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note 50: 分光器設計その1_edit6-190828

note 50: 分光器設計 その1_edit1-190828

推敲する前にアップして、あとで修正・追加する編集方法の実験。
後日、記事がある程度まとまったら整理して順番を編集して読み易くしていく予定。

以下のアイデアに触発されて、技術文書で可能か実験してみる。
アップデート主義 vs 納品主義
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佐渡島庸平
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タイトルのルール
分光器 そのxx(トピックス連番)_editxx(版連番)

分光器:

ニュートンは光(太陽光)には色々な色の光が含まれていることをプリズムを使ってあらわした。
そもそも、光とはなにか?
何故、われわれは光が見えるのか?
古来、様々な仮説がたてられてきた。

何故プリズムで光がいろいろな色に分かれるのか? は光が色(波長)により屈折率が違うからプリズムを光が通る時に波長によって屈折する角度が違うからだ。しかし、この何故なぜをつづけていくと最後には説明できなくなってくる。例えば、なぜ波長により屈折率が違うのか? という問いが又生まれて、それに対する説明が必要になってくる。
科学とはそういうものである。

例えば、引力は何故あるのか? 質量をもつ物どうしには引力が働く。しかし、何故引力はあるのか? 引力があるという現象を観察できるが、なぜそうなのかは本質的に分からない。だれも答えられない。まさにこれは”神”のみぞ知るである。

科学とは、その時点でいかにもそれらしく説明できる方法の一つにすぎない。
そもそも、我々が知ろうが知るまいが、その現象はもとからあったのである。それをある時、人間が気が付いて(発見して)、人間が分かる方法で説明を試みたのである。

という事で、ここでは途中までしか説明していない。ていうか出来ない。

仕事上、分光器はとても身近な装置であった。分光器の使用者としては長い経験があるが、さて分光器を自分で設計して作るとなると分からないことだらけだった。しかも、製品レベルの特性を持たなければならないとしたらなおさらである。

プリズムを使った分光はわりと説明し易い。しかし、今回は回折格子という反射表面に微小な周期構造の凹凸をもつ部品を使った分光器を扱う。現在ではプリズムを使った分光よりも回折格子を使った分光の方が多い。

~~
中略
~~

通所の技術的な解説は順序だてて、概略、原理、詳細.... という様に徐々に総論から各論に入って行くのが普通だ。でも、今回はあらかじめ筋道を立てて見通しを立ててから書き出すのを止めにする。そうすると、いつまでも始められそうにないから。

後日、記事がある程度まとまったら整理して順番を編集して読み易くしていく予定。

それでは、自分にとって一番腑に落ちた箇所を最初に説明します。

平面グレーティングを使った分光器では、マウント(各光学素子の配置)が種々あるが、基本的には、以下の構成になる。

1. 入射光が入射スリットを通って、その後広がる。
2. 1.で広がった光をミラーで平行光にする。
3. 2.の平行光を回折格子へ入射して分光する(一般的には回折格子は反射面。中には透過型の回折格子もある)
4. 回折格子で反射した光は波長毎に回折する方向が変わり平行光として反射される
5. 4.の分光された平行光は再びミラーで集光されて射出スリットへ結像される。
6. 射出スリットを通過した光は再び広がっていく

1~6をさらにシンプルにまとめると、入射光を入射スリットを通した後平行光にして平面グレーティングへ入射して分光させてる。その後、反射してきた分光された平行光を集光して射出スリットへ結像させる。

この動作の理解を助けるために、簡単な光路図で表す。このとき透過型グレーティングの方が分かりやすいので、今回は透過型グレーティングで説明する。又、2.、4.共に”ミラー”を”透過型に置き換えて説明する。

分光器光路説明-190827.JPG

ここのポイントは、以下の分光器としての波長分散の機能 ”A” とリレー光学系としての機能 ”B” の二つを合わせもっていることである。自分は最初これがよく理解出来ていなかったために混乱して誤解が生じていた。

A. 波長を分散させる機能
B. リレー光学系としての機能

これから光路を使って説明していく時の座標ルールを決めておく。座標系は分野やアプリによって違ってくる。例えば3D-CADとか光学シミュレーション各種等。
これから主に使っていく光学シミュレーションアプリ:ZEMAXに習って以下の様に決めておく。

ZEMAX_座標系-190828.png

射出スリットのY軸上の位置の持つ意味は、
Aの場合はY軸上に波長分散(分光されている)が起きているので、位置が波長に換算できる。
Bの場合は単純に入射スリット像が射出スリット像に結像しているだけなので、入射スリット上に投影される光源像が入射スリットを通り抜けて射出スリットへ結像されている。


ややこしいのはAの機能とBの機能が同時に動作しているからである。

例えば、Bのリレー光学系としての性能が悪くて、1mm幅の入射スリット像が射出スリット上で10mmにも広がていたとすると、いくらスリット幅を狭くしても波長分解能は良くならないということになる。

例えて言うと、計算上倍率の凄く大きな顕微鏡を作ったとしても無限に小さなモノが見える訳ではないことに似ている。

分光器のスリット幅を狭くしていくと波長分解能が上がっていき、より高精度な波長成分を抽出できる。波長分散は普通 nm/mmで表される。例えば10nm/mmの分光器があったとすると、スリット幅1mmの時の波長分解能は10nmという事になる。ただし、これはAだけを考慮した場合の性能である。(厳密には、回折格子のエラーによっても波長分解能は悪くいなる)

スリット幅が広い範囲ではAだけ考えておけば良かったものが、どんどんスリット幅を狭くしていくとBの特性が波長分解能に影響してくる。
以下の例は極端にBの結像特性が悪い場合のを表している。入射スリットを透過した時点では入射スリットにより針の穴のように細いスポットだった光が、射出スリット上では大きなスポットに広がってしまっている。そうすると、いくら射出スリットを狭く絞っても波長分解能は悪くなってしまう。

結像特性の悪い場合-190828.PNG


入射スリットと射出スリットは独立して幅を変えられる。但し、両者の幅が違うとプロファイルの形が左右非対称になり具合が悪いので、普通は入射スリットと射出スリットの幅は同じ値にそろえて使われる。

正確ではないが、

・使用する分光器のスリット幅をC1(mm)

・Bで入射スリットを殆ど0(mm)まで狭くした時の射出スリット上のスポット幅の半値幅(FWHM)をC2(mm)(実際には入射スリットを0にしてしまうと光が通らないので測定出来ないが)

とした時の波長分解能は以下の式で求められる。

波長分解能式.png


関連記事:
note 40:光学系学習史:その6ー190613
https://note.mu/lingmu0788/n/n99681cd621de
その中でたどり着いたのが、「The Optics of Spectroscopy」という小冊子でした。
JABIN YVON-SPEX
https://web.mit.edu/8.13/8.13d/manuals/Hydrogenic/jy-theory-optics-spectroscopy.pdf

#分光器


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