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忙しい師走の時期、身体も心も温かくしてくれる正欉鉄観音茶と燻製龍眼とクルミのタフィー

11月に入って、気温がグッと下がり、紅葉も少しずつ見えてきて、これからはいよいよ本番の冬に入ります。

北台湾は、日本ほど寒くないが、気温もだんだん下がって、雨の日が続いており、冬の気分になりました。

冬の台湾茶を言うと、鉄観音茶は絶対外せません。
強い焙煎の香りが特徴的だが、その特殊な作り方に原因があるのです。。

台湾でも有名な「鉄観音茶」は、元々中国の福建安溪で成長していた、品種の名前が鉄観音と呼ばれている茶の木が、1895年より台北近郊の猫空エリアで栽培が開始されるようになりました。

この品種の香りは、パッションフルーツやマンゴーのような甘い香りがして、よく中〜高焙煎されて、冬に身体を温めるお茶として人気があります。

しかしながら、元々中国で成長していた茶の木は、台湾の気候に適応させるのに、かなりの工夫が必要です(現在の主流な台湾茶は、よく金萱茶などが使われますが、中国からの茶の木を何回も品種改良したもので台湾の気候に適して栽培が容易になりましたが、台湾で品種改良のされていない鉄観音種を栽培すること自体が難しい)。

栽培のお手入れが大変で、代わりに生まれたのは「鉄観音風味茶」で、他の成長しやすい品種(例えば台茶12号金萱、台茶20号迎香など)を使い、強い焙煎をかけ、深煎りの味わいをマネしているだけの「鉄観音風味茶」なのに、よく鉄観音茶と呼ばれることがあります。


例えばコンビニで買う鉄観音茶は、このバターンです。
「鉄観音」と言う名前が、いつの間にか品種名から作り方・風味の名称に変わったのです。

努力して鉄観音種を栽培している茶農家より、不平の声が出ました。そこで、鉄観音種を使った鉄観音茶を「正欉鐵觀音」という名前で呼ばれるようになりました。「正欉」とは、「本当の木」という意味で、他の品種でごまかすのではなく、本当の鉄観音の木で作られた正真正銘の鉄観音という意味です。

また、高焙煎ですと品種の香りが分からなくなりがちで、違う品種を使っても区別が付かなくなる可能性が高く、鉄観音という品種の香りを強調させるため、あえて焙煎を少し軽くさせる傾向もあります。

今回は、杉林溪の近くの竹山の大鞍茶区で栽培された鉄観音を使い、より軽い焙煎で本当の鉄観音の味わいが楽しめる、貴重な正欉鉄観音茶です。

香りは味わいはパッションフルーツ、マンゴー。冬でしか作らない、標高1200メートルの高山鉄観音。

合わせるお菓子は、薬膳スイーツの「桂圓核桃糕」を提案。
桂圓とは、焚き火で乾燥して燻製の香りもする、龍眼と言う果物。龍眼は、ライチの仲間であり、外側に硬めの皮があり、中には糖度の高い実が入っており、真ん中に種があります。桂圓は、補血効果があり冷え性に良いと言われており、台湾ではスーパーのみならず漢方薬屋さんでも売られています。甘いのでよくスイーツに入れられるのですが、甘いおこわにもよく使われています。デザートスープにするときは、よくなつめ(紅棗)、白キクラゲなどと一緒に煮込みます。

「桂圓核桃糕」の核桃は、クルミのことで、桂圓とクルミ、そして水飴で固められたタフィーのようなお菓子。薬膳スイーツとして、とても人気があり、冬のお茶会によく見かけます。


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