見出し画像

note 36:光学系学習史:その2ー190611

note 36:光学系学習史:その2ー190611

いきなり専門的な話をしても、????になってしまうので、最初光学になじみのない方向けに、若干光学について説明していく。

光学系の設計とは、ある対象からの光を目的の位置に意図した特性で導く為の光学系(主にレンズ、ミラー)を設計すことである。

例えば、以下の例は髭剃りの時にガイドになる光の線を照射する光学系の例である。
https://hiconsumption.com/2013/10/philips-beard-trimmer-9000-with-laser-guide/


本来は直進する光を線状に広げる工夫がなされている。
この場合のある対象とは、光源のレーザー光源であり、意図した特性とは、ある距離の顔に直線状の線状の光を照射することである。

また、望遠鏡の場合であれば、非常に遠くにある星から来る光を拡大して接眼レンズ(望遠鏡の目でのぞく窓)に導くことである。
皆さんお風呂に入った時に自分の足を見ると、実際よりも手前に浮かんで見えた経験があると思う。これは水中の光が水中から出るときに曲がる為に起こります。

これらは、光がレンズ等を通過する時に曲がりながら、目的の位置まで到達するために起こるのですが、冒頭説明したように光は直接見えないので、光がどこでどのように進んでいるのか分かりません。
そこで、便宜上光の進む方向を線で表す光線というものを考えます。

光を発生する対象の一つである、自ら光を放射する物として「光源」を考えます。l光源=電球とイメージしてもらえばいいです。
電球からの光は様々な方向に進んでいきます。その光のある特定の方向に進む光を代表させて一本の光線として表します。その光線は空気中では基本的にずっと直進していきます。電球から出ていく光の方向を変えて一本一本この光線を描いていきます。最低3本光線を描いてみれば、およその光の進む様子が分かってきます。この様に光線を描画した図の事を光線図と呼びます。

ここで、代表的な虫メガネで太陽光を集光して紙に書いた黒丸に照射している様子を光線図で描いてみます。

太陽は地球からとても遠いところにある為、太陽から出る色々な方向に放射される光の内、地球に対してほぼ直線に進んでくる光しか地球に届きません。これを言い換えると虫メガネに入ってくる太陽の光は、虫眼鏡に対して垂直な光しかないことになります。光学用語ではこれを「平行光」と呼びます。

太陽 →虫眼鏡 →紙

子供のころいたずらで、集光した光を友達に当てて、「あちっ!」てやったことがある人もいると思います。(良い子のみなさんは危険なのでやらないで下さいね。)
これを実際にやると集光した光の先にある紙の上の黒丸は焼けてきます。

これを光路図を使って簡単に説明してみます。
光路計算は電卓があれば簡単にできます。その結果を元に、光路図を描きます。CADが使えれば楽でしょう。
今回はフリーソフトのPreDesignを使って描いてみました。
ダウンロード先↓
QIOPTIQ:DR_URL
https://www.qioptiq-shop.com/en/Optics-Software/Winlens-Optical-Design-Software/Free-PreDesigner/Free-PreDesigner.html

光路図で光の進む方向は、基本的に左から右になっています。

この様に光線を計算することを光線追跡といいます。
光学理論自体はかなり昔から確立していましたが、コンピュータがなかった時代では近似式を使用したりして人力で計算していました。感覚的にはに設計者が朝計算する条件をオペレーターに指示すると、午後に一本光線が引けるみたいなスピード感覚だったようです。それが今では一瞬で計算できてしまいます。

市販ソフトで有名なのは先述のOptalix、ZEMAX、CODEⅤなどがあります。右に行くほど高価です。

ちなみに、太陽の光を集光すると紙が燃やせるのに、蛍光灯を集光しても紙が燃やせないのは何故でしょうか?
簡単に言うと、太陽はとても遠くから光が来ていて、それに比べると蛍光灯はとても近くから光が来ているからです。
この説明で?? の方は、もっと回が進んだらおいおい説明していくので、ご心配なく。

つづく

#光学系
#学習

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?