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繁忙期ひと休みお疲れさま日帰り旅


2024年、年明けてから即繁忙期。
年末年始休暇から一気に現実へ。


そんな繁忙期が1度落ち着くのが2月中旬。よく乗り越えましたおめでとうの気持ちとご自愛の気持ちを込めて、日帰りひとり旅へ🚃

2月はすでに2回も3連休があるけれど、それでは物足りず有給を使ってさらに3連休を生成。
世間が平日の中での旅行が一番楽しい、これは真理だと常に思う。スーツで通勤する人を横目に見ながら、ラフな格好で電車に乗る快感がたまらないね。


朝、普段より2時間早起きをして、普段より2時間早く家を出た。まだ始発のバスも動いていない、真冬の朝。もっと静かなものかと思っていたけれど、意外と知っている日常だった。

ひとり旅に欠かせないアイテムを携えて電車に揺られて新宿駅へ。カメラに換えのレンズ、大学生の頃買ったどデカいカメラバッグに全て詰め込んで、中学生の頃から旅行のお供をしてくれている歩きやすいスニーカー。見た目は完全に観光客もしくは、アウトドア系。ひとり旅におしゃれは要らない、必要なのは2月の外の寒さを凌げるだけの防寒対策だけ。

朝の新宿駅はビジネスバッグと革靴の宝庫だった。
あずさ1号に乗るために9番ホームへと向かうと、さっきまでの日本の平日がすこし薄まった、どちらかといえばすこし休日よりの光景になっていた。そこにいたのはJR東のE353。中央線でよく見る特急車両。綺麗で結構好き。

乗った車両は乗車率50%くらい。
最近の車両の頭上にはランプがついていて、お隣に人が来るかどうかわかるようになっている便利機能付き。隣に人がいてもいいけれどいない方が嬉しいから、気がついたらチェックしちゃう。

気がついたら発車していた。前日は仕事の飲み会で帰りが遅く今朝は早かったから眠くてウトウト。電車は寝ないようにするのが私の旅行のモットー。八王子くらいまでは特急じゃなくても車窓を気軽に見られるのでそこまで寝ることに。


起きたら山梨県だった。思ったより寝てしまった。家から持ってきた朝ごはんをとりあえず食べる。車窓をぼーっと眺めて、本を読む、ときどき窓の外を眺めて、その場の日常に勝手に思いを馳せる。

松本へ到着

人生2回目の松本駅。降りた時にホームでは女性の自動音声で「まつもと〜まつもと〜」と言う。なんだか風情を感じる音声。新宿駅の駅員は捲し立てるようにアナウンスをするし、扉閉まりますとは言わないで扉閉めますという駅員すらいる。松本は長野県の中では賑わう都市だが、新宿と比べると時間の流れが穏やかで心が落ち着く。

次に乗り換えたのは特急しなの。初乗車。篠ノ井線に乗ってみたかった、夢が叶った。
篠ノ井線には日本三大車窓のひとつである姨捨駅がある。ちなみに残り2つは根室本線旧狩勝峠、肥薩線矢岳だ。狩勝峠はもう列車で訪れることができない場所。
姨捨駅ではずっと動画を回してしまって、写真がない。特急しなのが結構満員でそんな余裕もなかったので、デッキの窓から車窓を眺めた。

海なし県として名高い長野県。日本一多くの県と接している長野県。そんな大きな県には何度か訪れたことがある。でも長野市は初めてだった。さすが新幹線停車駅、駅舎が立派だった。

日帰り旅、とにかく時間がない。列車に乗ることをメインイベントとしがちな私は、観光時間に適した列車を選ぶのではなく、列車の時間から逆算した観光時間しか確保できない。
せっかくの善光寺も時間がない。スタスタと早足でバス停へ。地方へ行くときに事前に調べておくこと、それはバスでSuicaが使えるのかどうか。善光寺もあるし県庁所在地だしと淡い期待をしたが、やはり現金or専用のICカード。バスの中で両替するのが嫌いなので事前に両替していて大正解。焦ることなく乗車。

