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ロシアに於けるSFファンダム

SFという概念が生み出される以前よりロシアではウラジミール・オドエフスキーらによる「ファンタスチカ」と呼ばれる幻想文学に基づき数多くのSF概念の作品が生み出され、ロシアでのSF小説はサブカルチャー的な役割を果たし、ソ連成立後から戦勝後と年を重ねるごとにファンの数を増やしていき、1977年に最初のSFファンクラブが設立されました。

そのクラブでは演説やクイズ大会などの催しが行われ、1979年にはロストフのファンとトビリシのファンの交流会、1980年代には全ソSFファンクラブが発足し配本事業である「ファンタスチカ基金」の立ち上げが行われテクスト社などが出版したSF本を各地のSFファンクラブを配本するなど、流行を超えたファンダム的取り組みが熱烈に行われていたことが分かります。

一方でモスクワやレニングラードなどではファンクラブ活動があまり発展しませんでした。

これは都市部では物質・情報的に豊かであり、本などの情報媒体へのアクセスが比較的容易であったことがファンクラブ活動の発展しなかった原因だと考えることができます。

ファンダム・ファンクラブの原動力とは、情報欲が欠乏している状態を人との交流で補おうとする意志から強固になっていくのではないかと推測できます。

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