ミラー

note 39:光学系学習史:その5ー190613

note 39:光学系学習史:その5ー190613

初めに取り組んだ光学系は比較的単純な構成だった。
使うの反射ミラ、ダイクロイックミラー、ダイクロイックフィルター、コリメート用ダブレットレンズを使った簡単なフィルター分光光学系だった。

部品の意味:
・反射ミラ →全波長にわたって光を反射させるミラー
・ダイクロイックミラー、ダイクロイックフィルター →ある波長の光を選択的に反射・透過させるミラー
・コリメート用ダブレットレンズ →ファイバーの射出端から広がって放射される光を平行光にするレンズ。但し、異なった二枚のレンズを組み合わせることにより色収差を低減させたレンズ。

一般的なレンズの解説は、カメラ用に代表される結像系のレンズ群であることが多い。
なので光学シュミレーションするためのレンズモデルを定義する方法が分かりにくかった。最初は、簡単なミラーのモデルを定義して試行錯誤を重ねて徐々に自分の意図するモデルに近づけていった。

ガラスを垂直以外の角度で透過するとき、必ず光は屈折して曲がる。

以下は、厚みのあるガラスフィルターの裏面で反射させて、その後厚みのない面で反射させた光学系のデルの例:

以下は、左側のガラスフィルタを透過させて、右側のガラス表面で反射した光路図の例:


以下は、ファイバーの射出端から広がって放射される光を平行光にする光路図の例


ファイバーの射出端は光軸に平行に射出されるようにテレセントリックに設定しておく必要がある。


これら光学系に使う部品の光学定数(ガラス材料、屈折率、厚み、曲率、分光透過率等)が開示されていれば光学シミュレーションソフトで光路図を再現できる。しかしながら、市販のカメラレンズ(複数枚のレンズを組み合わせたレンズ群)の光学情報は開示されていないため、理想レンズ等に置き換えてシミュレーションするしか出来ない。

ZEMAXには豊富な光学系モデルのサンプルデータがついているが、私の様に結像系の光学系以外で光学シミュレーションしうようすると、同じような例が見つからない。今回紹介したような事例はB/S(ビームスプリッタ)のサンプルデータを参考に試行錯誤してもでモデリング方法を徐々に学習していった。

この時点では、周りに聞けるひとは皆無で孤独な試行錯誤の連続だった。今、思い返すとなんでこんな簡単な事が分からなかったのかと思うが、当時はそれで精一杯だった。でも、謎解きみたいで面白くもあた。

つづく

#光学系
#学習

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