善光寺までは長野市中心部のメイン通りを通ってひたすらまっすぐ進む。気が付けば雪がちらついてきた、そんな真冬の街だった。

おやきを食べた。2つ。おやき大好き、家に常にストックしておきたい地方の食べ物ランキング堂々のランクイン。(わたしランキング)

善光寺は立派だった。半分以上は海外の方だったような気がする。人気なんだな。
お戒壇めぐりがあるなんて知らず、急に何も見えない闇の道があらわれた。何メートルくらいあるのか、道の形状はどういうものなのか何もわからず、ただひたすら闇だった。前方数センチすら見えず、右手は壁をつたい、左手で前の人との距離感を測る。

ここで一つ懺悔しますが、どこで曲がるのかよくわからずさらにあまりにも暗くて怖かったので、わたしの前を歩いている人のリュックをこっそり掴んでいる瞬間が何度もありました。気がつかれないように弱めに掴みましたが、こういうのって気がつきますよね。本当失礼いたしました。

あまりの闇に、視覚以外の五感が研ぎ澄まされ…なかった。研ぎ澄まされたのは手の感覚だけ。別に音を聞こうにもみんな知らない言葉でおしゃべりしてるし、匂いとかなかったし(わたしの嗅覚が弱い)。

ただ初めての体験に素直におもしろいと思った。

そのあとは小布施方面への電車の時間を調べて、頃合いを見て駅へ。
駅に着いた時間は電車到着10分前で、無人駅で切符を買って、我ながら時間配分が完璧だと1人で自画自賛した。


改札には人がポツポツといたので、みんな同じ電車だろうななんて思っていたら、みんな反対ホームへ。
逆方面にもこの時間は電車があるのか〜と呑気なことを思って電車を待っていたが、時間になっても乗りたい電車は来ない。反対方面の電車だけ来た。

わたしはもう一度、電車の検索結果を見る。


よくよく検索結果を見ると、反対方面の各駅停車に乗って、一つ駅を戻りそこから特急に乗れとのことだった。
てっきり各駅停車でそのまま目的地へ向かうと勘違いしていたわたしはそのホームで1人寂しく20分電車を待った。

あまりにも悲しいひとりぼっちのホーム。しかも怖い。よかった〜kindle持っていってて。暇つぶしできて。

結局、電車到着の直前に2人ほどホームに降りてきた。



こういう路線に乗るのはとても楽しい。私にとっては次いつ乗るかわからないような路線でも、地元の人にとっては毎日毎日の日常の一部。そんな日常を垣間見る瞬間が好きだ。

大きい敷地に建物が整然と並んでるのを調べると刑務所だったり、古い東急の車両を発見したり車窓からの景色も面白かった。



そして小布施駅に到着。
外国人(とくに欧米の方?)がたくさん降りた。どうも有名な観光地らしい。
私が降りた理由は、帰りに古いロマンスカーで走らせている特急に乗りたいから、その時間を考えて途中下車駅に選んだだけだ。目的地小布施というより時間潰し小布施。

一応調べたら、栗が有名らしい、葛飾北斎の記念館があるらしい。
帰りの特急までは1時間半ちょっと。とりあえず栗をいただく。甘味処がたくさんありすぎてどこがいいのかよくわからなかったので、葛飾北斎記念館の目の前のところにした。
お客さんは私しかいなくて少し不安に感じたが、栗のあんみつが最高に美味しかった。甘かった。


そして葛飾北斎記念館へ。正直、富嶽三十六景しか知らない。それ以外も描いててなんら不思議なことはないのに、ノミみたいな小さな想像力しかないまま記念館に入ったので結構驚いた。
10人くらい来館者がいるなかで日本語を話す人は私しかいなかった。人とぶつかっても"Excuse me""sorry"のオンパレードだ。美しい富士山の前で。

