s**t kingzインタビュー ~世界的ダンサーシットキングスはどんな"表現者"?~

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11月21日(土)にLINE CUBE SHIBUYAで、"「NAMA!HO!SHOW!!」を一緒に観まSHOW!! "を開催する、ダンスパフォーマンスグループs**t kingz(シットキングス)。shoji・kazuki・NOPPO・Oguri の4人で構成されるシットキングスが、どのような歩みのなかで世界的ダンサーと呼ばれるまでになったのか--。
最近は、バックダンサーや振付、演出だけでなく、音楽番組で三浦大知やPerfumeらとの共演や俳優としてドラマ出演するなど、お茶の間でもシットキングスの活躍を見られる機会が増えました。「物語」のあるダンススタイルが印象的な彼らが、どのような"表現者"を目指してきたのか。kazukiさん、NOPPOさんに話を聞きました。

昨年12月に開催したLINE CUBE SHIBUYAでの「メリーオドリマX'mas」から約1年ぶりですね!

kazuki:お客さんに会えるイベントは昨年12月以来です。

NOPPO:(新型コロナ感染拡大の影響で)リアルイベントが開催できなかったので、ようやくですね。楽しみです!

■見どころについては、またのちほどお聞きするとして、近ごろ、kazukiさんはyoutuberとして「カズキのタネ」、NOPPOさんはイラストレーターとしてアパレルブランドとのコラボやドラマ出演、shojiさん、Oguriさんは俳優業と、ダンサーの枠を超えた活動が目立っていますね。

kazuki:自分は笑いが好きで、ガヤガヤにぎやかなバラエティー番組に癒されてきたんです。お笑い番組やコントが本当に好きで、シッキンとしてもコメディが強みだと思っているので、さらにグレードアップしていけたらいいなあと。それこそ、ダンスに対してハードルを感じている方にも、思わずダンスを見てしまうような環境を作っていけたらという思いで、youtubeチャンネル「カズキのタネ」をやっているところがあって。youtubeは好きな時間に気軽に見られると思うので、少しでもダンスに触れてもらったり、「何このダンス、笑える!」「かっこいい!」と感じてもらえるようにイイ感じに見せていけたらなと思っています。

NOPPO:いま、俳優や絵のことにチャレンジしていて、気づきや学びが多いです。芝居をやらせてもらうなかで、ダンスに採り入れられるところと、やっちゃダメだなというのが見える部分がありました。たとえば、ダンスは角度や動きでどのように見えるのか?というのを俯瞰で想像することが多いですけど、芝居でも自然と同じように考えてしまっていて、「今、なんでその動きしたの?普通はそんなことしないよね?」と言われることがあって。ダンサーが出てしまっていたんです(笑)。それに、シッキンはどちらかというと、ハッピーや楽しさなど、ポジティブなエネルギーを与えられる作品づくりが特徴ですが、芝居は自然な感情や動きを見せることが多いと感じました。こうやって気づいたことや学びをダンスの表現につなげていきたいし、幅も広がっていくのはないかという期待もあります。

■個々の活動で目指す部分がありつつも、根っこの部分はやはりシットキングス4人としての活動なのでしょうか?

kazuki:もちろんそうだと思います。俳優業やyoutuberをやる前から、バックダンサーや振付、演出などの仕事が個々にあって、外の仕事からシットキングスに持って帰ってくるものがたくさんあったんです。昨年の「メリーオドリマX'mas」の時期に、僕とshojiくんが大きなステージで演出していたので、「この規模でこういう風に見せるためには、こうしよう」などと、サイズ感をお客さん目線で考えたり、大舞台で得たことを採り入れるなど、4人でやっているだけだと思いつかないこともありました。外の仕事をしているときに良いと思ったものは、「シッキンでやってみよう、シッキンだったらこうしたらいいかも」と考えたり、持ち帰ろうと常にしていますね。

