい焚火台ですが、何がそんなにいいのかというと、やはり「存在の目立たなさ」に尽きます。台が構造を主張しないというか、実際に薪を置いて火を焚いていると、焚火台自体が完全に炎の影に沈む感じで、直火で焚き火をやっているような感じなるんですね。

その分、上に五徳を置いて網を敷いて、というような使い方はできなくなるので焚き火で調理、というのはちょっと難しくなるのですが、それでも火の上に直にケトルを置いてお湯を沸かすくらいのことはできますし、そういうスタイル自体にまた野趣があったりして、とにかく雰囲気という観点で非常にグッとくるものがある訳です。

あと、1.4kgという重さは如何ともし難いのですが、スチールの板6枚という構成なので、収納形態は非常にコンパクトなのも、まぁ長所と言えるかもしれません。個人的には、多少重くてもついつい持ち出したくなってしまう焚火台です。

謎の発光現象

今回動画ではカットしたんですが、タイムラプス部分に一枚、妙な光が映っていました。下の写真はそのRAW画像を無加工でJPEG化して、そのままだとnoteには添付できなかったので50%縮小したものです。

午前1時47分の謎の光

写っていたのはこの1枚だけで、その前後は特段変わったところのない写真でした。まぁ普通に考えれば車のヘッドライトが上空の雲を照らした、くらいの話だとは思うんですが、深夜2時前に郊外のキャンプ場近くで夜空だけを照らすような角度で、というのもちょっとピンとこないので、ちょっと不思議な感じで気になっています。テントに灯りがついているのでまだ起きている時間だったはずなんですが、何であれこんな光が見れたなら、外にいればよかった、と悔やまれてなりません。

一応ちょっと調べてみたんですが、当日、流星由来の火球とか突発的な低緯度オーロラのような現象が起きていたという記録はありませんでした。

キャンプの快適さを決めるものとは

Helinox のテーブルとチェア

さて、知らない間にそんな不思議なことが起きていた夜が明けた翌朝、朝の強い日差しをタープでしのぎながら、朝食とコーヒーを楽しんだわけですが、ここのシーン、字幕で語ろうかと思ってやめておいたトピックがひとつあります。

これはソロキャンプを何十回も重ねてきた実感からきている話なのですが、わたしは

「キャンプの快適さを決める最大の要素は椅子とテーブルである」

と思っています。これはもちろん、自分が寝る時以外はテントに篭らない、というスタイルを好んでいるからでもありますが、要するに、キャンプという営みの間、「自分がどこでどう過ごすか」ということに直接関わる道具が一番大事だ、という話です。

今回のキャンプでは「快適さをあきらめない」ということを標榜していますが、それより少し強く「快適さを追求する」という話だったとしたら、Helinox のチェアではなく、スノーピークの「ローチェア30」を持ち出していたと思います。

何度も書いてますが、わたしはキャンプでは本当に「寝る」とき以外はテントに入らないので、基本的にずっと椅子に座っています。昼前に現地入りして昼頃に撤収するとして、3〜4時間くらい寝るとすると、まぁ20時間とは言わないまでも15時間くらいは椅子に座っているんですよね。

Helinox の椅子もよくできていますが、さすがにそれだけ長い時間座るとなると、座面がしっかりして沈み込みすぎず、座った状態で荷重の分散を多少は調整できるような椅子でないと、体のあちこちが疲れてきます。

その点、この「ローチェア30」は実によくできていて、座面も背もたれも程よい固さ(というか、固さというか柔らかさというか迷うレベルの絶妙な感触)でしっかり体を受け止めてくれます。肘掛けも、座っていて姿勢が楽というだけでなく、体重をかけてもまったくぐらつかない強度があるので、やや低めの座面でも肘掛けに手をつくことで、立ち上がるのが苦になりません。

‥‥というような話はさすがに動画の字幕には書き切れませんし、そもそも今回のキャンプにはそのローチェア30は持ち出していないので、今回の動画では触れなかったのですが、この「快適さは椅子とテーブルが決める」「スノーピークのローチェア30は素晴らしい」という話は世界中に力説していきたいポイントなので、また折を見て動画でも触れたいと思っています。

おわりに

ということで、今回の動画について、特に「キャンプそのもの」に関連するポイントをいくつか補足してみましたが、何らかのご参考になれば幸いです。今回はもうひとつ、「動画制作」の観点でも補足をする記事を別途立てていますので、そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。

この記事を書いている時点で、動画を公開してから48時間ほど経とうとしているのですが、実は今回、YouTubeのアルゴリズムに引っかかったらしく視聴数がこれまでにない勢いで伸びています。直近10本の動画で比較すると、その中で公開48時間での視聴数が一番多かった動画の3倍以上というペースで、視聴数を目的にしているわけではないにせよ、こうして動画を公開している以上、やはり「伸びると嬉しい」というのはあるわけです。動画をご視聴いただいた皆様には改めて感謝いたします。ありがとうございました。

で、ついでに、なんですが、動画をやっていてもうひとつダイレクトに嬉しいのが高評価とコメントなんですね。お礼を言ったその口で厚かましくお願いをするのも、と思うのでこれ以上は言いませんが、毎回色々手探りで模索しながらやっているので「コメント」がありがたかったりします。あれこれいじったところがうまくいっているのか、それとも迷走して期待されているものと違う方向にズレていっているのか、この先に進んでいくための道標として、何らかご意見やご要望等いただけると幸いです。もちろん、特に希望がなければ、とりあえずまぁオッケーよ、という意味での高評価ボタンでも結構です(結局言う)。

この部分は、ここまでつらつらと書き連ねた長文を読んでくださった方々だけが読む部分ということでちょっと図々しいことを書いてしまいましたが、ともあれ今後も、YouTube も note も、本人が楽しみながらやっている営み、ということで続けていきますので、何らかの形で多少なりとお楽しみいただけましたら。

それでは、もしよろしければ後半のこちらの記事も合わせてお楽しみくださいませ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?