「スマホでスポーツを観る」の最適解は？LINE NEWSでの取り組み
LINE NEWSでは、LINEアプリ内にあるニュースタブや、LINE公式アカウントへの配信などで、スポーツ関連の情報を提供しています。これらのスポーツ情報の掲載には、LINE NEWS編集部内のスポーツ専門チームが携わっています。
スポーツチームの業務の中心となるのが、ニュースタブ内にあるスポーツタブの編成業務です。スポーツタブには、AIによるレコメンド記事が表示される枠と、担当者が手動で記事を選出する「トピックス」枠があり、スポーツチームは手動で掲載する記事をピックアップし、14文字のショートタイトルをつけています。
トピックスに一度に掲載できる記事は4本です。この枠にどのような記事を掲出するかに関しては、ページビューは考慮せず、ユーザーに届けるべきニュースであるかどうかを重視しています。アクセス数は、あくまでも関心度の高さを把握するための一つの指標として、参考にする程度に留めています。
AIによる自動掲出と、編集者による手動掲出という2つのアプローチのハイブリッドで、日々のニュースを届けています。
リアルタイム実況と識者による生解説
LINE NEWSでは、様々なスポーツの試合状況を、リアルタイムにユーザーに届ける取り組みも進めています。
プロ野球とJリーグでは、データスタジアム社と連携し、全試合のテキスト速報を提供しています。またサッカーの日本代表戦や高校野球の甲子園大会のような注目度が高い試合では、提供されたテキストによる実況データを配信するだけでなく、現地の写真やプレーの動画、識者による解説などをリアルタイムに実況ページに追加する取り組みも行っています。
例えばサッカー日本代表戦では、元日本代表DF・岩政大樹氏に、試合を観ながらリアルタイムに解説していただき、編集部がその場で実況データに挿入。試合の実況だけでなく解説も含めた試合情報を提供しています。
プレーごとの速報テキストや、スタッツ(データ)だけで試合を観ようとする場合、「シュートをより多く打ったチームが攻勢を仕掛けているように見える」といった、実際の試合運びとは違った印象を受けることも多々あります。「得点した時のシュートやアシストではないポイント」「ボールを持っていない側の試合運び・動き」といったディテールを、より補強できるのではないかと考えて解説提供を実施しています。
解説はLINE NEWSの実況ページにテキストで反映するだけでなく、LINE LIVEで動画の生配信も実施しました。写真左はアシスタントとして出演いただいた永島聖羅さん
解説を挿入する際には、実況ページを担当する編集者とは別に、解説に対応する編集者がメンバーに加わって更新を行っています。解説者が試合映像を見ながら口頭で解説したものを、解説担当の編集者がリアルタイムで文字に起こしながら文章を整理・編集。それを実況担当の編集者が、試合状況のテキストや写真といった別素材との位置関係を考慮しながら挿入し、実況ページを更新していきます。
現地からの写真をリアルタイム連携
現場の情報をいち早く届けるための施策として、国内外の試合会場で撮影するフォトグラファーと連携し、テキストだけでなく写真もリアルタイムでユーザーに届ける取り組みも実施しています。
試合会場でフォトグラファーが撮影した写真をPCに直接取り込みながら、オンラインストレージサービス経由で、リアルタイムに編集部のもとに写真が届く仕組みで連携しています。
ラグビーW杯の得点シーンなどは、当該プレーから1〜2分で写真を実況ページに反映。また試合前の会場の様子や、スタジアムでのファンの盛り上がりなども、現地のフォトグラファーから連携された写真を実況ページに掲載しています。
また試合開始後もフォトグラファーとリアルタイムに連絡を取りながら、戦況に合わせて欲しい写真のすり合わせを続けており、例えば「こんな選手が注目を集めている」「こんな場面が話題になっている」といった情報をフォトグラファーに共有して、その写真を多く撮影するといった連携も行っています。
2020年1月1日のサッカー天皇杯決勝戦。現役ラストマッチだった元スペイン代表FWダビド・ビジャ選手の写真を多く撮影して実況ページに掲載
「見どころ」の動画をプッシュ配信
さらに「Replay Cast(リプレイキャスト)」という取り組みも積極的に進めています。
「Replay Cast」とは、放送局と連携し得点シーンや好プレーなど試合の「見どころ」をリアルタイムでLINEにプッシュ配信し、ユーザーに届ける仕組みです。またリプレイやハイライトといった事後配信だけでなく、「これから逆転のチャンス！」「タイブレークに突入！」といった、「今まさに盛り上がっているタイミング」でもプッシュ配信を行うことで、見どころを見逃さないようにしてもらう施策も行っています。
例えば昨年11月の卓球ワールドカップ団体戦では、伊藤美誠選手の勝利で日本が2勝とし、メダル獲得がかかった第3試合が始まる直前でプッシュ配信を行いました。
ユーザーは通知をタップすると実況ページに遷移して、そこで直前までの試合の流れを実況テキストや動画で観ることができ、またこれから盛り上がるタイミングを一緒に観戦することができます。
●LINEへの通知
(第3試合の開始前にアカウントにプッシュ配信)
●実況ページ
(直前までのプレー動画がならぶ)
このような形で、LINE NEWSではスマートフォンでよりスポーツを楽しんでもらうための様々な施策を、日々行っています。
おわりに
ここまで試行錯誤しながら施策を重ねてきましたが、LINE NEWSでのスポーツ情報の発信は発展途上の段階です。タイトルに最適解と書いてしまいましたが、まだまだ見つかっていません！
オンデマンドで楽しめるコンテンツや、短い時間で消費できるコンテンツが溢れるなかで、それらに負けない今の時代にあった形でスポーツの魅力を届ける。またLINEを通じてスポーツの裾野を拡大する、スポーツの魅力を広める・深める、そのお手伝いがLINE NEWSでできればと考えています。
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