■シットキングスはkazukiさんが3人に声をかけて2007年に結成したとのことですが、そもそも、なぜこのメンバーだったのですか?そこにシットキングスの魅力が隠されている気がしています。

kazuki:そんなに深い意味はなかったんですけど……(笑)。ある日、マンガ喫茶でshojiくんとYOUTUBEを見ていて、ショーン・エバリストというアメリカのダンサーのカンパニーが30人ほどで踊っている動画を見たんです。あの頃は若くて知識もなかったので、ただただ「すごい!」と漠然と思いました。いま思えば、振付もフォーメーションも斬新で、ここを見せたい!という切り取り方がおもしろかったのだと思います。
僕は当時、4、5つほどユニットを掛け持ちして、毎日いろんなイベントに出ていました。シッキンもそんなテンションで、2、3回人を集めて、ショーンのような作品をつくるユニットをやってみようと始めたものでした。このころ、NOPPOと組んでいたチームではコンテストに出まくっていて、勝つためにそろえる練習をすることに嫌気がさしていて。根本に「楽しい」がないとダンスを続けられないタイプなので、競技にしたくなかったんですよね。
クリエイティブさなどは気にせず、同世代に声をかけました。NOPPOはずっと一緒にやっていて信頼していたので1番最初に。Oguriは売れっ子バックダンサーで、あまりクラブのショーに出るタイプではなかったこともあり、レアでおもしろいなと。外語大出身のshojiくんは海外の情報に1番詳しかったし、こういった試みにも高いポテンシャルを持っていると感じていたので、この4人になりました。
すぐに終わるつもりだったけど、結果、評判が良かったので、すごくしっくりきてしまって。どんどんどんどん今まで来た、という感じです。

■なるほど。やはり、結成時のエピソードに、シッキンスタイルの根幹があるように感じますね。

kazuki:はじめは「物語」なんて全くなかったんですよ。ただ、踊り方とか、歌詞に振りをつけたりとか、当時の日本にはなかったダンスだったのかな。当時はショーンの動画を見て、海外ってこういう踊り方をするんだ!と学びながら、試行錯誤してつくり始めました。徐々にテーマやストーリーが生まれて、(クラブではなく)舞台でショーをやるようになってから、よりこのスタイルが加速したと思います。
このようなスタイルを始めてからは海外にもよく行くようになって、2010年と11年に世界が注目するコンテスト「BODY ROCK」(米国)で優勝しました。舞台でショーをやるようになったのはその後のことですね。

■コンテストに出るためじゃないダンスをやるためにシッキンが生まれたのに、なぜコンテストであるBODY ROCKに出たのですか?

kazuki:BODY ROCKは招待制なので、出たいと思っていても出られないコンテストなんです。当時、海外のブギーゾーンと提携している日本のスタジオから声がかかりました。shojiくんに見せてもらったショーンの動画がBODY ROCKの前身のイベントのもので、シッキンを結成するきっかけとなったイベントだったので、特別でした。
ただ、コンテスト用には振りをつくることはせず、その時にやっているネタをたくさん練習して出るということで出場を決めました!

NOPPO:アメリカに着いてからもスタジオを借りてすごく細かく練習して出た、いうすごく思い出深い出来事でしたね。

kazuki:優勝するなんてはじめから思っていなかったですけど、踊った後の観客の歓声がものすごくて、その感動が何もかもを飛び越えるような最高の気分でした。海外でこんなに歓声を浴びれる日が来るなんて、と。結果発表のときは油断していて、まさかの優勝で。ショーンや海外ダンサーもたくさん祝福してくれて、優勝より何よりうれしかった。

■これまで、日本のダンサーが出場したことはあったのですか?

kazuki:おそらくなかったと思います。海外枠ができたのが、シッキンが出た翌年以降だったので。当時は各国から集まるというよりはアメリカのすごいチームがたくさん集まるイベントでした。

NOPPO:どのチームも30~40人で踊るのが普通なのに、4人で踊ったので、舞台が広すぎて、僕たちだけ中幕を閉めて踊ったんですよ(笑)。アメリカのチームばかりなので、現地では、「え?日本人なの?」という反応をされました。

■BODY ROCKで2連覇したことが肩書のように語られていますが、当時のエピソードをお聞きして、より、シッキンのすごさが伝わってきます。その後、ヨーロッパツアーをされてましたが、BODY ROCK優勝がきっかけだったのですか?

