【SS】二重人格ごっこ｜＃毎週ショートショートnote

今、クラスでは『二重人格ごっこ』というものが流行っている。ていうか、普段と違う言動をして相手を驚かせるのだ。

「あら、ごきげんよう。小川のお嬢さま。今日も勉学に励みましょうね。」
「まぁ、宮田のお嬢さま。ご挨拶が後になって、ごめんあそばせ。こちらこそ、宜しくお願いいたしますわ。」

正直言って、こんなのは『貴族の真似事ごっこ』だ。二重人格ごっことは言えない。

「いやだぁ〜、久保くんたら。そんなこと言われたら、僕…じゃない、私惚れちゃいそう！」
「俺…じゃない、私たちの友情は、永遠よ〜！」

男子までも！言葉遣いだけ変えれば良いんじゃないんだ。

「ねぇ、さっきから何か言いたげだけれど、なんかある？」

おっと、こっちに話題が移ってきた。文句はいろいろあるけれど、説明が難しいな。

「ほっとけよ。妄想で参加しているむっつりスケベ野郎なんだぜ、きっと。」

「それな！」

むっつりスケベの僕は、陽キャラで返した。

［410字］　　　　博士出番無し

◯◯ごっことなると、学校ネタになる私です。
こんな名前の遊びは知りませんが、ベルばらブームの頃（何十年前だ？）は、マジで女子は伯爵夫人とか公爵夫人の言い回しを真似して会話していたし、流行りの漫画やアニメがあれば、すぐに日常会話に取り入れますよね。
二重人格と「憧れのヒーローやヒロインみたいに振る舞いたい」とは違うものだとは思うけれど、子どもなら少し重なる部分もあるかなぁ…と思い、書いてみました。（後書きが長いよ）

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