【SS】ポケット大増殖②｜＃毎週ショートショートnote

「お〜〜い、井上〜！どこだぁ〜？」
「博士〜！すぐ後ろにいま〜す！」

植物学者の木下とその助手井上は、ブラジルのジャングルを探索中だった。並んで歩いているつもりだが、気がつくとツタ状の植物に絡まって離れてしまう。

「なんだね、この網棚ポケットのようになっている植物は！」
「ハブカズラ属のオウゴンカズラ、俗に言うポトスが大増殖してますね、博士。」

ポトスの群生地をかき分け進むと…

「うわぁ！」
「博士、大丈夫ですか？あ、うわぁ！」

今度は地面の小さな穴ポケットに、二人とも足を取られた。穴はあちこちに、ボコボコ空いている。

「ここの辺りは、なんか妙だな。」
「そうですね。異質な孤立地帯ポケットですね、博士。」
「早く抜けよう。」

二人はジャングルから無事に脱出した。

帰路の機内でも、エアポケットにたびたび見舞われて、ほうほうの体での帰国となった。

［388字］

博士たちをジャングルにもう少し居させようかと迷いましたが、お題のポケットを今回いろんな意味で使って…帰国させました。

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