約束

なにを言ってるんだと感じる人がほとんどだと思うけど、私は心底真面目に、自分の寿命や死に方を考える時がある。
白髪や皺がこれ以上ないぐらい増えた後、世界を愛したまま死ぬのだろうか。
それとも数日後、もしくは数分後に事故や災害で死ぬのだろうか。
もしかしたら今既に、不治の病が気づかぬうちに肉体を蝕んでいってるのではないだろうか。

聞く人が聞くと笑われてしまうようなこんなことを、時々大真面目に考えるのだ。

「また明日ね」とか「また今度ね」なんて約束を息を吐くように交わすけれど、この世の中に幾つ、敵わなかった「また」があるのだろう。

会いたい人には会いに行けよ、そんなふうにいうけれど、実際は迷惑じゃないかとか相手はそれほど会いたくないんじゃないかとか考えてしまって動けなかったりする。
いざ動いてみた時に限ってタイミングが悪かったりしちゃうともう心は大騒ぎ。
慣れないことをするからだ、衝動的に動いたんだから当然の結果だな、と虚しさと苦手なことが増えるだけだ。

だけどたまに現れる奔放な人間が、いざ連絡もなしに会いにきてくれると頬が緩んでしまったりする。こんな人間になりたいなと少しだけ考えて、今更無理だと縮こまるオチだ。