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note 43:光学系学習史:その9ー190615

note 43:光学系学習史:その9ー190615

最初に光学系の光線を可視化する為に光学シミュレーションソフトを使い始めた。

光学定数を光学シミュレーションソフトに適切に入力してやれば、かなり正確に光学特性を再現できる。しかし、この「適切に入力」というところが問題で、シミュレーションソフトの仕様に適合したデータを入力することはが最低限必要だとしても、光学定数自体が分からない場合もある。

例えば、LED光源を使うとして、LEDの構造、寸法、材料等の情報が分かっていないと光源のモデリング自体ができない。

これらをクリアしたとしても、シミュレーション結果と実測した結果が一致すろとは限らない。光学シミュレーションは万能ではないので、実際に計測して性能を検証することが必須である。

さらに、この計測という事に関しても、正しく計測しないと誤った結果を得てしまう危険性がある。例えば、〇〇の分解能をもつ結像光学系を評価するための計測器の測定分解能が不足していれば、正確に計測することは出来ない。

設計値と実測値が一致しない原因は色々ある。
したがって設計スキルをアップさせるには、実務で設計・試作・評価のループを繰り返し回して経験値を上げていく必要がある。経験値が上がればこのループのスピード、精度が徐々に向上していくだろう。


実際の光学系を作る場合のプロセスは、だいたい以下のようである。

光学設計
まず、設計の性能目標を決める。
既存の類似の光学系があれば、それをたたき台にして、それを徐々に改良していく。
光学シミュレーションソフトを使えば、設計の試行錯誤が短時間で好きなだけ繰り返しできる。
ZEMAXでは、各パレメータの公差を入力して、モンタテカルロ法により量産した場合の性能のバラツキも計算可能である。

鏡筒設計(筐体設計、メカ設計)
光学系に使われる光学素子(レンズ、ミラー、プリズム等)は、光学シミュレーションで描画する光路の様にレンズが空中に浮かんでいるわけではない。物理的に光学素子も保持する筐体が必要になる。
高性能な光学特性を達成する為には、光学素子の精度と共に光学素子の取り付け位置精度を決める、鏡筒の精度も重要になってくる。
全ての精度を上げようとするとコストもアップするので、メカ的な微調整機構で現物で微調整した方が、トータルではよい場合もある。

製造
性能を極限まで求める場合は、使用する光学素子をカスタムメイドする必要がある。当然コストもかさむ。ますは、市販の光学素子(レンズ等)で光学系を試作してみるのも良いと思う。

検査・評価

つづく

#光学系
#学習

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