京都大賞典回顧

 スローを予想していたのだが、馬場状態を加味しても、思ったよりは速く(まあ馬場を考慮するとミドルペースぐらいか)なって、おまけに逃げを主張する馬がいなかったので、予想の軸としたダンビュライトが逃げる形になったのは、微妙に想定外だった。まあ結果的に見ると予想は当たった(やはりワイドにしておいて良かった)が、何とも煮え切らない形の結果となった。

 ラップは以下の通り。
12.9 - 11.0 - 11.5 - 12.1 - 12.2 - 12.2 - 12.3 - 12.4 - 11.7 - 11.6 - 11.5 - 12.1(勝ちタイム2分23秒5)
少ない長距離レースだけに比較しづらいが、同日の2勝クラス1800mの清滝特別が、
12.7 - 11.1 - 11.6 - 12.2 - 12.8 - 12.4 - 11.7 - 11.2 - 11.6(勝ちタイム1分47秒3)なので、クラスが違いすぎるとは言っても、近年の長距離重賞としては、割とタイトな流れになったと思う。競り合いはなかったが、一度も12秒台後半に突入しなかったことで、レース上がりも今の馬場にしては掛かったか。

 勝ったのは、11番人気と近走の不振を反映した形になっていたドレッドノータス。最後の勝利がほぼ1年前のアンドロメダS、重賞は4年前の2歳時の京都2歳Sだから、コース適性と季節的なモノもあったか。無論前残り馬場を番手で進めたことが勝因なのだろうが、ペース自体はさほど前残りだったとも言えず、フロックとも言い難いが実力とも言い難い勝利となった。ただ、基本的には、今後も馬券になる馬とは見ない方がいいだろう。もっともこの勝利で覚醒したとかそういうことも、後から見るとあり得なくもないが、それは後から判断しても遅くはない。

 2着には軽度骨折明けながらそれなりに仕上げていたと見たダンビュライトが入った。まあタイムも出ていたので、メイチではなくても、やれるとは思ったが、このペースで残ったのだから大したもの。切れるタイプじゃないだけに、松若が平均的にタイト気味な流れにしたのはナイスプレーだった。GIだと足りない馬で、更に2000mだとやや短い気もするので、大体2200~2500前後を使われていくと思う。乗り方は逃げる逃げない問わず、タイトなペースを意識する、これでいい。

 3着にはこちらも休み明けのシルヴァンシャー。ディープインパクト産駒の良血馬で、馬場や淀コースも合っていたのだろうが、手応えはさほど良くなく、ペースもディープ向きという風でもないのでよくやった方だと思う。これでオープンでもやれる目処は立ったはず。

 4着のノーブルマーズは、この競馬で馬券内に来れなかったのでは騎乗関係なしに仕方ない。最内を利用した競馬は出来ていたと思う。まあタイムはもっと掛かる方が向いている馬ではある。

 5着のエタリオウは、またも横山典弘がやらかした形。確かに落馬した馬に外を塞がれて仕掛けが遅れた部分はあるが、この馬場ではもっと前に行くことを考えておくべき(結果的にはそれなりに流れたペースだが、それでもやはり前は残っている)で、そこからして失敗の部類。おまけにどうせ仕掛けが遅れるなら徹底してロスの無い内にこだわるぐらい出来るのがベテランの味だと思うのだが、それもせずに外に持ち出す始末。まともなら十分馬券圏内もあり、ひょっとすると勝ちも着差を見ると合ったかもしれないレベルで、幾ら勝ち味に遅いとは言え、終始不満の残る内容だった。

 人気を背負って凡走したグローリーヴェイズだが、特に無理なく先手を取って、直線若干不利があったとは言えこの着差では、今回については力負けとしか言いようがない。ディープ産駒は一度狂い出すと立ち直れないこともあるので、実力馬とは言え少し注意しておきたい。無論、仕上げ不足の可能性も十分にあるが……。

 

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