富嶽三十六景しか知らないとか言ってみたけど、その作品群の中でも本当に有名なのしか知らない。歴史資料集に掲載されているレベルのものしか見たことない。
でも、この絵はどこからみた富士山なのか細かな説明を見ることができておもしろかった。今そこに行っても高層ビルしか見られないとかありそうだな。


そして小布施の街を散策して駅に戻ってきた。
この路線は自動改札が存在せず、駅員さんの手で改札する。電車の来る時間が近くなると駅の事務所から駅員さんが出てくるタイプの駅だった。

改札開始より早く駅に着いてしまったので、ベンチで本を読んで待っていた。
気がつくと明らかに困ってる外国人がいた。目があったと思ったら、日本語で声をかけられたので日本語で返してみたけど通じず。
こういう時って何語で返すべきかとても悩む。せっかく日本語で声をかけてくれたし…と日本語にすべきなのか、ほんのちょっとだけ話せる英語の方が良いのか…。



そんなこんなしているうちに特急ゆけむりが入線!
基本単線なので、小布施で列車すれ違い。この時は別の特急とすれ違いをしていたのでちょっとテンション上がった。

せっかく旧HiSEに乗るんだから絶対展望席最前だ!と思って事前に予約していった。平日なので人は少なかったけれど、展望席には数人すでに座っていた…と思ったら、私の予約していた席にも人がいる…。

大学生くらいの若い女性2人が私の席で爆睡。「人の予約席取るんじゃねぇよ」「せっかく展望最前列座ってんのに寝てんじゃねぇよ」といろんな気持ちが心をぐるぐる。
いかにも旅行帰りの席泥棒2人を起こすのも忍びなかったので内心号泣しながら2列目へ。

数駅すぎたあたりで目を覚ました2人。
そんなタイミングで「展望席は指定席です」車内アナウンス。監視カメラでもついてる?車掌ずっとのぞいてる?若干恐怖を感じるくらいナイスタイミングのアナウンスを聞いて、そそくさと消えていった。

会話から察するに、展望は指定席車両ということをそもそも知らなかったらしい。知らなかったなら仕方ない、むしろもっと広告しない長野電鉄が悪いな、と心を落ち着けて、いざ展望席最前へ。

ジェットコースターみたいにビュンビュンと景色が過ぎ去っていく光景にニヤニヤが止まらなかった。
今までGSEの後展望には乗ったことがあったけど前展望は初めてで、これはハマるわ、と納得。

鉄道各社の皆様、みんな特急には展望席つけた方がいいですよ、楽しいから。


行きに見た景色と何ら変わりはないのに、全部違うように見える。そんな素敵な数十分をすごしていると長野駅へ。


長野駅で写真をパシャパシャ撮っていると、知らない外国人に「その画角いいわね!!!!!!!!」と絶賛された。ありがとう。Merci.



帰るにはまだちょっと早いので、少し駅で時間を潰して駅近の蕎麦屋さんへ。
十割蕎麦を注文。今まで二八蕎麦しか食べたことなかったから、十割蕎麦の前評判、ちょっとパサパサしてるを信じて食べ始めた。
あんまりわからなかった、というより目をつぶって食べたらわからない。蕎麦は最高に美味しい食べ物なので大好き。急に蕎麦が食べたくなる瞬間ってない?

これ書いてるとまたお蕎麦が食べたくなってきた…。



そしてその場で新幹線の予約をして、お土産用におやきを買って、いざ帰宅。

今回はJR東日本のキュンパスを使って1日移動!1日1万円新幹線含めて乗り放題の神チケット!発表されてすぐに有給申請した!

疲れている時期だったから、こうやって気分転換に1人で電車に乗って好きなもの食べて、何も考えずぶらぶら知らない街を散歩するのが本当に癒しになった。
長野県楽しかったのでまた行きます!

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