サウジアラビアRC回顧

 府中開催がいよいよ始まったが、開幕週ということも相まって馬場状態は非常に良く、好タイムも出ている。ただ、「後ろが全く来ない」、「外が全く来ない」と言う、近年の府中にありがちな極端な前有利という程ではない様だ。「ある程度内・先行有利」というぐらいの感覚で捉えておいた方が良さそう。つまり、以前の認識の府中開幕馬場程度の認識でOKということだ。

 一方、本日は秋競馬開催初の2歳重賞、サウジアラビアRCが行われた。早速回顧してみたい。

 まずはレースラップから。
12.3 - 10.8 - 12.0 - 12.1 - 12.0 - 11.2 - 10.8 - 11.5(1分32秒7レコード)
当日の芝レースで比較すべきまともなレースがなかったが、3歳上1勝クラスの1400mと参考程度に比較してみたい。
8R(3歳上1勝クラス)1400m
12.2 - 10.7 - 11.0 - 11.5 - 11.4 - 11.6 - 12.0(1分20秒4)

当然、馬齢もクラスも余り比較すべき対象ではないのだろうが、馬場状態が良く、32秒台のレコードが出てもおかしくないのはわかる。また、最近はマイル戦辺りでもはっきりとスローになりがちだが、当レースはハイペースではないものの、それなりにタイトな流れで馬群全体が進んだことがわかる。つまり、単なるヨーイドンという競馬でもなかった(無論、上がりタイム上はヨーイドンだが、直線以前もそれなりのペースだったということで)が、終いも速い上がりが要求されたということだろう。

 勝ったのは、断然の1番人気に応えたサリオス。道中番手から終始先頭集団をマークし、直線に入ってからはいつでも前を捉えられる形での横綱相撲。一瞬外から来たクラヴァシュドールに交わされかけた(カメラ位置の関係でそう見えただけかもしれないが)が、石橋が外に併せる形になるとそこから競り落とすという勝負根性も見せてくれた。折り合い、瞬発力(上がり33秒1)、競り合いの強さと、近年のスローペース型のレースに対応するだけのポテンシャルを見せてくれたので、これからも成長があれば十分楽しめる存在だろう。血統的にも距離は伸びるのは歓迎だ。

 2着には牝馬のクラヴァシュドールが入った。一瞬勝てるかと思ったが、最後は競り負けたが、相手が牡馬だけに仕方ない部分もある。上がりもサリオスと同様で、血統も同じハーツクライだけに、距離が伸びることにも十分対応出来そう。

 更に3馬身半話された3着のアブソルティスモは、6月の新馬戦でサリオスの2着だった馬。その時が2馬身差だっただけに、今回はそこから差が開いた形。新馬戦は今回と同じ府中の1マイル戦だったが、その時の勝ちタイムが1分37秒4(同日同距離の安田記念は1分30秒9で馬場は相当良かった)だったので、馬場が当時より良かったとしても(安田記念のタイムから見ても、それ程の差はないと見られる)、レースが前半から流れた分、差が開いた形。やはり父ダイワメジャーだけに短い方が良さそうだ。
 尚、当馬が前走ハナ差で負かしたヤマカツマーメイドが本日のりんどう賞で勝ち上がっただけに、今回のレースレベルも割と高いことが窺える。

 4着以下については現時点で言及する必要はなさそうだが、当レース全体としてのレベルはある程度担保されそうなだけに、4着のジェラペッシュ、5着のエンジェルサークルまでは次走にも注意しておきたい。

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