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肌寒くなる秋は、高山茶の時期に入ります。

台湾茶の歴史の中で、それぞれの時代に違う物が流行っていました。


18世紀から中国から鉄観音の植木が台湾に初めて持ってこられ、台湾お製茶事業が始まりました(それまでは原住民が台湾特有の山茶を飲むこともあったが製茶事業の規模に至っていませんでした。山茶のストーリーはまた別の時間でお話しします)。その後、イギリスの貿易商により、台湾茶はフォルモサウーロン、オリエンタルビューティー(東方美人)として世界に初披露されました。日清戦争の後、台湾は日本の植民地領土に入り、大日本帝国政府の指導で、各地に茶畑と加工場が作られ、イギリスがインドで作る紅茶と競争が激しかったそうです。第二次世界大戦と中国の内戦が終わってから、大量の中国移民が台湾に来て、中国式の烏龍茶が台湾で再び流行り始めました。

60年代から台湾茶を代表する凍頂烏龍茶がよく知られ、その製法による味わいも、今の台湾茶に大きな影響を与えています。その製法というのは、軽〜中の発酵度と軽〜中の焙煎度の組み合わせでまろやかな味わいが沢山の人気を得ました。発酵度を低くすれば、お茶の本来の味がそのまま残されそれぞれの違いが比較でき楽しめます。中レベルの焙煎を入れることで、茶葉の生っぽさもなくなり(特に中医学では発酵、焙煎されていない緑茶が身体を冷やす効果がある寒涼性の物だと見做され、多く飲まない方が良いとよく言われます)飲みやすいことで人気があります。凍頂烏龍茶とは、標高750mの凍頂山で作られるお茶ですが、1000m以上の高山の霧と湿気で高品質な茶葉が作られることで80年代からは高山茶が主流となり、凍頂烏龍茶のような製法(中発酵+中焙煎)で作られた高山茶は、熟香烏龍茶とよく呼ばれます。「熟」という文字は「生」の対義語で、「熟香」とは焙煎のあるお茶の意味を示します。ちなみに軽焙煎の高山茶はよく、「清香烏龍茶」という名称で呼ばれます。台湾という小さな島の中で、標高3000m以上の高山はなんと268座もあり、それぞれ違う日当たり、風当たり、土壌の鉱物質などの条件で違う風味が味わえます。有名な高山茶産地は、阿里山、梨山、玉山、杉林渓、大禹嶺などがあり、それぞれのファンもいます。

今回ご紹介するのは、梨山の熟香烏龍茶です。梨山茶はおよそ2100mの高さで栽培され、最も人気のある高山茶の一つであります。ここの茶葉の特徴は、昼間と夜の大きな温度差で新芽が柔らかいが分厚い、天然なペクチンたっぷりな茶葉で甘い味わいが出ます。品種は青心烏龍種でほんのり蘭の香りがします。生産時期は11月の冬茶〜翌年の4月までの春茶で、それぞれのファンがあります。高山茶の茶畑では、ほとんど秋が休耕となり、茶木にしっかりと休ませて冬に向けて栄養をたっぷり作らせますので、多くのファンが、毎年首長く冬茶を待っています。一方、春に取る春茶は、春の暖かい気温で新芽が沢山生え、風味も栄養も豊富であります。冬茶と春茶の間にとれた茶葉は、冬片という物があります。それぞれファンがいるので、是非あなたも、これから紹介していく台湾茶のバリエーションから、ご自分のお好きな味を見つけましょう!


梨山熟香烏龍茶
11月は、冬茶の季節に入ります。特に1,000メートル以上の高い山で生産される高山茶が人気で、それぞれ違う土壌、気候、日当たりなどによりテロワールが味わえます。海抜2,100メートルの梨山は、人気な高山茶エリアで、ミディアムの焙煎で肌寒い日に身体もあったまります。


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