NOPPO:アメリカで知り合ったダンサーがヨーロッパのダンサーに「こんなおもしろい日本のダンサーがいる」と紹介してくださり、お声がけいただきました。

kazuki:当時はサポートしてくれるスタッフもいなかったので、クラブで踊っているダンサーたちと何も変わらなかったですし、英語ができるshojiくんがやりとりをしてくれて。向こうに行ってからどんな生活が待っているのかもわからない状態で行ってました(笑)。

■最近もシンガポールで話題のフェスにも出演していたり、現地メディアに取り上げられたりと、海外の活動も盛んですが、シットキングスとしてはまだまだこれからも世界を目指していくのですか?

kazuki:もちろん、海外での活動もやっていきたいと思っていますけど、今は日本のエンターテインメントを盛り上げていきたいという思いが僕は強いです。日本をもっとおもしろくしていきたいなあと。

■シッキンのショーはコメディも特徴の一つ。かっこいいダンスだけじゃない演出が魅力ですよね。

kazuki:ダンサーって踊っている姿しか見られないけど、実はダンス以外の才能を持っているおもしろい人がたくさんいるんですよ。NOPPOみたいに絵が描けたり。それを広めるきっかけになれたらなと思います。

■4人家族の物語が繰り広げられる「せが家」はまさに、"踊る新喜劇"ですよね。たかしくん(NOPPOさんの役)のアドリブはその場で考えるのですか?

NOPPO:せが家は「メリーオドリマX'mas」の演出のために生まれたキャラクターで、キャラクター設定もあのときに考えました。アドリブは本気でやっていますよ!ちょっとだけあの場で考えますけどね(笑)。

■せが家にまた会えることを楽しみにしています!
さて、11月21日の"「NAMA!HO!SHOW!!」を一緒に観まSHOW!! "について伺いたいと思います。6月と8月に生配信されたショーをお客さんと一緒に見て楽しむイベント。6月のショーはオンラインで会議をしている場面などが出てきましたが、コロナ自粛期間に考えていたことが表現の部分として大きかったのでしょうか?

NOPPO:導入部分は特にそうですね。やっと、みなさんの前で踊ることができた!という思いがあふれたショーでした。僕らも自粛期間が明けて、久しぶりに4人で集まったタイミングで。10日間ほどリハーサルをして本番に臨んだのですが、ずっとオンラインで会議をして、音を決めたり構成を練ったりしていました。いざ会ってからは、猛ダッシュで進めて、という感じでした。記憶にないくらい怒涛でしたね。本番になって、オンライン上でみなさんのコメントが流れてくると、「あ、こういう形もあるんだな」と感じました。不思議なのが、カメラが回り始めると、お客さんが目の前にいることを感じることができたんです。カメラを見ると、アドレナリンが出て興奮しましたね。

kazuki:お客さんのコメントもはけるタイミングで見ることができるので、見られている感じがものすごくあるんですよ。

NOPPO:オンラインで生配信をすることは初めてのことで、ものすごくチャレンジだったし、どのくらいの予算感でやっていいものかもわからないし(笑)。実は、6月の配信はカメラの確認が本番当日しかできなくて。想像だけでいったん作っているところもありました。コロナ自粛でいろんなことに制限がありましたけど、その中でもあそこまで見せられたのは、さすがシットキングスだと思えて、やっぱりやりたかったんだ、もっと踊りたい!と欲が出ました。

■8月にまた生配信。期間が短いなかで、あそこまでの作品をつくるなんてすごいことですね。

NOPPO:そうなんですよ。やるって言っちゃいましたね。(笑)

kazuki:ほんとに(笑)!!しかも、2回目はスタッフさんも参加する演出のショーだったので、1回目より何倍も時間がかかりました。しかも、1回目と同じことはできないですし。これやったら似ちゃうというのがあるので、1回目よりネタ出しが本当に大変でした。

■"「NAMA!HO!SHOW!!」を一緒に観まSHOW!! "はどんなイベントになりますか?

kazuki:気楽に楽しめる内容になっていると思うので、ぷらっと遊びに来てもらえるとうれしいです。

NOPPO:いつも映像が出来上がると、修正チェックをするんですけど、そこで間違えていたりするとみんなで爆笑するんですよ(笑)。そういう空気をみなさんにもお見せできるのがいいなあと。「ちょっと待って!これ巻き戻してもう1回見てみようよ!」とかができるのかと思うと、楽しみ!

