【SS】動かないボーナス②|#毎週ショートショートnote
「今年も作らねばならんのか、井上?」
「作ったら特別ボーナスを出すって、所長が言ってました。博士」
植物学者の木下博士と助手の井上は、地域住民と研究所との秋季交流会用に、毎年巨大カボチャ作りをさせられていた。
「ウリ科カボチャ属のペポカボチャの一種がアトランティックジャイアントと呼ばれるハロウィン用の巨大カボチャで、そろそろ植えないと間に合いませんよ、博士。」
「あれは蔓が異常に伸びるし、いろいろ手入れが面倒なんだが、仕方がない。」
文句言いながらも巨大カボチャを作り、なかなか立派なものができた。今までで最高の出来のようだ。
「どうだろう、井上?」
「かなり上出来ですね。特別ボーナス、期待できそうですよ。博士!」
「さて、展示会場まで運ばなくっちゃな。しかし…重い、重すぎるぞ!」
クレーンが必要なようだが仕方がない。
巨大カボチャの人気ぶりは不動でボーナスも貰えたが、クレーン借用代で消えてしまった。
[407字]
「動かない」と「ボーナス」の話となりました。
そしてまたもやカボチャネタとなりました。
博士と助手の物語にお題を絡めるのが、最近楽しくなってきました。(下手くそだけど)
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