安比奈 ユキ

写真と絵と文章が好きです。日々のこと。

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    • 繊細さはすぐに押しつぶされてしまう。 手放されてしまう。忘れられてしまう。 どうかあなたが繊細でいられる強さを守っていけますように。 #日記 #イラスト

      • 働かざること山のごとし

        長くなりすぎたお昼寝を遮ったのは、市内の局番から着信でした。 先週受けた面接の合否の連絡。 すぐに出る気にはなれなくて、スマホが鳴り止むのをじっと待ちます。 無職になって2ヶ月。正確には業務委託契約が終了した形でしたが、主たる収入源の喪失でした。 よくも悪くも働いてる感が少ない仕事だったので辞めた直後は実感がなくのんびりしていましたが、さらさらと減っていく預金残高は心のやらかい場所を確実に締め付けてきました。 (まずは目を覚まそう…) 冷蔵庫に向かい母が送ってくれた杜

        • ベイビーアイラブユーだせ

          なんだかよくわからないけど、自分のなかで「来たるべき日」に設定されている事象はないだろうか。 ……ないですかね? 昨夜未明、BUMP OF CHICKENのボーカル 藤くん(藤原基央さん)の結婚について情報を目にしたとき「ついにこの日が来たか…」という言葉が唐突によぎった。 体のなかのどこからかちいさくシュンとしぼむ音がする。 ✎________________ 高校を卒業してすぐ進学のために上京して、23区の端っこでひとり暮らしをはじめた。 親が選んだ新築のアパ

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          日々のかけら

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          川越おすすめスポット〈名所編〉

          埼玉県随一の観光地川越。 市内在住の安比奈おすすめのスポットを紹介いたします。 おおむね定番の名所編です。 イチオシはヤオコー川越美術館ですね。 1.中院 天台宗の寺院。 1年を通して静かな佇まい。The日本の庭をゆっくり味わえる。 四季折々に美しい草花は特にしだれ桜が有名で圧巻。大きなミモザも見事。 河越茶・狭山茶発祥の地とされる。島崎藤村ともゆかりが深く茶室や義母の墓がある。 駅からは中院→喜多院→成田山別院→時の鐘方面に行くとスムーズ。 ホームページがすご

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          雨上がりとネコと夏の空

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          いろんなことが わからなくなって わからなくなって ずっとわかっていたつもりだったことが わかった

          いろんなことが わからなくなって わからなくなって ずっとわかっていたつもりだったことが わかった

          さびしいって言って

          夏のような、どころではない暑さも過ぎ去っていつもの気温が戻ってきたかと思ったらもう最終日。 今月はずっとそわそわしてすごしてしまった。楽しくてせつなくて、なんだかいつも泣きそうだった。五月晴れを恨んだり羨んだりしながら。 ⿴⿻⿸ 今日は久しぶりに肌寒いくらいで、風がクーラーみたいに気持ちよかった。 窓を開けたままいつものように空色のソファに寝転んだ。 とても気持ちがやわらかい日で、ぐにゃぐにゃといろんなことを考えた。どんどん忘れてしまうから、どんどんメモ帳に書き込

          さびしいって言って

          水底の夜

          雨あがりが好きだということは、つまり雨が好きだということなのだろうか。 時々、歩きタバコの煙にぶつかるとき「ああ、魅惑的な香りだな。」と思ってしまうけど、ずっととなりでふかされてはたまらない。 髪やら衣服やらに染み込んでしまった香りには嫌悪感しかわかなかった。 それなのに一瞬でも誘惑されてしまう、タバコのことはちゃんと嫌いなのだろうか。 ⿴⿻⿸ 昨夜からの風雨はすごくて、1年ぶりの記録的なものだったらしい。 いまはすっかり雨もあがり、風もなくて、ほどよい湿度と体感の

          一日のほとんどを過ごす部屋にいるのになんだかいつもと違ってそわそわするのは、新調したお気に入りのコートのポケットに入ったままのアトマイザーのせいだ。 香水を試すために吹きかけたちいさな短冊からただよう、わくわくするような予感。あの日の願いが叶いますように。

          一日のほとんどを過ごす部屋にいるのになんだかいつもと違ってそわそわするのは、新調したお気に入りのコートのポケットに入ったままのアトマイザーのせいだ。 香水を試すために吹きかけたちいさな短冊からただよう、わくわくするような予感。あの日の願いが叶いますように。

          「自分がもっと、ずるい人間だったらよかった。」 これよりずるい言葉を知らない自分は、たぶん一番ずるい。 さむいさむい春の雨の日に食べた春雨は、とても美味しかった。キャベツはまあまあだった。 ペンギンの本を読みながら眠りにつく。凍てつく南極の夢がみたい。

          「自分がもっと、ずるい人間だったらよかった。」 これよりずるい言葉を知らない自分は、たぶん一番ずるい。 さむいさむい春の雨の日に食べた春雨は、とても美味しかった。キャベツはまあまあだった。 ペンギンの本を読みながら眠りにつく。凍てつく南極の夢がみたい。

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          春 はる 遥

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          思い出はさめ肌

          「K先生の奥さん、やっぱりめっちゃ若かったよ!」 唯一といっていい、いや、唯一であるべきか。親友のなみちゃんは興奮気味に教えてくれた。 にこやかというよりはにやにやとしたK先生の顔が浮かんで、背中と心がざらりとした。 ⿴⿻⿸ K先生は高校の吹奏楽部の顧問だった。 よくいえば情熱的、悪くいえば感情的な印象が強く残っている。社交的で世渡りが上手く、吹奏楽業界(?)では顔が広かったらしい。有名な音楽家の先生やプレイヤーが頻繁に講師として訪れてくれた。 その甲斐もあって、高校

          思い出はさめ肌

          春のやくそく

          たいていのものはしっかり排除して、うつくしいものにたくさん触れて、必要なだけちゃんと悲しんだりふさぎ込んで、すぐに飽きるくらいどんどん好きなものを探して、これからもやさしくて繊細な心と身体をどうか守ってあげてください。 きょうまで生きのびていてくれて嬉しいです。 ときどき、できたらたくさん、泣いたり笑ったりしてたらいいなと、ふと思ってしまいます。 来年、また桜の季節までお互い生き残りましょう。そしてお祝いにかわいくておいしいケーキを食べたいですね。 #日記 #春 #

          春のやくそく

          3.11

          今日のその時間、わたしは都心のデパートにいた。 「まもなく震災発生時刻になりますと、一斉に黙祷を行います。ご来店のお客さまも…」そのようなアナウンスが流れてくる。 黙祷をしてくれるんだ、と思った。 そして、してもらうほうだと思っていることにも気づいた。 8年前は都内の歯科医院で働いていて、午後の診療のまっただ中だった。 集中して歯を削っていた院長先生が「ん?」といって手を止めた次の瞬間、体験したことのない大きな揺れが起こった。 慌てて入り口のドアを開けると、どこからと