kazuki:1回見た方は、「あそこはこうなっていたのか!」と気づけたりして楽しめるかと思います。生配信一発ならではのハプニングがあるので、隠さずすべて見せちゃってもいいかなと思っています!見てる人からしたら、失敗と思わないかもしれないですけど、予定していたものができないと、僕たちにとっては失敗なので。実はそういうのがたくさんあるんですよ。

NOPPO :全然ある。あるある。

■LINE CUBE SHIBUYAは渋谷公会堂という歴史あるホールで、渋谷ならではのストリートカルチャーの継承や新たな文化発信の拠点になっていきたいと考えているのですが、昨年に続きこのホールでパフォーマンスをするということについて、特別な思いはありますか?

kazuki:じつは、LINE CUBE SHIBUYAの向かいにあるクラブハウス「egg man」が初めてシッキンがパフォーマンスした場所なんですよ。だから、この道路を渡るために12年の道があったんだなと、昨年のイベントのときは感慨深いものがありました。三浦大知のライブなどで渋公で踊ったことはあったけど、シッキン単独でできたことがものすごくうれしかったんです。

■egg manから渋谷公会堂への道のりについては、バンド系ミュージシャンにとっても登竜門的なことをよく言われます。ダンサーのシッキンにとってもあるんですね!渋谷という街とはどんなかかわりがありますか?

kazuki:ダンサーにとって渋谷は活動の拠点ですね。ダンスしにきてる場所というイメージが強いです。

NOPPO:ほんとに毎日渋谷にいます(笑)。

■楽曲から振付、すべてオリジナルで制作されている"見るアルバム"は新しい挑戦ですよね。

kazuki:毎月1曲ずつ公開しますので、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。

またLINE CUBE SHIBUYAに帰ってきたいと思います!

インタビュー・文:MAASA SEKI(LINE CUBE SHIBUYA)

<プロフィール>
shoji・kazuki・NOPPO・Oguri の4⼈で構成される世界が注⽬するダンスパーフォーマンスグループ。4⼈が出場したアメリカ最⼤のダンスコンテスト「BODY ROCK」では、2010 年、2011 年と連続優勝。世界各国からオファーが殺到し、これまで20カ国以上を訪問。その活躍は、テレビ局各社で特集が組まれた。また、音楽番組には、バックダンサーとしてではなくアーティストとして出演。2019年11⽉放送のFNS「27時間テレビ~にほんのスポーツは強いっ!~」では、メーン企画の⼀つとなる“グランドフィナーレ”の演出・振付を担当し、3ヶ⽉間にわたる⼤きなプロジェクトを牽引した。
単独のオリジナル舞台公演は、第4作⽬となる「The Library」(2018 年秋)で、全国7 都市・全30公演が⾏われ約2,5000 ⼈を動員。シットキングス史上最も踊りまくりのダンスライブ「メリーオドリマXʼmas」(2019年12⽉⼤阪・東京)は、⼀般発売後即⽇完売。現在は過去最⼤規模となる新作舞台の全国ツアーが発表されており、今後の続報に注目が集まる。
また、AAA、BoA、EXO、E-girls、Hey!Say!JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、SHINee、SUPER JUNIOR、関ジャニ∞、ジャニーズWEST、東⽅神起、三浦⼤知らの振付を約200曲以上⼿がけており、つねに⽇本のエンターテインメントシーンの最先端で活躍しつづけている。
詳細はこちら→https://shitkingz.jp/about/
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《公演概要》
「NAMA!HO!SHOW!!」を一緒に観まSHOW!!
○公演日:2020年11月21日(土)
・昼公演:NAMA!HO!SHOW!! vol.1
【開場】12:00 【開演】13:30 (公演時間約120分)
・夜公演:NAMA! HO! SHOW!!HO!SHOW!! vol.2~ON&OFF~
【開場】16:30 【開演】18:00 (公演時間約120分)
※昼公演と夜公演は、演目が異なりますのでご注意ください。
※会場規定によるソーシャルディスタンス確保のため、前後左右一席ずつ空けて販売させて頂く場合がございます。
○チケット:全席指定 4,000円(税込)
○会場: LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

チケット情報はこちらhttps://shitkingz.jp/shows/namahoshowmimashow/

instagramではお二人からのコメントムービーが見られます!ぜひチェックしてくださいね。
●LINE CUBE SHIBUYA公式instagram
https://www.instagram.com/line_cube/

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