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LINE NEWSのトップ面は1億通り、AIで実現した「ニュースの個人化」

多くのニュースメディアでパーソナライズ化が進んで久しいですが、LINE NEWSでも2016年からレコメンド機能を取り入れています。第5回となる今回は、LINE NEWSが代替不可能な存在になるために、ニュース企画チームが中心となって頑張っているAIによるレコメンド機能についてご紹介したいと思います。

LINE NEWSにおけるレコメンド機能

以前、「LINE NEWS DIGEST」についての記事でも触れましたが、LINE NEWSでは800を超える媒体から、1日あたり約8,000記事を提供していただいています。この膨大な記事の中からユーザーに最適なものを提案するため、編集部独自のピックアップに加え、1人1人違った記事が掲載されるレコメンド機能で"人力×テクノロジー"のハイブリッドな運用を行っています。

世の中の流れを知る上で見逃せない情報を編集部が掲載しつつ、レコメンド機能によってパーソナライズされた興味・関心のある情報を提供し、バランスの良い編成を目指しています。

では、どこが編集部のピックアップでどこがレコメンド機能なのか。編集部は、ニュースタブトップにおける「ニュース」や各カテゴリタブの「トピックス」の編集を行っています。対してレコメンド機能は、下図の赤枠にあたる部分です。

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ニュースタブトップ(トップページ):最上部の画像枠
各カテゴリタブ:最上部の画像&テキスト枠
記事ページ:遷移先記事の下部

ニュースタブトップではジャンル問わず、ユーザー個人の関心がありそうな分野を中心に表示されるので、パーソナライズが特にわかりやすく反映されていると思います。(ぜひ周りの人と見比べてみてください!)

レコメンド機能の変遷

LINE NEWSでは、2016年3月に初めてレコメンド機能「FOR  YOU」を導入しました。(画像は導入当時のもの)

プレゼンテーション1のコピー2

この「FOR YOU」は、ファーストビューとなるトップページの最上部に掲載されました。当時のネットメディアはもちろん、新聞やテレビなどブロードキャスト型の情報発信が主流だった中で、ファーストビューにレコメンド機能を表示させることは、LINE NEWSとしてチャレンジングな取り組みでした。設置後はトラフィックや売り上げが増加。結果として現れました。

2017年2月には「ニュースタブ」をリリース。ニュースタブでも同様に、レコメンド機能によってパーソナライズされた記事を配信しています。

「FOR YOU」では、ユーザーのLINEアプリの利用履歴に基づいて推定された属性・関心軸をもとに数千パターンのリストを作り、個人に最適化された記事をレコメンドしていました。

レコメンド精度向上へ

数千パターンでも十分多いように聞こえますが、ニュースの関心は人それぞれ。LINE NEWSではレコメンドの精度を高めるため、2018年4月に各ユーザーごとのロジックを導入しました。

このロジックは、端的に言うと十人十色のレコメンド機能。LINE NEWSの裏側で1億人を超えるユーザー分のファイルを生成して、より一層ユーザーの興味にあった記事を提案します。

LINE NEWSのMAU(=月間アクティブユーザー)は7,500万人ですので、それ以上のファイルが存在することになります。これはLINEそのものの国内ユーザー数に応じた数字で、初めてLINE NEWSを開いた人に対しても、自分が興味・関心のある記事が表示されるようにすることが目的です。

2018年6月に行われたLINEの事業戦略発表会「LINE CONFERENCE 2018」では、"Deep Personalization"を推進することを発表。「ニュースの個人化」を目指すために、レコメンド機能向上に向けて動き出しました。

そして2019年4月にニュースタブトップのリニューアルとともに、韓国NAVERのAiRS(AI Recommender System)チームとタッグを組んで、新しいロジックを取り入れました。

それまでのロジックでは毎時間ごとにファイルが更新され、レコメンドに反映されるまでの時差がありましたが、AiRS導入によってリアルタイムでレコメンドを表示させることが可能になりました。

韓国NAVERと連携、見えた課題

AiRSは先述の通り、韓国NAVERのレコメンドエンジンです。韓国では最新記事が好まれるので、当初は日本でも同じく最新記事を優先的に表示していました。ところが、日本のユーザーから「事件・事故のニュースばかりで悲しくなる」といった意見が寄せられました。

日本ではどのような記事が読まれるのか。仮説を立てて、何度も検証を重ねた結果、記事が少し古くても内容が面白ければ読まれるということが判明。日本のユーザーの情報探索行動に対応しつつ、最適化を進めながら現在に至ります。

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レコメンド機能の懸念点と今後

LINE NEWSでは多くのユーザーにとって必要な情報を確実に届けるために、編集部の約60人が24時間体制で運用を行い、トップページのニュースはもちろん、各カテゴリごとにトピックスを掲載しています。

一方でアルゴリズムによるレコメンド機能は、自分が興味のある記事しか出てこず、偏った情報ばかりに触れるというような"フィルターバブル"や、新しい発見があるような情報に出会うことできないといった懸念があると思います。

LINE NEWSではレコメンド機能に、情報の偏りを減らす対策を講じています。例えばエンタメ記事ばかり読んでいる人に対して、エンタメ以外の情報を一定数表示させたり、ユーザーにとって新たな出会いとなるような情報を掲載したりするような仕組みです。(筆者はサッカーが好きなので、トップページにはサッカー関連の記事が多く出ていますが、中には政治やエンタメなどの記事も含まれています)

レコメンド機能に完成はないので、リリース後も日々改良が重ねられています。精度向上を進めるのはもちろんですが、今後さらにレコメンド機能が活躍する配信面が増えるかもしれません。

「ニュースの個人化」を目指す、LINE NEWSの今後の動向にもぜひご注目ください。

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